大阪の万博記念公園は、その名の通り1970年の大阪万博の跡地にある公園です。様々なイベントや遠足の目的地として長く使われていてどの年代の方にも馴染みがありますが、その姿から大阪万博当時の姿を思い浮かべる人は60歳以上ぐらいの方々かもしれません。
2025年に再び大阪で万博が開催されるにあたっってか、その往時の姿を思い出させるものが、万博記念公園にはいくつもみられます。
EXPO’70 パビリオン・エキスポショップ・万博食堂それぞれの位置
総合展示館となる『EXPO’70 パビリオン』・岡本太郎氏の作品をモチーフとしたグッズも多数ある『エキスポショップ』、そして当時万博を訪れた方々を喜ばせたメニューを再現した『万博食堂』その3箇所をご紹介します。
それぞれ万博記念公園内に点在となりますので、まずはその位置関係を地図で示します。自然文化園の入場料(大人260円・小中学生80円)が必要なのはEXPO’70 パビリオンのみで、後の2つは無料エリアにあります。
EXPO’70 パビリオン常設展
万博公園の自然文化園(入場料必要)の東側エリアの果てにあるEXPO’70 パビリオンは有料施設です。2022年11月は2階では常設展(210円)と1階企画展(セット料金+200円)が行われていました。
まずは2階常設展の中から巡るように案内されます。
シンボルゾーンに対立させた『ベラボーなもの』(岡本太郎氏談)
私の中では、太陽の塔は空に向かって見上げるイメージしかありませんでしたが、当時はパビリオンの屋根が大きく広がっていて、その中を突き抜けて太陽の塔があったことがわかる模型。こちらが常設展の始まりの場所に置かれています。
この模型の形状をみてわかるのですが、万博博のシンボルゾーンは長方形。横幅が150mそして縦の長さはなんと1Km。とても大きな会場ですね。
このシンボルゾーンの水平屋根に『ベラボーなものを対立させる』として岡本太郎氏が、構想を練られたのが太陽の塔となります。
そのシンボルゾーンの模型を経由して、常設展順路に入っていくと、真っ赤なゾーンが長く続きます。
ペーパーレスとは無縁時代の膨大な構想資料
DX時代が将来来るなんて、その頃には夢の世界だった1970年。その当時万博の構想をする資料は全て紙。計画資料がこのように積み上げられていました。何かあった時に慌てて紙資料をめくる、そんな姿が思い浮かびます。
当時新しかったに違いない!音楽と光の演出
万博のパビリオンの中で、会期後も残される想定で作られたこの鉄鋼館にはスペースシアターという音楽と光の演出がされる空間がありました。音楽はクラッシックではなく現在音楽らしき題名があり、現在もその演出を見ることができるようになっています。
ユニフォームたち
万博を彩るのは、そのハードのみではなく華やかなユニフォームを着た方々。
当時の華やかな衣装が展示されています。スカート丈がその時代の流行なのか全てミニですね。次の大阪万博の時代だと大きく変わりそうな気もします。
階段上から、ペプシ館・東芝IH館・せんい館の衣装。
奥が日立館、手前が住友童話館のもの。
パビリオン入場者ランキング
パビリオン入場者数ランキングの1位は、ソ連館。宇宙船の展示などを見に人が溢れかえったのですね。双璧の人気となったアメリカ館には月の石が展示されていて、宇宙への夢の始まりの場となったのでしょうね。
岡本太郎氏の作品たち
2022年10月まで大阪中之島美術館で大規模な岡本太郎展を実施していましたが、こちらでも常設展で万博にちなんだ作品を見ることができます。
手は世界を感知する重要な武器と仰った氏の作品『手の椅子』
EXPO’70 パビリオン企画展『大阪万博と万博記念公園の歩み』
この企画展は万博開催当時から現在、未来の万博記念公園の姿を資料で示した展示となっています。
日本館のユニフォーム
万博開催時のの日本館のユニフォームとその展示物を見ることができます。
太陽の塔の中の生物(岡本太郎氏作品)
太陽の塔は外観の突飛さに負けず中も独自の世界のようですが、その中にいる生き物のオブジェを見ることができます。
独特ですね…..。
座ることを拒否する椅子(岡本太郎氏作品)
大阪中之島美術館の岡本太郎展でも存在感を示していた座ることを拒否する椅子。こちらでは一脚だけありました。
太陽の塔の上の部分に乗った写真が撮れる撮影用階段
なぜこんなところに行き止まりの階段がと思って見てみると、撮影スポットになっていました。太陽の塔の腕といって良いのかの場所の段に立つと、上に立っているかのような写真が撮れるようです。
こういった物理的特撮感こそ70年代を感じられる体験なのかもしれませんね。70年、写真に背景を編集できる世の中になるとは思っていなかった人も多いのでは?と思います。
すみません、スマホで人型を手書きすると変な忍者みたいですが、撮影時に立つ場所はここが良いらしいです。
エキスポグッズショップ
さて、EXPOのパビリオン内企画展会場でも少しグッズが置いてありましたが、自然文化園の外に独立したエキスポグッズショップがあります。
こちらは岡本太郎氏作品をモチーフとしたフィギアやエコバッグ、文具などが販売されています。
荷物にならないように、インパクト大の岡本太郎氏の『雷神』マルチクリーナー(380円)を購入しましたのでご紹介します。
岡本太郎氏グッズは若い方に大人気のようで70年には本人どころかその両親さえ生まれていないのでは?という年齢層のお客さまも沢山入っていました。
万博食堂でパルナスのピロシキなど再現メニューを
自然文化園外、ショッピングモールのららぽーとEXPOシティ内にある『万博食堂』。そちらでは、万博展示品である月の石イメージのハンバーグなどの他、当時の再現メニューが2種類あります。
1つは当時話題になったという豪華メニュー。万博プレート(2013円)です。ローストビーフバーガーをメインにカニクリームコロッケ、ボルシチなどお腹はち切れ系メニューのようですね!
そしてもう一つが、ボルシチ&ピロシキ。関西人で30歳以上の年齢の人なら2002年まで存在したパルナスのことをご存じだと思いますが。
モスクワの味というテレビCMも行っていたケーキショップ(というより洋菓子店という方がしっくりきそう)パルナスのピロシキが再現されているとのこと。
人生でパルナスのピロシキを食べた記憶がないため気になってそちらをオーダーしました。
いただいてみると、スープストック東京のボルシチなどとはあきらかに違う結構トマトスープしゃばしゃばな感じのボルシチ。ピロシキも現在ならきっと何かもっと味付けしてしまうのでは?と思うシンプルな感じ。
なるほど、1970年のご馳走はこんな感じだったのかも!と思うお味で非常に楽しめました。どこかシンプルな懐かしい感じが美味しいのですよね。