山梨県勝沼のワイナリーでコースランチをいただきたいと予約して伺ったルミエールワイナリー。ワイナリー内レストラン『ゼルコバ』のランチを12時半から予約、お食事後の試飲タイムのち、1日1回の実施で14時からの有償見学ツアーにも参加してきました。
ルミエールワイナリー
ルミエールワイナリーは勝沼ぶどう郷駅からは5Kmほど離れた立地にあるワイナリーで、駐車場に車を停めると目の前には一面のぶどう畑がみえ、ショップとレストランの入った綺麗なオフホワイトの建物があります。

レストラン利用・見学ツアーは予約制
ショップは予約なしでも入れますが、レストランや醸造所に入る見学ツアーは予約制です。レストランはWEB予約可能ですが、ツアーは電話予約のみとなっているようです。
レストラン ゼルコバでのランチ
12時半に予約したレストランゼルコバへ。レストランとショップは同じエントランスから入り、奥にさらに入り口があります。
レストランの名前のゼルコバ、ルミエールとはあまりにも語感が違うなとゼルコバという言葉の意味を調べたところスペイン語で『けやき』とのこと。
中は、柔らかい色調で本格的なレストランインテリアとなっています。
窓際席ではお庭の緑を楽しめます。
ドリンクはもちろんワイン!と言いたいところですが、実はショップ側にある試飲では味わえないぶどうジュース(990円)を選択。ドライバーの夫はシトロンシャワー(990円)という白ワインビネガーにレモンとライムを加えたドリンクをオーダーしました。
お食事は事前に『ゼルコバ』のハーフコース(お肉選択 6,050円/人)を予約済です。
ぶどうのサラダ 特製赤ワインベーコンとチーズと共に。ぶどうは色々な品種を一皿で味わえます。旬のぶどうの甘味にベーコンの塩味が相まってさらに美味しく感じます。
冷たい南瓜のクリームスープはココナッツ風味。上にかかっているものはパンプキンシードとパンプキンシードオイルにココナッツです。
パンは、スロベニア産のお塩を使った塩パンと、とうもろこしのパンです。
メインのお肉は山梨県産牛、トマトとエストラゴン風味のマスタード添えです。エストラゴンはハーブの一種で、乾燥して香辛料として使われるもの。
焼き加減も程よく、上にかかったマスタードがよく合います。
お野菜の一番右、ぱっと見ただけでは何かわかりませんでしたが、香草パン粉の茄子とのこと。
麦茶エスプレッソのクリームブリュレ バニラアイスが添えられています。
麦茶?と思ってスプーンを割り入れていただくと、口の中で確かに麦茶味が広がります。
珈琲は韮崎でエイジングされたというコクテール堂の珈琲。韮崎市は、ゼロコバから30分程度離れた武田信玄の武田家発祥の地で標高は500mほど。コクテール堂さんのHPによるとこの標高が良いのだとか。世界中から豆を集めて日照時間が多く雨の少ない地に最適計算をして豆を自然乾燥しているそうです。
試飲
試飲はまず受け付けていただきカードを受領、自動のサーバーに差し込んで試飲したあと、飲んだ分をショップで生産する形です。試飲の価格は1杯100円から400円まで。ワインの種類によって変わります。
その試飲機とは別に、カウンター現金払いで、今(10月)しか飲めないというシュトルムを50ml200円でいただけます。シュトルムまというのはワイン生産中のまだ発酵途中のもの。オーダーすると、その場で機械に入れて発酵をとめて提供してくださいます。
先月訪問した秋田県の小坂七滝ワイナリー(リンクは先月記事に飛びます)の方がワインの作りかけの工程途中も美味な段階があるとお話されていたのを思い出しました。
そして、おつぎは秋訪問だからこその味わい。今年の新酒 第1号!フレールデラウェアです。飲みやすく、フレッシュ気分が味わえる一杯です。
最後は、甘党の私が、一番初めにチェックしたスウィートワイン。ドライフルーツや蜂蜜の香りで芳醇な甘味があるというワインとのことです。驚くほど褐色が強いワインで、単体でいただく他、バニラアイスにかけても良いと表示がありました。
ワイナリー見学ツアー
私の訪問したワイナリー見学ツアーは14時からの30分コースのみで700円/人でした。
ぶどう畑
30分コースの前半は、ぶどう畑。快晴のこの日持っていて役だったのは帽子です。参加者が10人以上いらっしゃったので日傘だと邪魔、でも帽子なしだと結構長い時間外にいるので….という感じです。
ぶどう畑の前で1番初めに聞いたお話は、振り返った場所にある『松』。なんと樹齢300年、この土地の歴史を感じるところです。
そして、ルミエールワイナリーの前身でワイン造りを開始したのは130年、なんと伊藤博文組閣の頃からの伝統があるとのことです。
ぶどうだけで作るワインの出来は7割がそのぶどうの出来にかかっているそうです。はじめに見せていただいたのはメルローの畑でしたが、ワイン作りシーズン真っ盛りのその日収穫が終わっていたためぶどう自体がほぼない状況でしたが。
図を使いながら収穫後のぶどう畑の前で説明が。
ぶどうは花から100日で収穫されます。そのワイン用のぶどうの収穫は手摘みでで、選別されながら行われるそうです。ワイン用ぶどうは、食用と異なり、種があって皮が厚いものです。糖度は21度から23度もあるそうで、樹齢は約15年。そして1つの木には2つの房が。
こちらのぶどう畑はなるべく農薬を使わず自然な状態で育てます。このぶどうで作ったものは光のシリーズという自然酵母として醸造されたワインとなるのだとか。
赤ワインを作るための黒ぶどうであるメルローは収穫されていたものの、白ワイン用の甲州ぶどうはいかにもワイナリーという風景を見せてくれていました。
なお、甲州ぶどうは和食に合うそうです。
醸造所
ぶどう畑の見学を終えると、移動して醸造所に。まさにワイン作りの最盛期、山積みになっているコンテナの中には、ぶどうが満載でした。
ルミエール地下発酵槽
そして、さらに移動して実はここが見学ツアーで甲州のワイン作りの歴史を感じるハイライト。地下発行槽を見学します。
ルミエールワイナリーの地下発酵槽は、明治34年。甲州の傾斜を利用するもので、耐酸性に優れた花崗岩で作られています。こちらでは1槽あたり10,000リットルの発酵ができる発酵槽が10個ありました。
この発行槽での発酵は、現在のステンレス製と比較すると格段に手間がかかり、発酵が終わったワインを抜いた後、搾りかすは人力、手で取り除いていくそうです。
その手間をかけたワイン作りは、人工の力は加えない優しい発酵で、石蔵の微生物で熟成に厚みが出るという素晴らしいもの。現在でも1槽だけ特別に行われ、石蔵和飲というブランドで販売されています。
マリアージュなら、すき焼きやお醤油を使った和食がおすすめとのことです。
地下石蔵
地下発酵槽、運用されている1個は上から覗くだけですが、他のものは地下の石蔵になっています。
よく見るサイズのワインの樽の容量は225ℓ お酒好きな方の1年分の量が入ります。
樽の素材は、フレンチオークは上品、アメリカンオークは甘やかで華やかな香りをワインに与えます。
その樽の中の熟成、白ワインは7ヶ月から20ヶ月、赤ワインは6ヶ月から25ヶ月の期間をかけて行われます。
石蔵に下りる階段途中のワイン樽の上には何らか白い器具がついていて、発酵のぼこぼことした反応を見ることができるようになっています。
瓶詰めラベル貼り
その後、瓶詰め室とラベル室(当日は不稼動)を見学してツアーは終了となります。
ショップでお土産購入
ショップでは、収穫されていて見ることができなかったメルローなどを使ったシグネチャーワイン『シャトールミエール』4,400円や、地下発酵槽で実際に作られた『石蔵和飲』2,420円などをはじめ何十種類ものワインが販売されています。
見学ツアーをご案内いただいた方のおすすめはオレンジワインとのことでしたが、スパークリングオランジェ3,080円はボトルも素敵でした。
なお、ショップで売っていたワイン飴が、普段はツアー参加のプレゼントはないのですが、この日のツアー参加者には特別にお土産として配布されました。
そのワイン飴とショップで購入したスイートワインギフトの写真はこちら。(写真の中のお水は撮影場所のANAホリデイ・イン信濃大町くろよん のお水ですので、ルミエールワイナリーとは無関係です。)
よく見るとロゴとリボンの関係が逆さまだったため、せっかくしていただいたギフト包装はすぐに解いてしまいましたが、下の写真のようになっているギフトセットを購入しました。
ハート型のスイートワインに添えられているチョコレートはメルロー種のぶどうを使って50年以上も熟成を重ねたというワインビネガーが練り込まれたビターチョコレート。少量でも濃厚な甘味を感じられるスイートワインとの組み合わせ、絶対に合うと思うセットでした。