夏目漱石氏・正岡子規氏も訪れた歴史ある旅館
愛媛県の道後温泉『ふなや』の創業は1627年。創業からまもなく400年という歴史ある旅館で昼食をいただきつつお風呂に入れるプランがあります。
ふなやさんの歴史は、数々の偉人の訪問から読み取ることができます。
夏目漱石氏はふなやさんを訪れた喜びを以下の句に。
『はじめてのふなや泊りをしぐれけり』
夏目漱石氏の下宿に静養として居候をしていた正岡子規氏も訪れたことを以下のように詠んでいます。
『亭ところ々渓に橋ある紅葉哉』。
ふなやは道後温泉駅至近 道後温泉本館なども近くに
ふなやは道後温泉駅から徒歩3分。旅館にはバレーパーキング方式の駐車場もあり、昼食をいただくと無料で車を預けられます。
周辺には、伊佐爾波神社や現在保全工事中の道後温泉本館などもあり、観光にも適した立地です。
予約は日帰り旅館扱い ミニ会席『葵御膳』を予約
ふなやの昼食プランは温泉付で日帰り扱い。じゃらんの日帰り・デイユースで予約できました。
お部屋を使わないプランだけあってとてもお得な価格帯で、フレンチプレートが2790円から。私の予約したプランは一番人気らしき和食ミニ会席『葵御膳』3,850円を予約しました。
レストラン『葵苔(あおいごけ)』の葵御膳
ミニ会席と名乗られている葵御膳ですが、軽いものかと思っていたらかなりの本格派。これ、上のコースと間違っていないよね??と思わず、申し込み内容を見直してしまったほどのものでした。
伝統旅館ですが、レストランは改装されて綺麗です。
ドリンク
ドリンクはプランについていなかったため、目についたPOPで紹介されていたバラの香のノンアルコールスパークロゼ(632円)を。ほのかにダマスクローズの香を感じますが、お食事を邪魔するほどではなかったです。
夫もまだ運転が続くのでノンアルでした。なお、ドリンクメニュー、日本酒も充実していますが、愛媛らしさに驚いたのはオレンジジュースのラインナップ。甘味・酸味の評価星付でなんと5種類から選択できるとのこと。
なお、お食事についてくる一口乾杯酒は『檸檬酒』ですが、ドライバーさんやアルコールが飲めない方ようには『黒酢』に変更も可能です。
先付 月見豆腐と前菜8品
先付の月見豆腐の月と見立てて、お月見団子風の器で出される前菜7種類。本格和食の始まりです。
前菜は8品。青菜のお浸し・あまぎ小袖寿司・合鴨の鍬焼き・蛸のやわらか煮・寄せむかご・焼目栗・銀杏南京・菊蕪です。
むかごとは、零余子とも書き、植物のわき芽が養分を多く蓄えて、肥大化した部分のことです。
繊細なお味で、さすが老舗旅館と感動を覚えます。これをいただいただけで4000円で味わえるレベルのものではないのでは??と、そのお得感に驚かされました。
お造り
お造りはカンパチと藻いか。とても新鮮で味わいが濃い。お造りのお店ごとの品質の差って一体どこからくるのだろうと思いますが、こちらのお造りは良い!と伝わってきます。
ブログに書いておすすめは決してできない味だなと思った某旅行先駅前の海鮮丼との差異について話題にしながらいただいてしまいました。
目利きがすごいのか、良い取引先があるのか、保存方法?・切り方?などお造りは素材そのものに近いと思うのにお店により差が大きくありますね。
焚合 伊左木(イサキ)煮付
こちらの煮付けは、まったり美味しい利休あんでいただきます。
利休あんというのは、ごまあんのこと。
千利休がごまを愛されていたため、ごまあんのことを利休あんといいます。
台の物 かます味覚焼
たっぷりのきのこに彩られたかますを人参ソースでいただく豪華な一品です。
揚物 穴子の東寺揚げ
メインは穴子の東寺揚げ。
東寺揚げの『東寺』とは湯葉のこと。京都の東寺やその周辺で湯葉が作られることが多かったため、東寺といいます。山椒の効いた藻塩は地元産だそうです。
炊き込み御飯と留碗 清仕立て
炊き込み御飯は真菰筍(マコモダケ)。真菰筍は筍ではなく稲科の多年草の根本、肥大化した茎の部分です。留碗はお清し仕立てとなっています。
水菓子 フルーツゼリー
フルーツゼリーは、りんごのゼリーでした。
昼食後は道後の温泉!
昼食をいただいて精算を済ませた際に温泉の案内があります。昼食代金3850円は驚きの温泉付の価格。通常ふなやさんの日帰り温泉は1,100円ですので、昼食代金実質2,000円台のコストパフォーマンス、最高ですね。
温泉は、露天2つ・内湯2つあり、一人ひと湯船が使えるぐらいの人数で快適でした。さらにドライサウナもあります。
道後温泉hPh9.1のアルカリ性単純温泉。皮膚病などに向けた効能も謳われています。
アメニティは、タオルが入り口前に並べられている以外は備え付けで、シャンプー・トリートメント・ボディソープのほか、洗面台には基礎化粧品も完備です。
ロッカーが鍵付なのもありがたいところ、そして洗い場内に飲料水も。完全旅館仕様の温泉が使えます。
温泉は男女でフロアが分かれているため、待ち合わせは、連絡通路のある2Fの御影の湯前、休憩所が便利です。
連絡通路からは、10月下旬まで、より高級なお食事を川のせせらぎを見ながらお食事できる川席も見えていました。風雅な雰囲気ですね。