ブルーボトルコーヒーでもここだけ!のコーヒーコースというものがガイドブックであると知り、訪問してみました。予約者限定のフロアで楽しむ極上のコーヒーコースをご紹介します。
ブルーボトルコーヒーとは?
ブルーボトルコーヒーカンパニーとは、コーヒーの豆や産地などにこだわり、コーヒー本来の味わいを高めたサードウェーブコーヒーの代表となる企業。そのブルーボトルコーヒーカンパニーが2015年に日本に上陸して展開されているブルーボトルコーヒーは、その名前の通り青いボトルの看板が目印です。

ブルーボトルコーヒー 南禅寺前 The Lounge Kyotoとは?
南禅寺前には、築100年の町屋をリノベートしたブルーボトルコーヒー『京都カフェ』と物販お店が2棟あります。上の写真の手前が物販店舗で奥がカフェ店舗、カフェ店舗の2Fはオフィスですのでカフェはこじんまりした感じ。桜や紅葉の季節には朝からずらっと行列のできる人気店です。(この日は1日雨のため外の行列はありませんでした。)
カフェではこだわりのコーヒーを1杯づつハンドドリップで抽出して提供されています。
場所は、蹴上駅から徒歩6分、インクラインの前を通って、琵琶湖疏水記念館の前を南禅寺方向に曲がって料亭街の入り口近くにあります。
※南禅寺の詳細は『ウェスティンホテルの紅葉時期の旅行記』をご参照ください。
※南禅寺前の料亭の様子などは『ウェスティンホテルの過ごし方⑤』をご参照ください。
The Lounge Kyotoだけのコーヒーコースの予約は?
物販店舗側の2F『The Lounge Kyoto』はコーヒーコースを予約した人の専用フロアで一般のご利用者は上がることができません。また10歳未満のお子さまは入ることができませんので騒がしさとは無縁です。
その上質空間で、特に手をかけた飲み方のコーヒーを3杯とそれに合わせたスイーツ2種をいただけるのが、コーヒーコース。価格は3,850円です。
予約はブルーボトルコーヒーの公式HPから行えます。
The Lounge Kyotoとは?
靴を脱いで物販店舗の2Fに上がると、築100年以上である雰囲気を楽しむため残された土壁以外は綺麗な和洋折衷の雰囲気で畳敷きとなっています。
この日のコーヒーコースの利用者は4名。4名で広いカウンターをゆとりを持って利用します。後ろに利用されていませんが、テーブル席となります。
ガラス張りの窓から見える木は紅葉。紅葉の季節も最高ですが、景色としてのおすすめは5月ごろの新緑の季節だそうです。壁に緑が広がる様子も素敵ですね。
上から覗き込むと物販店舗の入り口が見えます。
正面に眺めるカフェの2階は元旅館の建物らしく、2Fのブルーボトルマークのところにある障子が旅館だった頃の面影を見せています。
コーヒーコース 体験
コーヒーコースは季節ごとにメニューが代わり、3月下旬の訪問タイミングでは、春のメニューが始まっていました。
1杯目は炭酸ドリンク『FIZZ』
1杯目はFIZZという炭酸の冷たいドリンクを。3種からの選択制となります。
1つは焙煎して2杯目のOJIドリップをした濃厚コーヒーを炭酸で割ったもの。こちらはさらに深煎りの『コロンビア』または浅煎りの『エチオピア』からの選択制となります。
もう1種はカスカラフィズというコーヒーチェリーからコーヒー豆の皮の部分を利用した全くコーヒー味ではなく柑橘系ドリンクのようなもの。
皮の部分のイメージの参考のために神戸のUCCコーヒー博物館を訪れた際に撮ったコーヒーチェリーの写真もアップします。
このコーヒー豆の産地となるエチオピアではコーヒーの豆を取り出した皮の部分でカスカラティーとして楽しまれているようです。焙煎した豆を使っていないので、コーヒーらしい味と香は出ないのでしょう。果物としてコーヒーを楽しむという意味合いのあるメニューです。
この後、コーヒーメニューが続くため、1杯目はカスカラフィズを選択してみました。
出てきたドリンクは淡い色合い、季節のシトラスとして甘夏が入っているためその味が爽やか。コーヒー感はありませんが、ただの柑橘ドリンクかと言われると、炭酸が抜けた後の後味に何か独自の風味を感じるような気のせいのようなという不思議なドリンクです。
2杯目はOJIドリップと抹茶寒天クリームぜんざい
コースですのでいったんじっくり1杯目を堪能したタイミングで2杯目の選択を聞かれます。
2杯目はOJIドリップ。この店舗の1Fに置かれているOJI(メーカーさん)のドリップ器具で点滴のようなスピードで、8時間から10時間かけてじっくり抽出したアイスコーヒーとなります。
ゆっくり抽出することで、アルコールドリンクのような深い風味が出ます。
2種類の選択制で、深煎りの『コロンビア』はウィスキーやブランデーのような雰囲気、浅煎りの『エチオピア』は、フルーティなワインを思わせる風味が出るとのことでした。
ブルーボトルコーヒーは浅煎りのイメージがあったのですが、お話を聞くと、中深煎かその少し手前の浅煎りが中心となっていて、その焙煎温度や湿度色々な条件を加味して最高の焙煎となるように調整されているようです。
焙煎も奥が深すぎですね。
焙煎については、神戸王子公園のRencaさん珈琲焙煎体験記もよろしければご参照ください。
私は深煎りのコロンビアを選択しました。提供されたのは、まさにブランデーのような器に丸い氷と合わせたコーヒー。
非常に濃く抽出されているため、丸い氷が溶けていく様子に合わせて変化する風味の違いも楽しみの一つだとか。
私は日頃ブラックでコーヒーはいただかないのですが、このコーヒーは苦味というよりコクとしっかりとした風味。美味しくいただくことができます、
抹茶寒天クリームぜんざいは、なめらかな抹茶寒天と美瑛さんのミルクを使ったまろやかな甘味のアイスクリーム、都松庵さんのあんこを使ったもの。はじめは一つ一つの種類をいただいた後、組み合わせを楽しみます。
ネルドリップと桜サンドクッキー
ネルドリップとはペーパーフィルターではなく布のフィルターを使ってドリップしたコーヒーのこと。ネルはフランネルのネル(ネルシャツのネル)です。そのドリップの特徴は目の粗さによって、油分が一緒に落ちまろやかな味わいを楽しめること。
ネルドリップもOJIと同じ種別の選択性で、深煎りの『コロンビア』をネルドリップするとアーモンド感を感じる味わい。浅煎りのエチオピアはチョコレート感のようなものが出るとのこと。
このネルドリップ、使われているお店が少ないのには理由があって非常にお手入れに手間暇かかるものだと教えていただきました。その理由は『常に乾かない状態を保つ』必要があるからだということ。乾くと目にコーヒーが詰まってしまうから。煮沸消毒をして、濡らしておいて、その水を変えてと非常に手間をかけて維持する、エコでかつ手間は惜しまないというものです。
ここでも私は深煎り『コロンビア』で味比べ。ドリップ方法の違いを感じるには、同じ種別を選んだ方が面白いかなと思います。
そして、このメニューはコーヒーコース。さらにもう一手間加わります。
ネルドリップしたコーヒーを『すず』の容器に入れ替えて、さらに『すず』のカップに移し替えていただきます。
濃い場合の差し湯も『すず』の容器に入っています。この器は富山県の能作さんのもの。すずには抗菌効果があって更にコーヒーのまろやかみを出す効果があるのでは?というブルーボトルコーヒーオリジナルの発想で味わいます。
コーヒーの合間にはまったりとして桜の塩加減がたまらない桜バターサンドをいただく至福のひとときです。(塩加減がたまらないというのはコーヒーにカリウムが含まれているからというのはUCCコーヒー博物館で学習済)。
3,850円のコーヒーコースはカフェというよりコーヒー文化体験の一つとして価値を感じるお時間でした。