ルミナス神戸2・スカイマーク・フジドリームエアラインの共同企画。神戸空港に関係の深い3社のタッグで、2時間たっぷりと楽しめます。
- パイロットの方のお話 密着パイロット!
- 船のデッキから飛行機をみよう!
- パイロットの方への質問!(本記事では密着パイロット項目に含む)
- 整備士の方のお話
- 抽選会
- サプライズ! 花火船上見学
本企画は神戸空港17周年記念。また来年でもその先でも、こういった機会があると良いですね。なお、本記事の最後は、このイベントクルーズ参加者のみ入船可能な停泊時船内見学会の様子も掲載しています。
なお、飛行機にご興味のある方はぜひ、那覇空港での飛行機整備場見学記も是非ご参照ください。
ルミナス神戸2は乗船はメリケンパークオリエンタルホテルの建物の2F
ルミナス神戸2はレストランクルーズ船ですが、現在は主としてイベント・チャーターで利用されています。
乗船場所はメリケンパークオリエンタルホテルの2F 中央堤旅客ターミナル2Fです。この日は閉まっていましたが、出入国ロビーもありましたので、大型船のための旅客ターミナルなのだと思います。
イベントクルーズは運航中はセミナーと飛行機見学
2月18日限定の『船上の航空教室』イベントは、運行中はセミナーと飛行機見学に充てられます。私は食事なし(4500円)で申し込みましたが、7500程度だったと思いますが、お食事付のプランもあり、その場合は、クルーズ終了後、船内でブッフェが提供されるようです。1日だけのイベントクルーズですので情報不要かもしれませんが、来年も神戸空港18周年記念で開催されたりすることを期待して記載しておきます。
出発前のパイロットのお仕事に密着!
お話されたのはスカイマークの機長さんと副操縦士さん。キリッと制服での登場です。(写真撮影禁止ですが)
ドラマでは、パイロットがCAとブリーフィングしている姿などはよくある光景で。パイロットの方が、飛行機の運行前からお仕事されているというイメージはおぼろげにありますが、航空教室ではどんなタイムスケジュールで何をしているかお話いただけました。
出発70分前⭐️パイロットのオフィス出社時間
パイロットの方のオフィス出社時間は、飛行機の出発時間の70分前。
その後、アルコールチェックとお天気の確認を行います。
お天気は専用システムの画面で確認、空港周辺と上空で揺れるエリアがないかなどチェックされています。
出発40分前⭐️飛行機に移動
パイロットの方だからといって、飛行機に移動するとともにコックピットに直行ではありません。
飛行機の外部の点検をされて(ネジなどが落ちてないか確認されるとのことです)、その後は前述のドラマでよく見る光景?のCAとの打ち合わせとのことです。
出発20分前⭐️コックピットへ ①プリフライトプロシージャ
出発20分前にいよいよコックピットに。
コックピットの座席位置は窓の方に向かって見ると左側が機長、右側が副操縦士。夜の部(昼の部はお子様向け)の参加者は飛行機マニアの方も多そうで皆さん、うんうんすでに知っているよという顔で聞かれています。
最新のお天気とスイッチレバー類の確認をされます。
この出発前の確認『プリフライトプロシージャ』というのですが、驚くことに全て暗記で行われているとのことです。項目はなんと300!マニュアルにして8Pぐらいもあるそうです。
手順が抜けないための確認用のシートはあり、機長さんと副機長さんの連携で点検されていくのですが、この講座でのQAタイム。参加者さんのリクエストに応じて実演してくれました。役者さんではなく本物のパイロットの方の点検シーンを見ることのできる希少な機会となりました。機長さんも流石に観客の前で実施するのは初めてだったとか。
また、FMS(フライトマネジシステム)にご自身でルートを打ち込むとのこと。このシステムは飛行機のカーナビみたいなものですね。
②お天気の確認
ATIS
パイロットの方々が機内で聞かれている最新のお天気。ATISという仕組みで、空港の情報を音声と文字で知れるもの。
なんと、会場では実際のその音声が流れ、聞くことができました。
英語がペラペラな方でも聞き慣れない言葉で語られている部分があり、素人(私)にはちんぷんかんぷん….。
空港の4レターコードや情報ごとに割り振られる番号・滑走路・時間・風・視界・雲・気温・気圧などの情報があるとのことです。
PJBE RWY27 330/5… 文字にするとこんなイメージ。
フォネティックコード
音声で聞き間違いがないように使われる表現が『フォネティックコード』。
Bならブラボー、Cはチャーリー、Dならデルタという風に表現されるのだとか。9はナイナーという表現はどこかで聞いたことがあるような気もするのですが。
後の質問コーナーでのお子さまからの質問。
「このフォネティックコードは誰が決めたものですか?」
この質問に、パイロットのお二人はまずは戸惑い。知らない…..。確かに当たり前にその言葉が使われている世界にいても誰が作ったものなのかは知らないということもありそう。
でも、どんな時も機転で乗り越えられるのがパイロット!その場でWiKiで検索して回答されていました。
それによるとNATOが決められた用で、元々は『船』で使われていた用語なのだとか。飛行機の先輩は船!船上の航空機教室というのは非常に相性の良いものの組み合わせですね。
③管制の許可
飛行機の国内管制はざっくり担当エリアの広さ別にいうと3種類あります。
羽田から神戸空港に向かう場合は、最も広いエリアを担当されているのが『東京コントロール』、関西上空をレーダーで確認されているのが『関西アプローチ』。
そして、旅客が最も管制と聞いて真っ先に思い浮かべる管制塔、『神戸空港タワー』の3段階です。
この空港管制に関するQAでの質問は?
「神戸空港で着陸のランウェイのナンバーを決めているは誰ですか?」
この回答は関西アプローチなのだとか。なんと決める時間は飛行機の着陸の7分前という間際とのこと。
神戸空港を管轄する『関西アプローチ』からは、空港を目視では確認できませんが、風の状況とレーダーによって決めているそうです。
ランウェイの番号RWY27などの番号は飛行機の進入角度を表しています。
神戸空港では、西から東入るのがRWY09、西から飛んできて東から回り込んで西向きに入るのはRWY27です。
神戸空港の東には、大阪伊丹空港や関西空港があるため、神戸空港に入る飛行機は東から回り込んで着陸する場合なども全て西方向から空港に近づいてくるそうです。
へえええっと思って聞いていたけれども、パイロットのかたがお客さんたちの反応を見ていたところ『知ってる』という雰囲気だったよう。マニアの方の情報量恐るべしですね。
船のデッキから航空機をみよう!神戸空港離着陸見学
船で航空教室を行う醍醐味は、なんといっても飛行機の離発着する滑走路に海から近づけること。
そして、パイロットが船に同乗しているとその見学はどうなるか?
なんと、管制からの指示音声(本物)を聞いて、ランウェイを特定し、船をその決まったばかりのランウェイに向かって動かして近づけるという大技が成し遂げられました。
この日はあいにくのお天気で、私の素人の腕、スマホカメラ画像では物足りない写真しか撮れませんでしたが、マニアの方々は良い写真が撮れたのではないでしょうか。
このスカイマーク着陸の①の写真に写っている滑走路の先に伸びる長い橋のようなもの。これは誘導灯です。船での航空機教室ではこの誘導灯にもかなり近づくことができます。パイロットの方も普段は空から見ている誘導灯をこんなに近くで見るのは初めてだとおっしゃっていたので、希少体験なのでしょう。
QAタイム小話 スカイマークパイロットの方が最も好きな空港は?
QAの時間帯、内容はパイロットの密着の項目に多く記載していますが、小話として一つ。
スカイマークのパイロットさんお二人に、「上空から見た場合などに一番好きな空港はどこですか?」
この質問のお二人の答えは揃って『下地島空港』。
宮古島と伊良部大橋によって繋がった下地島の空港。滑走路の横に歩ける場所もあるRWY17は、海の美しさも現実ではないかのような素晴らしさで17エンドの名前で有名。
パイロットの方でも見飽きることがないということなのでしょうね。
フジドリームエアライン整備士の方のお話
船上の航空教室、メインはスカイマークのパイロットの方が進行されていましたが、短い時間にお聞きしたFDA(フジドリームエアライン)の整備士の方のお話も興味深いものでした。
FDAは2008年6月にできた新しい航空会社で、当初は4都市間を運行されていましたが、現在は16空港を運行されています。
FDAの飛行機が作られているのはブラジル。エンブライル社の飛行機で76席のものと84席のものと100席未満の小さめの飛行機が特徴です。
FDA マルチカラーコンセプト
このフジドリームエアラインの面白いところは保有する飛行機が、現行16機あるのですが、全て色が違うのです。1号機はレッドですが、その後、ライトブルー・ピンク・グリーンなど、16機目のバイオレットまで全ての色が違います。
乗客にとってはワクワクするお話ですが、整備士の方の目線になると….ペンキの色が間に合わない!こともあったりしてペンキを借りてきたりという大変エピソードにつながるようですね。
クイズ①:ファンブレードの値段
飛行機の翼の下で回っているファン。バードストライクがあると吸い込まれてしまうところですが、ファンブレード1枚の単価がクイズとして出題されました。
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答え
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答え
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その答えは、なんと1枚100万円!片方のエンジンだけで28枚のブレードが付いているとのことですので片側2,800万円もするのですね。チタン合金でできているのだとか。
チタン合金からもわかる通り、飛行機は非常に軽く、FDAの飛行機の重さは36t、なんと観光バス2台分しかないのだそうです。
クイズ②:飛行機の翼の上の2本の黒い線が引かれているのはなぜ?
全ての飛行機がそうなのかは分かりませんが、FDAの飛行の翼には黒い線が2本ひかれています。それはなんのためなのか。これが2つ目のクイズです。
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答え
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答え
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それは、雪による離陸中止を判断するため。雪が積もると翼の上の黒い線が消えることになるため、2本の線が見えていること、これが出発の条件となるそうです。
抽選会
抽選会は(私も当たりませんでしたし)イベントクルーズですので同じものが当たる機会はないのでさらっと景品をご紹介。
【スカイマークエアラインから】
ブランケット・珈琲メーカー・スカイマークグッズ詰め合わせ
【船:神戸クルーザーから】
コンチェルトランチクルーズ券・ディナークルーズ券・ティークルーズ券
なんと、乗船時に船上の航空機教室で当たったというと操舵室ご案内付きだとか希少。
【フジドリームエアラインから】
フライトアテンダントエプロン
航空券(神戸空港発の5つの空港からどこでも選べる!)
FDAグッズ詰め合わせ×5名
ちなみに抽選会は当たらないにしても、本ツアー参加者にはスカイマークさんからピカチュウのマスクがもらえました(乗船時に配布)。
着岸後のサブライズイベント花火10分間
抽選会も終わってお食事付きでない人はもうすぐ下船時間。このタイミングで、着岸5分後から花火が上がるとサプライズ発表がありました。
お食事付きの場合は、レストランからお食事なしの場合は甲板から間近に上がる花火を鑑賞できます。
時間は10分間。この船のためだけにあげて下さる花火は、大きく見えて最高の思い出となりました。
また、このイベントがあることを期待しています。
運行時間外に開催船内見学会(本イベント参加特典)
なお、お昼の部、夜の部の間と午前中の船が停泊している時間に、本イベント参加者は船内見学を行うことができます(自由見学)。
船内見学とだけ見ていたので、レストランとかホールなどを見せてくれるのかなと思っていたら、なんと機械室や操舵室など普段入れない場所を見せてくれるものでした。詳しく解説ができると良いのですが、自由見学のため、機械に詳しくない上に車の免許すら持っていない私では嘘を書いてしまいそうですので、ほぼ写真だけですが掲載します。
(航空機マニアの皆様は船の計器類などもお得意そうで、自由見学でも何やら難しいことをお話されていましたが……。)
機械室
まずはエントランスから下に降りると、厨房のようなものを通りぬけ機械室が。
主機関は船を前進・後進するための機関とのこと。三菱重工製2サイクルディディーゼルエンジン。4321KW×210RPM(説明書きによる)
機械室の見学を終えるとエントランスに戻って上部、操舵室へ。
オーナーズルーム
そこに向かう途中にオーナーズルームノルマンディーというお部屋がありました。様々なイベントクルーズでVIPルーム的に使われるのかもしれませんね。
このオーナーズルームはルミナス神戸2の最上階、Aデッキにあり、その奥(船の前側)に操舵室があります。
操舵室
解説なしの操舵室写真ですので、写真のコメントの誤りなどありましたらご指摘ください。