伏見酒蔵巡りモデルルート 京都駅発着5時間コース(昼食時間・十石舟込) 歩行距離は7000歩 甘党女性の酒蔵巡り『たがが外れる』の語源を知る

月桂冠や黄桜といったメジャーな酒造メーカーのある京都の酒蔵は伏見。

伏見の酒蔵巡りの歩行距離を効率よく行くには、京阪電鉄の中書島発・伏見桃山駅着のルートが最適だと思います。

ただ、旅行者として行くには、京都駅発着の場合どう行くのが良いかと考えることも多いと思いますので、京都駅発着とした場合、効率の良い近鉄京都線伏見御陵前駅利用ルートでモデルルートとして巡ってみました。

巡った時間は8時30分京都駅発13時30分京都駅着ですが、これより早い時間だと各立ち寄り地のオープン時間にご注意ください。

京都駅発着 伏見酒蔵巡りモデルルート

  • 京都駅→近鉄電車 京都線 伏見御陵前駅(黒田節発祥の地)
  • (営業時間前)大手筋商店街/納屋町商店街/伏見納屋町小路
  • ★ポイント①月桂冠大倉記念館
  • ★ポイント②十石舟(乗船・三栖閘門資料館含む)
  • ★ポイント③伏見夢百衆
  • ★ポイント④寺田屋
  • ★ポイント⑤黄桜カッパカントリー
  • 納屋町商店街/大手筋商店街
  • 桃山御陵前駅→近鉄電車 京都線 京都駅

※本スケジュールは早朝ルートで月桂冠大倉記念館のOPEN時間が9時30分以降、十石舟の出航時間10時以降という営業時間に合わせたルートです。日中の場合は、②と③は入れ替わりも可能。

月桂冠大倉記念館訪問前のぶらり歩き

朝8時30分に京都駅を出発すると、9時前に伏見御陵前駅に到着し、月桂冠大倉記念館までは、ゆっくり歩いても20分ですので、時間的に少し余裕があります。

その時にちょっとした立ち寄りスポットとなる場所をご紹介します。

黒田節発祥の地

伏見御陵前の改札を出て月桂冠大倉記念館方面と反対に向けて2分ほど歩くと御香宮神社の前に『黒田節発祥の地』という看板があります。

酒は飲め飲め飲むならば、日の本一のこの槍を、飲みとる程に飲むならば、これぞ誠の黒田武士

黒田節

酒席での出来事を歌ったこの福岡の民謡の舞台は京都伏見にあった戦国大名福島正則の屋敷。

大きな盃(に見立てた鉢)に入れられたお酒を飲み干したら、ご褒美を取らせると言った福島正則が、酒を飲み干されて豊臣秀吉から賜った槍を黒田家の家臣の方に(酔った勢いで)与えたという逸話がもとになっているそうです。

ほんの数分遠回りして、酒蔵巡り気分を盛り上げてから出発しましょう。

営業時間前の伏見納屋町小路『伏見稲荷風通路』を撮影

近鉄御陵前駅から京阪伏見桃山駅に向かって歩き、そのまま大手筋商店街に入ります。

そして、左に曲がる納屋町商店街に入って、しばらく歩くと。こんな伏見稲荷を模した通路のある小路を発見。この小路は伏見納屋町小路と言って通路の左側にお店が並んでいますが、営業時間前だと人通りも少なく伏見稲荷らしい雰囲気となっていました。

伏見納屋町小路

ポイント①月桂冠大倉記念館

伏見御陵前駅側から月桂冠大倉記念館に向かう時には、昔ながらの酒蔵らしい佇まいの建物を見ながら進んでいきます。月桂冠大倉記念館付近にも素敵な雰囲気のレストランがありますので、時間帯によってはこちらで昼食も良さそうですね。

伏見 月桂冠大倉記念館への道途中

月桂冠大倉記念館付近のお食事処

月桂冠大倉記念館も趣のある建物です。

月桂冠大倉記念館

酒蔵の生活様式

入るとすぐに酒蔵の生活文化の展示があり、その奥に受付がありますので、入場料600円をお支払いします。そうするとドライバー等お酒が飲めない状況かどうか確認され、お酒が飲めると回答すると「コイン3枚」と記念品のぐい呑み(おちょこ)をいただけます。コイン3枚は見学後試飲のコーナーで試飲用カップ3杯のお酒に引き換えができます。

受付で受領するもの

映像で学ぶ人の感性を大切にした酒造り

まずは映像で、現代の酒の作り方などを学びますが、この映像から伝わるのは技術が発達して、酒造りの工程を先進的な技術で発展させたとしても、麹の働きの状況を見るところや、品質確認のための利き酒などの工程は『人の力』によるものであるところ。

やはり、完全なるオートメーションでないというところが、『酒は文化』という表現にあった製造工程なのだとわかります。

『防腐剤なし』の品質が発展させた月桂冠

月桂冠さんの歴史は110年。とんでもなく長い伝統をもつ酒造メーカーさんですが、初期の頃の発展した理由について、展示を見ていると館内の方が教えてくださいました。

昔の月桂冠さんのボトルがあるこの棚。よく見ると類似品が混じっています。そういった類似品にはなく、月桂冠さんのお酒のラベルには必ずついている表示。

よくみてください 月桂冠さんのお酒

それが、『防腐剤なし』を示している表示です。当時防腐剤が添加されているお酒がかなり多く出回っている時に、月桂冠さんのお酒は全て『防腐剤なし』。安全品質が世の中に広く受け入れられて発展されました。

天皇陛下の代替わり時の大嘗祭に献上するお酒も全国で2蔵しか選ばれないとのことですが、月桂冠さんは何代も選ばれています。

大嘗祭に選ばれたお酒

「月桂冠さんは大衆的なお酒ばかり作っていると思われているけれども、高品質が売りなんです。」

と、ご説明されていました。確かにテレビのCMの影響等で広く社名が広まっていることで、大衆的なイメージは出てくるのかもしれませんが、大衆も高い品質を常に求めています。そんな世の中のニーズにピッタリあって月桂冠さんは発展をとげられたのだと理解できました。

甑の縄の巻き方で杜氏さんがどこから来たかわかる!

月桂冠さんで教えていただいたことで面白かったのは昔ながらの酒造りに欠かせない甑。

甑とは日本酒の原料となる米を蒸す蒸し器のことですが、酒造りの季節が始まる頃、この周囲の縄を巻くのは杜氏さんの役割でした。月桂冠大倉記念館にあった甑は縦に結び目が並ぶ形。これは越前流で、杜氏さんが福井の方からこられたことがこの結び目だけでわかるそうです。

灘では横に並んでいる丹羽流のものが主流ですと教えていただいたので、灘五郷巡りの時の記事を改めて自分で見返してみると確かに結び目は横並びでした。

ご興味のある方は以下の旅行記の御影郷 菊正宗さんの釜場の写真を見ていただければと思います。

灘五郷巡り御影郷・魚崎郷

『たがが外れるの語源は?

月桂冠大倉記念館では、擬似鏡開きを体験することができます。

鏡開きは木槌で日本酒の樽の蓋の部分を割ることで、その蓋の部分の形状が丸く平らで鏡のようであることから鏡開きというようになったといわれています。

鏡開き体験

この鏡開き、ただ樽を運んで木槌を乗せるだけではなく、もちろん準備をして綺麗に開けるようにしています。

樽は通常以下の写真のように蓋の周りには輪っか部分『たが』があり、蓋が外れたりしないように締め付けています。

この『たが』がついている状態ですと、蓋を木槌で叩いたところで割れません。

『たが』が外れるの語源は、『たが』を外して、この「締め付け」がなくなることかに由来しています。

鏡開きの準備では、この『たが』の部分を外し、さらに蓋はいくつかのきがつなぎ合わされて形作られているため、そのつなぎ目の留め具の木材部分の一部を折っておくそうです。そう言った影の準備で、景気の良い鏡開きができるのですね。

たがの部分

伏見のさかみづは灘のものより硬度が弱めで柔らかな味

月桂冠大倉記念館ではお酒の試飲の前にお酒作りに使われる伏見の桃山丘陵をくぐった清冽なさかみづをいただけます。(受付でいただいたぐい呑みでお水を汲んでいただく形となります。)

灘の宮水より伏見のお水の方が硬度は低く、同じ作り方をした場合、伏見の方が柔らかい味となるそうです。

さかみず

試飲のメロンのお酒はまさかの?

お楽しみの試飲は10種類の中から3種類を選んで、受付で渡されたコインを投入するか、係の方にお渡しして試飲カップに注ぎ込んでいただけます。

(試飲カップは毎回変えてもOK。味が混ざらないのがありがたいですね。)

私はタイトル通り甘党なので、甘口のお酒は3種としたいところですが、10番の月桂冠の大吟醸酒はやはり外せないかなと「大吟醸酒」→「メロンのお酒」→「梅ワイン」の順でいただくことにしました。

試飲できるお酒の種類

試飲 大吟醸

研ぎ澄まされた大吟醸酒は、甘党にも飲みやすい高級酒ですね。10番の鳳麟はラベルも高級感漂っていますね。

そしてお手頃だけに小さいボトルがなくてお土産に持って帰りにくいメロンのお酒『果月』。ふんわりほのかに香るメロンの香と風味。

いただいた際のスタッフの方の一言に驚きました。

「その、メロンのお酒、お米だけでできているんです。」

え?これメロン入ってますよねと完全に思わせる味と香ですが、これはメロンのように感じさせるよう研究された酵母の力によるものだとか。

本当に面白い方向に技術を積み重ねられているのだなあと、感動しました。

最後に飲んだ梅ワインは、流石に本当の梅でしたが、試飲カップでもしっかりした甘味で美味しくいただきました。

メロンのお酒と梅ワイン

お土産には蔵でしか販売されていない吟醸生原酒を

お土産におすすめなのは、月桂冠大倉記念館でしか買えない、しぼりたて生原酒で価格は1500円。

生酒は、日本酒作りの絞った後の火入れと貯蔵した後の火入れの2回ともの火入れをしていないお酒のこと。

原酒とは、通常瓶詰め前にアルコール度数を落とすために行う加水を行わないお酒。

つまり吟醸生原酒とは、お酒を絞った後、火入れも加水もせずに瓶詰めした大吟醸(大吟醸は精米具合が50%以下のもの)となります。ちなみに絞っていないと『酒』とは名のれず『どぶろく』になるのだとか。

(ということを月桂冠大倉記念館の方に教えていただいて、興味深かったのでお土産に買ってみました。)

後、隣にあるのは月桂冠さんの何かのフィギアが入っているというBOXです。価格は400円。私のは嬉しいことに酒樽でした。

月桂冠大倉記念館お土産

ポイント②十石舟(桜の季節の乗船がおすすめ)

月桂冠大倉記念館を出て徒歩2分。十石舟乗り場があるため乗船します。十石舟は、3月19日から12月4日まで月曜日と8月後半を除いて、出ている観光船です。乗船料は1200円、所要時間は50分ですが、実際に舟に乗っている時間は10分間×2回ぐらいで、間の時間は三栖閘門という、高度の異なる川を舟で行き来するための設備の資料館見学となります。

朝10時から20分おきに出ており、15分前までに乗船場所に行くようにという案内があります。

桜の季節はこの木々が華やかに
十石舟と三栖閘門

こちらは別の旅行記に乗船記をまとめていますのでご参照ください。

十石舟乗船記

ポイント③月桂冠旧本店社屋利用の伏見夢百衆

乗船後の休憩は、下船場所から徒歩3分ほど離れた月桂冠株式会社の旧本店社屋(大正時代建造)を利用した伏見夢百衆で。

伏見夢百衆

甘味やコーヒーがいただけるのですが、訪問した3月19日は伏見15蔵のお酒が15種1000円で試飲できるというスペシャルイベントデーでした。

15種のラインナップを書くと長くなるため、甘党におすすめだったNo1のみご紹介すると、キンシ政宗の『BONITA』でした。(あくまでも酒蔵巡りをするには珍しい甘党の主観です。)

キンシ正宗さんBONITA

ポイント④寺田屋跡地と復元 旅籠寺田屋

酒蔵巡りとは直接関係しないかもしれませんが、伏見で有名な見学スポットといえば『寺田屋』。写真の寺田屋は実際には寺田屋跡地の隣にあって、寺田屋を再現したもの。(2022年3月19日現在は休業中でしたが、空いていると400円で入場できるそうです)

幕末の歴史を見学できるスポットで、1862年に、9名の薩摩藩士が命を落とした「寺田屋騒動」の舞台。1866年に坂本龍馬が襲われて怪我をした場所となります。その養生のため、この伏見から薩摩への船旅を妻のお龍と行ったことが日本初の新婚旅行といわれています。この船旅は三十石船で行われており、これを小型化したイメージのものが前項の十石舟です。十石舟から龍馬とお龍の像も見ることができます。

寺田屋

坂本龍馬遺難の跡

ポイント⑤黄桜カッパカントリーで昼食

黄桜記念館

寺田屋方向から黄桜カッパカントリーに入るとそこはバス駐車場ですのでもしかすると裏口かもしれませんが、黄桜記念館となります。

そちらから入ると、酒造りのジオラマなどの見学ポイントがあり、無料で見学ができます。

黄桜カッパカントリー(入り口)

ジオラマ劇場

また、伏水の解説や、昔の酒造り道具も見学できるようになっています。

伏水の解説

酒造り道具

黄桜カッパカントリーレストラン

黄桜カッパカントリー自体は地ビールと日本酒のテーマパークであるため、出来立て地ビールの様子をお届けしたかったのですが、日本酒15杯試飲の後だったので……、レストランでのお食事のみご紹介。

黄桜カッパカントリー レストラン方向入り口

レストランは雰囲気の良い半個室や、テーブル席が並ぶ広い場所です。

レストランテーブル

酒蔵でのソフトドリンク代表といえば、甘酒!ここは冷・温・ロックと甘酒にも3種の飲み方があり、カクテルでいただくこともできます。しかも安い!

甘酒メニュー

定食も和食メニューが豊富でかなりお安くお食事がいただけるので、このレストランは本当におすすめでした。

レストランメニュー

人気No.1は竜馬御膳とのことでしたが、酒粕汁に惹かれてだし巻き和定食に。

結果、この酒粕汁が甘みが豊かで暖かい上に具材たっぷり。感動のお味でした。

後で写真を見返すと、定食メニューのお吸い物も粕汁に変更できると書いていました。ここは何を頼んでも『粕汁』に変更していただくべき!と強くお勧めします。やっぱり酒蔵巡りはお酒以外にも美味しいものに出会えますね。

カッパカントリー黄桜酒場 だし巻き和定食と甘酒

お土産は抹茶ビールと甘酒飲み比べ

お土産は京都らしい抹茶ビール(300円程度)とビールグラス(400円程度)と甘酒2種(各200円程度)。※正確な金額でなくてすみません。

抹茶ビールはウェスティン都ホテル京都の鉄板焼きやフレンチでも出されている京都らしいもの。私はビール飲めませんが、夫によると抹茶とビールの苦味が相まって美味しいとのこと。

黄桜カッパカントリーお土産

甘酒の飲み比べは『米麹』(真っ白な方)か『酒粕』(カラフルな方)かの2種類を比較。効用の差が売り場に掲示されていたため興味が湧いて両方購入してみました。疲労回復と肌荒れ対策には米麹、ダイエットと睡眠改善には酒粕が良いのだとか。

味は個々人の好みによると思いますが、酒粕の方が濃くてしっかり甘酒らしさを主張している感じでした。

甘酒の違い解説

今回はおそらく伏見酒蔵巡りの超王道ルートだと思います。他の酒蔵さんやお店も沢山あるため、きっとリピートしても新たな発見がありそう!とワクワクした気分を残しつつ帰路につきました。



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