奈良の春日大社を、神職様または巫女様のご案内で巡れるプランが春日大社直々のツアーであることを知り参加。90分かけて、お話を伺いながら参拝もできるありがたいものでしたので、参加記にてご紹介いたします。
春日大社本社本殿主催ツアーはじゃらんで予約可能
私がこのツアーを見つけたのはじゃらん遊び・体験から。当初は、参拝と学芸員さんと廻る宝物殿のツアー(2,000円/人)に申し込んでいましたが、そちらは中止となってしまい、催行が決まっているという参拝だけのツアー(1,000円/人)への参加に申し込みを、し直しました。
春日大社の場所は
春日大社の一の鳥居は、集合場所である二の鳥居から1.1Kmも離れた場所にあるため、バスで向かう際は二の鳥居最寄りの『春日大社本殿前』で下車します。春日大社は、その後お話を伺ったところ、東京ディズニーランドとディスニーシーを合わせたほどの大きさがあるとのことで。
有名だから迷わず行けるだろうと適当に行ってしまうとはるか遠くについてしまう可能性があります。
集合は二の鳥居前 車やどり
二の鳥居の横には車やどりがあり、参加日には流鏑馬の練習中で海外の方が見学にひしめきあっておりましたが、奥に牛車のようなものが見えます。はるか昔のご参拝時も、人は二の鳥居までは車で来られて、ここからは徒歩でご参拝されました。
檜皮葺き
車やどりでお話があるのは、その屋根の部分。檜皮葺きです。
御本殿も、若宮様も檜皮葺きの屋根で20年に一度の遷宮の際にも葺き替えとなりますが。
なんと、1㎡を葺くのに、樹齢100年の檜が14本も必要となる大変なものです。
そのため、御寄進を募っておられて、個人名は避けますが名だたる方々が数百万円などの単位の御寄進をされているという掲示も後ほど見かけました。
数100万円なんて!と、私を含む一般庶民は思いますが、1,000円から御寄進は可能とのことで安堵ですね。
『祓戸神社』にまず参拝 穢れを祓う
二の鳥居すぐのところにある祓戸神社(はらえどじんじゃ)。ツアーでなくても本殿お参りの前にまずはお参りして、穢れを祓います。
お参りの前に鹿が目じるしとなった御手水があるので手と口をゆすいで。
なぜ、春日大社の茅の輪潜りは撤収が早いのか?
祓戸神社では、大きなお祭りは6月30日と12月31日の大祓えとなりますが、6月30日は参道で茅の輪潜りがあります。この春日大社の茅の輪潜り、春日大社でお勤めされている方も見られないことがあるほど、行事後の撤収が早いのですが、どんな訳が??と問いかけがありました。
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答えは、鹿がイタズラしてしまうから。茅の輪を鹿から守る専門の役割の方までいらっしゃるとのことです。
二手に分かれる参道は何のため?
祓戸神社の前で参道が二手の分かれるのですが、これはなんのためか。という非常に興味深い内容を教えていただけました。
実は左の道は『藤原氏』の方専用。
その昔、春日大社にお参りができるのは天皇陛下のお使いである勅使の方々のみだったそうですが、その勅使の方(と御付きの方)が藤原氏の場合左、藤原氏以外の方は右と分かれていました。
さらにその理由が深く。春日大社で初めて祝詞を読んだ神様がその後中臣氏となって神職につき、その後、中臣氏が藤原氏となったことに由来しています。
その関係から藤原氏の方はご親族として勝手口からはいり、藤原氏以外の方は、お客様として入るということで道が分かれているそうです。(このお話を聞くと畏れ多くて左の参道は上がれませんね)。
この藤原氏の方用の参道は、入り口が剣の先の形をしていることから剣先道とよばれています。
また、昔のおつきの女性内侍と、法相宗のお寺を守る春日の神様にお参りする僧侶様の専用道も分かれていました。
回廊にある鳥居『榎本様』にお参り
次にお参りするのは榎本神社。榎本様はこの土地の元々の神様です。
白鹿に乗った春日の神様は、この地に降りたったのち、榎本の神様に土地を借り受けたとのこと。
そして、榎本の神様は一度よそに移られたのですが、戻ってこられたいと。そのため、春日の神様は回廊の一部でよければと、回廊の一部にお社を建てられてその前に鳥居があるという形に。
春日大社の本殿は、国の安寧を祈るところ。そのため、皇室の方も個人的なお祈りは、榎本様にされるとのことで、本殿お参り前にまずは榎本様にお参りされるとのことです。
夫婦大国社の櫓のようなものは何のため?
次にお参りするのはご夫婦の大黒様をお祀りになっているお社。通常は神様一柱に一つのお社ですので、ご夫婦が一つのお社となっているところは、非常に珍しく、縁結びの神様ともなっています。そして、この神様の役割は若宮様のお食事。
中には竈門が設られていて、お賽銭箱も布の下はシンクなのだとか!
ということで屋根の櫓のようなものは、竈門の上にある煙突となっています。
若宮様 お社と壁の朱色の違いはなぜ
若宮様は春日の神様のお子さまです。
神様のお社は正面から撮影することはいけないとのことで、撮って良い場所も教えていただけました。
さて、このお社の朱色と壁の朱色の色が異なるのは写真からわかりますか?
春日大社の朱色は、非常に高価な塗料となる本朱で水銀と朱を混ぜたもの。
この本朱、実は神様より遠くなるほど水銀の比率が上がって、朱が薄くなっているそう。そのためお社の鮮やかさと壁の朱色には差があるのです。
芝居の語源
若宮様は1年に1度12月17日に御旅所に渡られます。御旅所への出発は0時、その後市内を巡って御旅所に。そこでは長時間、芸事を奉納し続けます。そして、また0時に向けてお帰りになります。
この芸事を奉納する際、芝生の上で舞をまったことが芝居の語源となったと言われているそうです。
芸事の神様の若宮様、その向いには神楽殿があります。
そして、芸事の神様ですので、芸能人の方々も春日大社を訪れた際には若宮様にお参りされているとのこと。
昔は勅使の方しかお参りできなかった本殿
本殿は昔は勅使の方しかお参りのできなかった場所。本殿の手前にある建物は、幣殿がありますが、勅使の方のお供物を置くための場所だったそう。
また、幣殿の天井が高い部分は舞殿となっていて、雨天に舞を奉納する場所ともなっていました。
ちょうど本殿お参りのタイミングに、神様のお食事時間となっていて中の扉が開き、お参りの場所からお社の扉付近を拝見することができました。
春日の神様は四柱、お社も四つ並んでいました。
回廊の灯籠の色と扉の形
春日大社といえば回廊の灯籠を思い浮かべる方も多いと思いますが、この釣燈籠元の色は金色だったとか。よく見る色は金色のものが年月を経て変わっていった色だとのことです。金色は別物ではなかったのですね。
春日大社では自然の元ある形を大切にするという教えがあって、山に沿ったところはその斜面のままが活かされています。
その教えをもう一つ感じられるのが本殿前の大きな杉の横、建物は木を邪魔することなく建てられています。大杉は、鎌倉時代の絵巻に描かれていることから樹齢は800年から1,000年と言われているそうです。
御蓋山のお参り
御蓋山は『みかさやま』と読み、春日大社の創建神話の舞台となっています。春日の神様が降り立った場所で、今でも年に一度、神職の方々はその地まで山を登りお祈りをするお祀りがあります。
その地を遠くから拝む場所は本殿の回廊の扉を出た場所に1つ、もう一つは若宮様と本殿の間にあります。
萬灯籠再現
春日大社の灯籠は、石灯籠が2,000基、釣燈籠が1,000基あり、そこに火が灯るお祭りが萬灯籠です。2023年は残念ながら台風のため中止となりました。
その万灯籠を再現してくれている場所があり、真っ暗な場所に灯籠の間を一方通行で往復できます。
現在この炎は、LEDを利用されています。
神職様巫女様のご案内ツアーはここでご紹介したような興味深くわかりやすいお話を他にも沢山の伺って90分はあっという間のお時間となりました。
ツアーに入らず、ご紹介する場所を廻る場合は、拝観料は500円です。
ツアー中、白い鹿に乗ってこられた神様のお話が印象的でしたので、お守りは白鹿のものを1,000円で授与いただきました。(ツアーの解散場所からすぐの場所に授与所があります。)