円山公園の中の洋館『長楽館』
京都祇園 円山公園といえば、日本国内でも有数の有名観光地かと思います。桜の名所であり、近隣にあるのは浄土宗総本山『知恩院』・平安京遷都前より祇園さんといわれる『八坂神社』と京都神社仏閣巡りの王道とも言える場所。
その円山公園を散策すると、多くの方が目を留める洋館の門扉があります。

京都観光中、中を覗き込んでは見たものの入ったことがないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(私もその一人でした)。
カフェメニューも掲示されていますが、門構えが立派すぎて怯むという方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみにカフェ・アフタヌーンティの入り口近くのお部屋は下の写真のような雰囲気です。この立派な空間は長楽館が元々明治時代の煙草王と呼ばれた村井吉兵衛氏が『迎賓館』として設えられたもの。
そのため、天井も高く、1つ1つの装飾も細やか。また、有形文化財にもなっており、建物のみでなく、置かれているインテリアも非常に高価なものも多くあります。
長楽館ル シェーヌ フレンチ専用のお部屋
フレンチは予約必須
今回、アフタヌーンティではなく記念日に合うような特別感のあるフレンチのランチコースを一休レストランにて予約して伺いました。価格は1ドリンクホールケーキ付きで10890円/人です。
一休レストランで長楽館 ル シェーヌメニューを見るにはこちら
ドリンクなしのランチのみですと9,680円から。周りの方の雰囲気を見られても何かの記念日など少し特別感のある利用をされている方が多いように見えました。
ウェイティングスペース(夜は宿泊者専用バー)インテリア
タクシーで玄関前まで入ると係の方が迎えて下さり、予約を告げると、一旦ウェイティングスペースに案内されました。このウェイティングスペース 夜のみ宿泊者専用のバーとして営業されているようです。
長楽館ル シェーヌ インテリア
そして、案内を受けて、案内されたお部屋はフレンチの専用スペースです。
まだ、一口も食べていないのに『来た甲斐があった』と満足してしまうラグジュアリー感ですね。
建築様式は、外観がルネサンス・入り口付近のお部屋がロココ・このフレンチレストランのお部屋はネオクラッシックとのことでした。この日は4組で広いお部屋にゆったり座席配置されていました。
長楽館ル シェーヌ記念日ランチ
記念日コースにはワンドリンクがついています。専用メニューでなく一般のドリンクメニューから選ぶ模様。
別件で日本酒を飲みすぎていたためワイン情報がなく申し訳ありませんが、夫はビールを、私はアランミリアの黒ぶどうジュースを選択しました。ビールは1ドリンク無料だったため価格不明・黒ぶどうジュースは1,100円でした。
なお、追加でお願いしたお肉料理に合わせたソムリエお勧めノンアルコールカクテル(1,540円)は赤ワインを煮詰めてアルコールを飛ばして作られているもので、黒ぶどうジュースも入っていますが、黒ぶどうジュースにある甘味がほぼなくお肉の味が引き立つものでした。
これは本当にお肉のタイミングでいただきたいノンアルコールカクテルだと実感できるものです。
(が、当然見た目は黒ぶどうジュースと同じですので、ノンアルコール派の方の黒ぶどうジュースからの流れはお勧めではありませんでした…。)
そして、お料理は。
アミューズ:キッシュロレーヌ
1品目は『キッシュロレーヌ』。淡路産の玉ねぎをじっくり一晩炒めて、とご説明された通り、玉ねぎの甘味が際立つものでした。
スープ:完熟南瓜のポタージュ
続いては、完熟南瓜のポタージュ。柔らかな味の南瓜に胡椒が効いています。
パン:フランスパン 有塩バター
パンはフランスパンで、有塩バターでいただくスタイルでした。
前菜1品目:鮎のコンフィ
低温で長時間じっくり調理した滋賀県産 鮎のコンフィ。斜めにかけられた抹茶塩は清流を表しているそう。
この鮎のコンフィの下にあるのはきゅうりベースのソースですが、別添えにビネガーソースがついていて、こちらが絶品。鮎特有の苦味やクセに被さるように酸味とほのかな甘味を加えてくれて美味しい仕上がりに。
前菜2品目:鱧と賀茂茄子
前菜の2品目はこちらも滋賀県産の鱧と賀茂茄子。茄子の味がじんわりとして優しい味わいのものの上に合わせるのは、パン粉とハーブのカリカリ感。異なる食感が楽しめるものです。
お魚料理:甘鯛「ぐじ」のクルスティヤン
ぐじとは、京都での甘鯛の別名で、京都では高級魚に分類されています。
そして、クルスティヤンとは、『カリカリ』や『パリパリ』のお料理を表す言葉。パリパリの言葉の通り、甘鯛は全面鱗を立たせて食感を出されています。敷かれているのは万願寺唐辛子です。
肉料理:京都丹波牛のロティ
お肉料理が運ばれる前に、まずお持ちになったのは、このスモークたっぷりな器。
横から見ると藁が敷き詰められていて、器を開けてないのにスモーキーな香が漂います。
「現在、お肉に香付をしています」というご説明と共にこの器は開けられることなく持ちさられ、次に現れた時には、綺麗に盛り付けられて藁焼き特有の香漂うロティ。ロティとはオーブンで高熱で焼きあげる調理法をさします。お肉は京都丹波牛です。
三角形に近い形に見えるソースは『生胡椒のソースポワブラード』とのこと。ポワブラード自体が胡椒を強く効かせたソースの意味。かなり強めの藁焼きの風味に負けないソースです。つけすぎると辛いので注意が必要です。赤い円形部分のソースは赤ワインベースのものです。
デザート・小菓子:ホールケーキと小菓子
記念日用のプランではデザートはホールケーキに。一旦ホールのまま持って来て下さって写真撮影。その後は切り分けられて、小菓子とともに盛り付けられて出てきます。周囲のテーブルも皆さんホールケーキのプランでしたので、普通のデザートがどのようなものかはわかりませんでした。予約時に伝えておくと、ホールケーキの前にメッセージプレートを置くことができます。
(私的なお祝い事のためプレートは隠して撮影しています)。