旧御用邸 富士屋ホテル菊華荘の場所は?
前日の懐石料理をいただいた箱根強羅花壇のは旧宮家別邸でしたが、富士屋ホテル菊華荘は明治28年に造営された旧宮ノ下御用邸です。
場所は箱根 宮ノ下。私は箱根登山バスで向かいましたが、最寄りのバス停は『ホテル前』でした。ホテル前というだけで富士屋ホテルを指し示すという名前のつき方で、富士屋ホテルが地域を代表されているお宿ということがわかります。
バスを降りて敷地に入るとこの立派な門部分と立派なお庭が。
『きちんとしないと』と心地良い緊張感をもたらす和の雰囲気です。
そしてお庭の静かな道が続き、和風の建屋玄関に向かいます。
帰りにタクシーを読んでいただくと、この玄関前までつけてくれました。そのため、タクシーで来られる方は中まで入れると思います。
建築手法は数寄風書院造り。茶室の様式が取り入れられて、自然のまま装飾を排除した様式が特徴です。
屋根は、『むくり屋根』。権威を表す反り屋根と反対方向に曲がり丸みを帯びたむくり屋根は、日本独自の優美さからお公家様の世界にも取り入れられていたといいます。
そして玄関で名前を告げて、待合まで。待合をしばらく鑑賞した後席に案内されました。ここまででも十分鑑賞にきた甲斐があるという雰囲気です。
昼食『献上御前』とは?
この富士屋ホテル菊華荘、18,000円からの会席のみですが、お昼は5,000円の献上御膳などもあります。
いつもの一休レストランで、最もお手頃な『献上御膳』を予約して伺いました。
昼食の場所は、ガラス窓から雨も映えるお庭が見える和室テーブル席です。(お庭から離れた席もあります)。
ドリンク
ビールは1,200円。私の選択した山崎樽仕込みの梅酒は1,300円でした。
日本酒ペアリングなどもあり、献上御膳の場合は、一度に御膳方式で全部出てきてしまうためあまり合わないかもしれませんが、上位の会席コースだと良いかもしれません。
献上御膳は3度に分けて提供
献上御膳の先附けは、柿と菊菜の白和え。周りの雰囲気もあり、上品さを感じる一品です。
先附けが終わると、水菓子以外全てが運ばれてきます。
上段の2段の朱塗りの箱が献上箱。上段には、鯛と戻り鰹のお造りと焚き合わせ。下段の桃色の器に入っているのは、『鰻ざく』ならぬ『鱧(はも)ざく』。鰻ざくは鰻ときゅうりの和物ですが、それの鱧バージョンで、きゅうりの代わりは針生姜となっていて、甘味と酸味のバランスがよく印象に残るお料理です。
あとは、海老の天ぷら、小巻玉子など。
海老の天ぷらの後ろに隠れがちになっている椎茸の揚げ物は、二見揚げ。椎茸の中にすり身(お肉?)が入っています。
あと、ごはんと留碗までも一気に出てきます。
最後は水物、梨です。
お隣の方は会席を食べられていて、みているとかなりゆっくりなペースで提供されていました。観光途中などで、お急ぎの場合は献上御膳か、季節のお弁当(10,000円)など一気に出てくるものの方が良いかもしれません。