知恩院 桜のライトアップ2022 『月かげプレミアムツアー』で大鐘楼の中など非公開エリアも

『月かげプレミアムツアー』は浄土宗総本山『知恩院』主催のツアー

2022年は4月3日までライトアップをしている知恩院。せっかくの全国7000の浄土宗寺院、7つの大本山の上に立つ浄土宗総本山の訪問。

より深く巡るため、お坊様がご案内して下さる『月かげプレミアムツアー』(3,000円)ライトアップ拝観料込)に参加しました。

春のライトアップ期に知恩院主催となるツアーは2つ。1つは御影堂プライベートツアー(1,000円 ライトアップ入場料別)御影堂の中の非公開エリアに入れるもの。

もう一つはこの『月かげプレミアムツアー』。

三門前のお話から阿弥陀堂、御影堂内部、大鐘楼の囲いの『中』まで見せていただけて、南無阿弥陀仏を唱えを教えていただけるまさにプレミアムなもの。

知恩院に行くには?

知恩院は地下鉄東山駅から徒歩7分。知恩院は日中拝観料がかからず、どの門からも入れますが、ライトアップ時は三門横、円山公園の近くの入り口のみが受付となっているため、東山方面から行くと着いたと思ってからまだ少し歩きます。

プレミアムツアーに申し込むとライトアップ入場列に並ばず入場可能

プレミアムツアーの申込者はライトアップチケット売り場ではなく、ライトアップの出口側(三門右横)に係の方がいらっしゃるので、並ばずにお支払いと入場が可能です。

御影堂内のみのツアーの場合は入場してからの受付となりますので、おそらくこの並ばない特権はプレミアムツアーのみです。

なお、見事な三門の写真を撮るだけであれば、ライトアップに一般入場(600円)しなくても撮影可能です。

三門(入場せずに撮影した場合)

プレミアムツアー清算後は開始前に知恩院の三門横集合

月かげプレミアムツアーは入場時清算して、その後ツアー開始10分前に三門前に再集合。ツアー中は皆さんお坊様のお話に夢中になってしまうため、ライトアップ写真の撮影は、ツアー前後に時間を取って行う方が良さそうでした。

三門は表だけではなく、裏側もライトアップされています。

三門 中から
三門裏側ライトアップ

三門前ライトアップ

月かげプレミアムツアーの集合場所の前には提灯。この提灯はツアー中参加者のうち二人がずっと持って周ります。

月かげプレミアムツアー集合場所

知恩院の三門は山門と書かない

知恩院のさんもんは山門ではなく三門とかき、三解脱門を意味します。三解脱とは、一切を空と観図流こと・差別の相がないこと・願求(がんぐ)の念のないことの3つの解脱のこととなります。それを意味して、門の口も3つとなっています。

年に1度三門に上がれるミッドナイト念仏

知恩院の三門は通常上に登ることはできませんが、年に一度4月18日、ミッドナイト念仏という行事では一般の方も上がれます。ミッドナイト念仏は20時から翌朝7時まで通して念仏を唱えるもの。

浄土宗を開いた法然上人の忌日法要である御忌大会(ぎょきだいえ)の一法要となります。

このミッドナイト念仏はライブ配信もされていて、木魚のアプリを利用して木魚を叩くこともできるようになっているとのことです。浄土宗総本山も時代とともにあるのですね。

三門の前には井戸

三門の斜め前には井戸があります。この井戸はかつて祇園祭の薙刀を清める役割を持った、清らかな井戸だとのことです。

三門の井戸

ライトアップされた男坂と女坂

三門から急な階段を登る男坂は柵をしてライトアップされているため、夜間の利用はできません。

この男坂は急勾配を利用して一枚の絵のような鮮やかなライトアップとなっています。

男坂ライトアップ

夜間使える女坂は緩やかな階段。この階段昔は段のない坂道だったとか。

知恩院は徳川家と懇意で、江戸時代は二条城が落ちた時の第二の城のような役割を持たせる設計となっており、馬が上がれるように階段ではなく坂道だったそうです。

女坂は赤がポイントとなるライトアップ

極楽浄土の方角にある阿弥陀堂

鮮やかな赤いものはは阿弥陀堂ではなくライトアップされた塔で阿弥陀堂のお隣にあります。

その先、阿弥陀堂は本堂である御影堂の西方。つまり極楽浄土を示す場所となります。そこから中に上がって御影堂に行くのですが。

阿弥陀堂から入る理由は、知恩院の1日の始まりが阿弥陀堂でのお経から始まる始まりの場所であるため。また、阿弥陀堂では結婚式も行われる夫婦の始まりの場所であるためです。

朱印場所に裏の塔
阿弥陀堂

月かげプレミアムツアーは御影堂の非公開エリアへ

御影堂の入り口には火災から御影堂を守る猿の像が扉に付けられています。(ご案内されるお坊様によってはカッパとの説も)

御影堂の扉にいる猿の像

御影堂の中は撮影禁止ですが、月かげプレミアムツアーでは非公開エリアを見ることができます。

まずは内陣左側の厨子。左から徳川家康公、家康公のお母様、徳川秀忠公がお祀りされています。

元はこの御影堂徳川家康がお母様をお祀りされるために造られたそう。その後、初代の御影堂は焼け、現存のものは1639年家光公の時代に建てられたものだそうです。

次のエリアは御影堂真裏、法然上人のお祀りされている裏側を見せていただきます。通常、仏様の裏側にはお釈迦様とが描かれていることが多いようですが、知恩院では観音様が描かれています。

そして、御影堂右側には代々のご住職がお祀りされています。

御影堂内部の畳は創建当時のものを表替えだけして使っていることがわかる畳の柔らかさも体感できます。

また御影堂を通常入れない横から中央近くに入ると天井方向に53頭の象が飾られている様子を見ることができます。象は口を開けたものと閉じたものが交互に。これは仏教の始まりと終わりを指す阿吽を示しています。

御影堂ライトアップ

御影堂を出て、御影堂の東側に経蔵があるのを見ます。知恩院の造りは東側から浄土宗のお経を唱えるという中央の御影堂に祀られる法然上人の教えにそうと、西方の極楽浄土(阿弥陀堂)に行けるというものだということです。

月かげプレミアムツアーの見どころの一つ『大鐘楼の柵の中』

知恩院の大鐘楼といえば思い浮かぶのはゆく年くる年での除夜の鐘。除夜の鐘は17人でつくのですが、毎年12月17日リハーサル兼鐘をつくお坊様の選考会のようなものがあるそうです。

鐘を17人でつく理由は一説にはお釈迦様と16羅漢の数からきているとのことでした。

それだけの人数でつく鐘は直径2.8m重さは70トンもある巨大なもので、しゅぼく(鐘をつく棒)の重さも300kgぐらいあるそうです。

知恩院大鐘楼

ライトアップされた大鐘楼は通常柵の外からしか見ることができませんが、月かげプレミアムツアーでは柵の中に入り、鐘の中で声の響きを試したり、鐘に触ることもできます。

近くで見る鐘

鐘は近くで見るとその厚さがわかります。厚みは30cmあります。

鐘の後ろにうっすらと車が写っているのが見えるかもしれませんが、実はこの車は京都市提供のライトアップ給電装置。

エコで作った電気を蓄電してライトアップに供給する仕組みの車なのです。大鐘楼に上がる手前に仕組みが展示されています。

電源供給の仕組み

月かげプレミアムツアー最後は南無阿弥陀仏で

大鐘楼を終えると最後は別室で参加者のためにお経を唱えて下さいます。

浄土宗で南無阿弥陀仏を10回唱えるには唱え方が決まっています。まずはじめの4回は最後の『つ』を発音せず『なむあみだぶ』、そこで息継ぎをしてあと4回。そして9回目には『南無阿弥陀仏』と全て唱えて、10回目は最後に消えるように途中まで。

教えに合わせてお経を唱えて、90分のツアーは最後となります。

ツアー後に自由見学 友禅園

ツアー中時間の関係で見ることが出来なかった友禅園は日中は有料エリアとして区切られていますが、ライトアップ入場すると誰でも入ることができます。

友禅園ライトアップ①
友禅園ライトアップ②
友禅園ライトアップ③
友禅園ライトアップ④

友禅園はカラフルにライトアップされているため必見です。最後は友禅園から再び三門を眺めて帰路につきます。ライトアップの閉門は21時30分です。

友禅園ライトアップ⑤三門を眺める角度

知恩院冬の日中訪問時の様子は以下の旅行記も参照下さい。

知恩院冬の訪問記

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