茶寮FUKUCHAは京都駅ビル内2F
茶寮FUKUCHA京都駅店は名前の通り、京都駅ビルに入る『CUBE』というモールの2F。京都タワーのある七条側(北)の東寄りです。
カウンターオーダー制の店舗
テーブルに着席後接客を受ける四条店と異なり、座席を自分で取ってカウンターでオーダーと会計を行なう方式です。
訪問したのは祇園祭後祭の宵山の日ということもあってほぼ満席。店舗はわりとオープンなスペースです。(人混みがあるため写真は撮っていませんが)。
トラディショナルティーペアリングでSNS用撮影
FUKUCHAの店舗は、伝統ある福寿園さんの他の店舗と比較して若い方を中心にお茶を楽しむカジュアルな文化を提唱するもの。
そのため、SNS等での広がりを意識したラインナップとなります。
その代表ともいえるものがティーペアリング。ハーバルティペアリング(過去記事:FUKUCHA四条店)と本記事ご紹介のトラディショナルティペアリング(1,650円)の2種に加え、季節限定のラインナップもあるため、何度訪れても『美しいお茶の色合い』と鮮やかなガラスのお皿に乗せられたスイーツの雰囲気を撮影できます。
ハーバルティはハーブをブレンドした日本茶とスイーツの組み合わせでしたが、トラディショナルティは日本茶と和紅茶に合うスイーツという選定です。トレイもシックな色合いになりますね。
対比で2022年3月四条店訪問時のハーバルティーペアリングの写真も参考に掲載します。季節とお店の違いがありますが、ご了承ください。
トラディショナルティペアリングでマリアージュを
トラディショナルティペアリングの飲み順は特に何もいわれなかったため、味の濃そうな抹茶を最後にしようと右側のイチジクとほうじ茶から順にいただきます。
①FIG :ほうじ茶✖️クルミとイチジクのタルト
『水出し』のほうじ茶
ほうじ茶は、茶葉を焙じて(炒って)作るお茶で香ばしい香りと、カフェイン含有量の少なさが特徴です。
カフェイン含有量が少なく、また渋みの元となる『カテキン』が少ない優しいお茶ですが、『水出し』するとさらにカテキンの渋みが出にくくなります。カフェインの含有量もさらに抑えられることで飲みやすく夏の水分補給にぴったりの効果が出てきます。
そのカテキンに変わって特徴として出てくるのが、旨味成分『テアニン』。リラックス効果もあるとされています。
クルミとイチジク(=FIG)のタルト
このペアリングの題材となっている『FIG』とはイチジクのこと。
イチジクは一年に2回も旬がある果実で、夏向けと秋向けの旬のものがあるとか。夏の旬は6月から8月で秋用のものよりも大きいものとなります。
『まったり』やいい意味での『ねっとり』感のある舌触りのセミドライイチジクが乗っている濃厚タルト。あっさりとした水出しのほうじ茶との相性が抜群です。
②BLUEBERRY :和紅茶✖️ミルティーユショコラ
和紅茶(=国産紅茶)
そもそも、緑茶と紅茶の違いは茶葉の発酵具合の違い。不発酵が緑茶、半発酵に烏龍茶を挟み、完全発酵すると紅茶になるという具合で、茶葉に違いはありません(向き不向きは別です)。その茶葉はもちろん日本でも生産されていますが、その国産茶葉で日本で作られた紅茶が『和紅茶』。
和紅茶は優しい味が特徴とされていますが、こちらでいただける和紅茶ももちろん優しい味。繊細で甘い香りをもつすっきりとした飲み心地のものです。
ミルティーユショコラ
私は、ミルティーユという言葉が全くの初見でしたので、はじめはこれのどこがミルフィーユ何だろう??などと思ってみていました。
が、ミルティーユとミルフィーユは文字列だけ見ると一文字違いですが、全く関係のないもの。
ミルティーユとは野生種のブルーベリーを指します。(調べてやっと納得….)。
このスイーツでは、ミルクチョコレートのブルーベリーガナッシュにも和紅茶の香り付けがされているとのことで、和紅茶そのものとスイーツの両方から香りを楽しめるようになっています。
味わうと口の中で解けるブルーベリーが紅茶に溶ける感じを味わえます。
③YUZU:煎茶✖️柚子クリーム最中
福寿園さんの『煎茶』
煎茶を一口いただいて、まず目を見張った後、本格的に入れた『煎茶』の美味しさに、魅了される味わいの煎茶です。
お茶は良い茶葉を使っただけで美味しくなる訳ではなく、温度管理、タイミングを図って『美味しく淹れる』ことも、その味わいの重要な要素。
また、お茶を注ぐ時には最後の一滴がゴールデンドロップといわれる一番美味しいところで。など福寿園本店のお茶講座(詳細は過去記事参照) で学んだこともありますが、その美味しさが京都駅のFUKUCHAで出されるお茶にも十分に引き出されていました。
スイーツとのマリアージュの前に、この煎茶はまずは一度そのまま口に含んで煎茶だけの甘味を味わうことをお勧めします。この一口だけでもFUKUCHAに入って良かったと感じさせます!
柚子クリーム最中
クリーム最中で使われる柚子はコンポートで。
コンポートとはジャムではなりませんので、形が崩れるまで煮詰めず、形を残したままシロップで煮詰めるもの。古くは保存食の意味合いがあったものでした。
酸味を含む柚子のコンポートと最中に乗せられたクリームが、絶品!の煎茶の旨味を引き立てています。
④ORANGE:抹茶✖️ショコラオランジュ
抹茶
抹茶は、なぜあんな濃い色をしているかというと茶葉をそのまま挽いているから。その分カテキンなどの栄養素をたくさん摂ることができる効果もあります。
こちらで、透明グラスに入れられた抹茶は、他のお茶との色の濃さの違いで非常に存在感のあるお茶となっています。
ショコラオランジュ
チョコレートとオレンジの組み合わせは、お酒にも合うというお話も多い組み合わせですね。
オレンジと組み合わせる商品はビター系チョコレートやミルク系チョコレートが多いと思いますが、ここで合わせているのは、ホワイトチョコレートで、カカオ感ではなくオレンジの香りが引き立つもの。
オレンジとチョコの組み合わせではなくて、『オレンジと抹茶』の組み合わせが抹茶の旨味を引き立たせるという構成でした。
口の中で溶けていくホワイトショコラと濃い抹茶の複雑な絡み合いが楽しめました。