2019年の旅に遡り、もう一つの宿泊記を。
伊勢のお参りの際、近隣鳥羽や、リゾート感を求めて賢島方面等に宿を求めることも多いかと思いますが、伊勢の空気と文化を続けて感じられる宿、『斎王の宮』をご紹介します。名前からして雅な感じがしますね。かぐらばリゾート千の杜の別邸で、千の杜の温泉が使えます。なお、繊細な調度から宿泊者年齢制限があるかと思っていましたが、お子様OKの旅館のようです。
宇治山田駅から車で20分
伊勢市内に位置する斎王の宮は、外宮側に近い宇治山田駅から車で20分。宇治山田駅からバスの送迎もあります。(往路1時間に2本程度、復路3本程度 公式サイトを要確認)
復路では伊勢神宮 内宮、外宮にも送迎していただけるそう。
『斎王の宮』の名前にまつわる斎王とは?
斎王(さいおう)…それは、天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えるために選ばれた、未婚の皇族女性のことである。
明和町公式HP
伊勢から松阪に向かう明和町には斎王を知るために巡る観光ルートもあるそうですので明和町HPよりご紹介させていただきました。(以下、HPから学習させていただいた内容に基づく記述が含まれます。)
674年に始まる660年間60人以上の斎王がいらっしゃいました。未婚の皇族女性は天皇の代替わりまでの期間、恋愛、結婚も許されず祈りの日々を過ごされた。雅ながらも切ない物語が紡がれていきそうな世界です。『伊勢物語』には、在原業平(ありわら の なりひら)と斎王の一夜の出会いが描かれているそうです。情熱的な和歌の名手で容姿端麗だったといわれている在原業平に想いを募らせる斎王。切ない悲恋ですね。
斎王のお住まいは斎宮(さいくう)と呼ばれて、伊勢神宮のような静かな雰囲気の建物が100棟以上も並び、500人以上の方々が働かれていた大きな地方都市のようなものだったとか。この都市の文化として、貝合わせや和歌などの遊びがなされていたそう。
2022年1月伊勢・鳥羽旅行で訪問した鳥羽駅徒歩3分の戸田屋さんで、都から伊勢斎宮まで120kmの斎王群行の様子が展示されていました。

色鮮やかで雅やかですね。
現代の宿である斎王の宮は、この文化面をモダンに再現された『王朝浪漫』をテーマとしています。
斎王の宮の特徴①:別邸ならではの特別感
斎王の宮は千の杜の別邸。そのため、バス送迎で到着すると、千の杜のロビーの中に設られた専用スペースでお抹茶をいただきながらのチェックインができます。千の杜側宿泊の方から見ると、あの先どうなっているんだろうと思うスペースに入って行くのはクラブラウンジ 的な特別感があります。
斎王の宮の特徴②:王朝風天蓋付きベッド
斎王の宮に泊まりたいと、その動機の発端となるのはおそらくこれ、王朝風天蓋付きベッドだと思います。
和室タイプのベッドは、見た目モダンだけど低すぎると結構使いづらいこともありますが、ここは安心の厚み。見た目だけではなく実用性も兼ね備えたベッドでした。
斎王の宮の特徴③:客室露天風呂(更湯)と千の杜大浴場での温泉
斎宮の宮のお部屋には客室露天風呂があります。残念ながら温泉ではなく更湯ですが、入浴剤を入れて楽しめる大きな湯船があります。
温泉に浸かりたい場合は、斎王の宮には温泉はありませんが、千の杜の大浴場で新美里温泉の運び湯の温泉が楽しめます。
新美里温泉ってどこ?と思い調べてみたところ、輸送専門の温泉で、美人の湯で有名な榊原温泉の近くで採掘されて同じ様な泉質だとか。お肌ツルツル美人の湯だそうです。
斎王の宮の特徴④:館内の雅やかな調度
あえて雅な言い方をせずにいうなら、斎王の宮はコンセプトホテル。客室に限らず、共用部分でも雅やかな調度を見て、世界に浸る時間を持つことが楽しむコツだと思います。
斎王の宮の特徴⑤:上品和食の夕朝食
斎王の膳と名付けられた夕食はお食事処でいただけます。(2022年1月時点でHPプランを確認すると、おこもりお部屋食も始められているようです。)食前酒先付八寸に続いて、伊勢志摩らしい海の幸、小鉢、メインは松阪牛のステーキ、さらには選べる天ぷらから牛めし、デザートへと豪華なラインナップが並びます。
さらにはお夜食として、さんま寿司を持たせてくれました。
実際の斎王のお食事自体は正確に何をいただいていたか今でも確証はないようですね。ただ、こんなに贅沢な品数を一般市民がいただけるのは現代ならでは。ありがたい世の中です。
朝食も同じお食事処で外の水辺を見ながらいただけました。旅館らしい品数が嬉しいですね。
斎王の宮の特徴⑥:チェックアウトも座って専用スペースで
チェックイン同様チェックアウトも千の杜ロビーにある斎王の宮の専用スペースで座って実施します。さらに斎王の宮にバス送迎で伺った際に嬉しいのは帰りのバスが千の杜より1時間遅い11時15分の便が使えるところ。
チェックアウトタイム、ギリギリまで客室でのんびりできますね。