神戸三宮から阪急電鉄で5分の場所にある王子公園駅は王子動物園があることで有名な駅。
そこでじゃらん遊び・体験で見つけた珈琲焙煎体験ができる場所があるとのことで伺いました。(正確にはじゃらんには移転前の六甲で表記されていましたが、一駅神戸方向に移転されて、現在のお店は王子公園駅にあるそうです。)
2022年は日本茶を学び、日本酒の新酒を学びと飲み物について色々なお話を聞く機会がありましたが、今回は珈琲。珈琲焙煎という言葉は見ただけで、芳しい香を感じます。
場所は王子公園駅より徒歩8分
移転されたお店の場所は王子公園駅を出てすぐに目につく王子動物園入り口側に向かって進み、そのまま王子公園を通り抜けた道をまっすぐ進むだけです。
珈琲焙煎体験はプライベートレッスン
珈琲焙煎体験のじゃらん遊び・体験での募集情報は週末土日のみ。時間帯は10時から12時となっています。
1回に申し込める人数は1人から2人。なんと贅沢なことにプライベートで体験させていただくことができます。
準備するもの
体験に必要なものは『エプロン』と『軍手』と書いてありました。
どれぐらい汚れるんだろうと不安に思い、ダイソーで200円のエプロンと100円の軍手を買って使い捨てできるように準備しましたが、それほど汚れず使い捨てにする必要は全くありませんでした。
ただ、焙煎中の蒸気が漂うため、コート等への匂い移りが気になる方は、コートを退避できる大型ビニル袋などを用意したほうが良いと思います。
珈琲焙煎体験①:焙煎機を使った焙煎
焙煎機の構造
お店に入ってまず目に入ってくる赤い大型機械。これが焙煎機です。赤い筒状のところが焙煎をするところ(ドラム)。右上のロート状のものから珈琲豆を投入し、焙煎、右下の円柱状の銀色の入れ物が煎った豆を冷やすところです。
煎った豆を冷やすときには底にある空気穴から空気が下に流れる力で冷やすそうです。
焙煎途中には赤い部分の後方のダクトから排気と薄皮が流れていきます。
薄皮はそれにつながる銀色の機械で分離されて廃棄となります。廃棄はさらに右側の白い大きなBOX上でクリーンになって最終店外に排出されます。
焙煎機の制御
焙煎機の制御は全て行なっていただけますので、仕組みのみ理解しました。
焙煎機の温度情報は横のパネルに表示されています。
温度情報と、時間等を確認しながら排気をハンドルで調整します。この排気が『重要』とのことでした。
あとはドラムの下の方にガスの火力調整をするものがありました。
焙煎開始
焙煎機での焙煎は以下のような温度経過を経て好みの煎り具合に仕上げていくようです。
まず、ブラジルの珈琲豆を1Kg。焙煎機のロート状のものにセットします。この段階ではまだドラムには入っていかず下部の赤いバーを引くと豆がドラムに入る仕組みとなっています。
1分から5分後:予熱
予熱で上げた熱を60℃から70℃に落として、再び温度をあげていきます。
5分後から12分後:予備焙煎・水抜き
70℃ぐらいから上げて行く途中(100℃の地点でした)で珈琲豆を投入。140℃ぐらいまで温度を上げていきます。珈琲豆の状態はドラムの横にある木のバーで豆をすくい出してチェクできるようです。ここで水分がしっかり抜けると、品質が長持ちする良い豆になるそうです。
12分から17分後:これ以降本焙煎
温度は140℃から170℃まで温度を上げて焙煎を続けます。この段階ではあまり色の変化がないそうで、後半に一気に色が変わっていくようです。
17分後から22分後:浅煎り(ライト・シナモン)→1ハゼ→中煎り(ミディアム・ハイ)
温度が170℃程度になると珈琲豆が「はぜる」ようです。珈琲は煎り続けると2回ハゼるようですが、その1回目を1ハゼ(イチハゼ)というそうです。
この1ハゼのはじめの頃の状態が浅煎り(ライトローストからシナモンロースト)、一ハゼの終わりの頃の状態が中煎り(ミディアムロースト)、終わった後は中煎り(ハイロースト)となるそうです。
パチパチと小さく豆がはぜる音が聞こえます。少しづつ色が代わり、珈琲らしくなってきました。蒸気から少し香りも漂い始めます。
最近の若い方は深入りの苦味のあるものより酸味のある浅い豆の方が人気があるようですね。おそらく、フルーツ系のケーキなどには浅いものが合うからかなとのお話を伺いました。
このお店では、深煎りを中心にされているそうです。
22分後から27分後:2ハゼ 中深煎り(シティからフルシティ)→深煎り(フレンチ)
1ハゼ後一旦おさまっていたパチパチ音が再びしてきて2ハゼが始まります。
温度は180℃から190℃に上がっています。
この2ハゼの初めのころの豆が中深煎りのシティロースト、中頃はフルシティローストというそうです。更
に進んで、最後の方になると深煎りのフレンチローストとなります。
深煎りまでいくと豆は焦げちゃいろ、ツヤツヤになっていました。珈琲が飲みたくなる香りが漂っています。
完成後の豆を冷却
焙煎後赤いレバーを上げるとザザッと、珈琲豆が冷却機に落ちていきます。冷却機では銀色のかき混ぜ棒が常に廻って、まんべんなく冷却できるようになっていました。
深煎り後の豆の重さは?
1Kg投入した豆の重さは深煎り後700g(約60杯分ぐらい)になるそうです。
手で焙煎:深煎り(フレンチロースト)
ついに自分の体験です。カセットコンロの上に豆を入れた鍋をセットして、2から3秒水平方向に大きく動かして豆が焦げないようにします。そして2から3秒コンロにかけてを繰り返します。
豆の量も150gぐらいですので、焙煎機の半分ぐらいの時間で煎ることができます。
途中、1ハゼが始まると、少し蓋を開けて蒸気を逃しながら煎り続けます。
3秒煎って、蓋を開けつつ3秒コンロに、また3秒煎ってを繰り返します。
そして1ハゼが終わると蓋を開けずに1ハゼ前の動きに。
2ハゼが始まると1ハゼの時よりも大きく蓋を開けてより多くの蒸気を逃しながら煎り続けます。
15分ぐらいで深煎り状態となりました。そしてできた豆はなんとドライヤーで冷却して下さいました。あたりには薄皮と珈琲の蒸気が漂います。
手で焙煎:深煎り(イタリアンロースト)
深煎りの珈琲が好みであることを伝えていたら、サービスで深煎り(フレンチロースト)以外に更に焙煎を進めたイタリアンローストも手で焙煎させていただけました。フレンチローストと比べてももっと黒いのがわかります。
イタリアでも南部の方で好まれている煎り方のようです。
体験の最大のお楽しみ:試飲
試飲は、焙煎機でのフレンチロースト、手で焙煎したフレンチロースト、手で焙煎したイタリアンローストの3回とも丁寧に入れて下さいました。同じ豆でもプロにベストな淹れ方をしていただくとより美味しくいただけること間違いなしですので、本当にありがたくいただけました。
ミル挽き
焙煎した豆は試飲用にすぐにミルで挽いてくれました。(家にミルがなかったためお持ち帰り用の珈琲もミルで挽いてから渡していただけました。ミルもない珈琲素人の体験ですみません)
以前、神戸のヴィラフォンテーヌ で珈琲のミル挽きが大変だったため、家では絶対挽かないなと思っていたのですが、最近は挽くのが楽しくなるようなサクサク挽ける珈琲ミルもあると教えいただけました。
最近は自宅時間が長くなったことから本格珈琲を自宅で楽しむ人も増えたそうですね。
挽いた豆はこんな感じです。
器の温めと蒸らし
丁寧にポットも器も温めて(温度もしっかり計られていました。
煎りたての豆は蒸らすとこんなにふんわり膨らみます。が、ベストは煎りたてよりも2、3日置いた方が味が落ち着いてきて良いようです。
お持ち帰りも3種類
お持ち帰り用の豆も3種類ともいただけました。
試飲の手順を思い出しつつ、家でも上手に淹れないといけませんね。