都道府県別検索は最下部のメニューをご利用下さい。このサイトでは、アフィリエイトリンクを利用しています。

橋の科学館訪問記 明石海峡大橋を学ぶ『私たちは今日のためだけに生きているわけではありません』を実感 ★感謝★ゆきたびとんブログ1周年(2022年11月情報)

★感謝★ゆきたびとんブログ1周年

私事から入って恐縮ですが、本記事掲載日がブログ開設1周年となりました。いつも記事をご覧いただいている方、フォロー・コメントいただいている方のおかげで継続できましたことについて御礼申し上げます。最近は人気記事を中心に毎日100名を超えるアクセスをいただいており感謝いたします。意外とマイナーなつもりで書いた記事が半年後ぐらいにPVが伸びたりと記事数が増えてくるとアクセス観察だけでも楽しいものですね。

1年を迎えるタイミングで1日のPVが300を超える日が発生。秋の行楽シーズン京都の記事や一般的に宿泊記がマリオット系と比較して少ないIHGグループホテルの宿泊記が牽引してくれています。ただ、人気記事は月の半ばで200PV超えということは、0PVの記事も無数にあるということで…。

旅行記は読者の方の人生の中のほんの1時間のことに役立ったりするものだと思います。ただ、その1時間がうまくいくことで旅自体が一生ものの思い出になると良いなあと思います。

旅やお出かけ予定を置くことで明日が楽しみになる世の中となりますように。

本来最終に持ってくるべき、私事を冒頭に持ってきましたのは、1周年を迎える記事を何にしようかなと考えた上でこの記事をこの日にしたと思ったことをお伝えしたかったからです。

11月上旬『橋の記念館』の映像コンテンツで聞いた『私たちは今日のためだけに生きているわけではありません』というナレーションの言葉に感銘を受けました。

旅をブログにしようとすることで、今まで何となく眺めていたものに、しっかり目を向けたり、自分の中に取り込んで考えたりする機会が増えました。

実はこの橋の記念館は数年前にも訪問していて2度目、でも1度目は割と流し見してしまっていたようで。

今回訪問してじっくり見て頭の中でストーリーを描くと、たくさんの『人』の力の凄さを感じることができました。これが、アウトプットをするためにインプットするということの効果なのか、と自分自身の1年間の振り返りをさせていただきました。

明石海峡大橋とは?

神戸市垂水区舞子と淡路島をつなぐ橋で全長3,911 m。別名はパールブリッジという美しい吊り橋です。この明石海峡大橋が神戸と淡路島をつなぎ、淡路島の反対(四国側)と徳島県鳴門との間を大鳴門橋という橋がつなぐことで本州と四国間の車での行き来もできるようになっています。

(橋の科学館と明石海峡大橋のみを本州側で見るだけであればJR舞子駅か山陽電鉄舞子公園駅から徒歩で見学可能です。)

ここで注目したいのは『鳴門!』渦潮(うずしお)で有名なハードな海です。このハードな海流にどうやって打ち勝ってこの橋を作ったのか。というのがこの橋の記念館の大きなテーマの一つとなっています。

明石海峡大橋

大鳴門橋(展示パネルより)

明石海峡大橋の主塔基礎ができるまで

明石海峡大橋の主塔。ケーブルから10万トンの力を受けて、主塔から主塔基礎に伝える下向きの力は12万トンとなります。

明石海峡大橋を支える力の向き

それを支える基礎は、写真で見えている部分は海上のごく一部ですが、水深60mの深さで支持地盤と繋がっています。

海中の世界はもちろん、波による影響が大きくそこにこれだけの大きな基礎を築くというのは、素人には想像を絶する世界です。

外で作られるケーソン(海中に沈める外枠)

そこでまずは直径が80mにもおよぶ巨大なケーソン(海中に沈める外枠)の部分を地上で作って、船で運び沈めます。

ケーソンを動かす模型

沈めると一言でいっても簡単なことではなく、年間数日しかない天候の穏やかな日を観測して確定。

そして、普通に沈めても洗掘(激しい水流でコンクリートなどが削られる)で基礎が傾くことがあるため、その対策も行う必要があります。

そのため、まずは掘削ケーソンの周りを1t級の捨て石で囲むのですが、この囲むという作業についてもまずは大量に石を網に纏めた錘で一気に留めてその後、1t級の石で囲んでいく。その作業だけでも数ヶ月を要します。

そうして、ケーソンを船で運ぶ日は地元の子どもたちがケーソンの航行に手を振る光景も見られたといいます。

ケーソンを船で運ぶ様子

沈めてからも基礎ができるまでの長い期間

詳細を言えばキリがないので、簡単に書きますが、この後ケーソンにポンプで海水を入れて沈めて固定し、コンクリートを打ち込みます。コンクリートは3昼夜連続で打ち込むセットを合計30回。最終的にこの基礎ができるまでの期間は4年もかかります。

技術志向の方でなくても4年という長い期間に思いを馳せてしまうのは、このケーソンの上の設備に見られる『居住区』の表記。

当時はもちろん橋ができる前ですので、ただの海のど真ん中。こちらに居住して工事をされる長い期間。

まさに『私たちは今日のためだけに生きているわけではありませんという未来を作る仕事だったのだなと見るものに感じさせました。

ケーソンの上の居住区

ケーブルの端を支えるアンカレイジ

舞子の駅から明石海峡大橋を見に行くと初めに見えるものが、巨大なコンクリートの建造物『アンカレイジ』です。

アンカレイジ

アンカレイジは、、メインケーブルの端を固定する役割を持つ『重し』。

重しというだけあってそこに使われているコンクリートの重さは35万トン。奈良の大仏さま1,400体分の重さです。

写真は実際のアンカレイジを下から見上げたところ。あまりの大きさに下ののぼりとの遠近感覚がおかしくなりそうでした。

アンカレイジを下から見たところ

アンカレイジの周囲は、美観を考慮したパネルとなっていてその中にコンクリートの部分があります。コンクリートが熱でひび割れるのを防止するため、熱の出にくいコンクリートが開発され、パイプクーリングで温度を下げるなどして、12万トンの張力を受け止めるという、見た目の大きさに負けない大きな役割を果たしています。

ケーブルは束ねることで強くなる

ケーブルを束ねて強くする技法は、アメリカのジョージワシントン橋で始まり、世界各国に広がりました。

でもそのケーブルの束ねる量を多くより強くなったのが明石海峡大橋。

明石海峡大橋のケーブルは、1本で4トンに耐えるケーブルを127本束ねた束を更に290本束ねた強いもの。この強さのおかげで、ケーブルは2本となり、主塔も低くて済むという効果があるとか。

ケーブルと主塔

ケーブルワイヤーの強度変遷

ケーブル実物大断面模型

風を制御するのは制震装置

大きなだけでなく精密に繊細。それが明石海峡大橋です。

主塔の内部には制震装置が20個も組み込まれています。制震装置とは一定以上の揺れが発生した時に反対方向に振り子が揺れて揺れを軽減するもの。

その傾き等はミクロの世界で検査されていて、厳密に鉛直度(常に重力と水平である角度)を保つようになっています。

制震装置の有無比較

イルミネーションプログラム

巨大で繊細な吊り橋は、実用的のみならず、人を惹きつける美しさがあります。パールブリッジと呼ばれる明石海峡大橋では、イルミネーションによってその美しさを更に引き立てています。

夜の明石海峡大橋

この色の仕掛けは、青・緑・赤の3色を調整することで多彩な色に変化しています。

イルミネーションの仕掛け

明石海峡大橋のイルミネーションには時報パターンもあって、正時は虹色の変化、毎時30分には素敵なことにその月の誕生石色の光の変化で時刻を知らせているそう。壮大なロマンだけでなく繊細なロマンティックも兼ね備えているという感じですね。

イルミネーションのパターン紹介

3D映像と共に学べるシアター

各展示物で橋の技術を学んだあとは、入り口で配布される3Dメガネ(使い捨て)をかけてシアターで映像見学。

壮大な仕組みをじっくり見た後に、このシアターのクライマックスで聞いた言葉が、『私たちは今日のためだけに生きているわけではありません』

大変な重みを持って心に響いた体験となりました。

3Dバーチャル体験の時間割
バーチャル体験の座席

神戸の街に明石海峡大橋を置いてみたら….(大きさ比較)

ゆきたびとん🧰 をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む