京都駅から1時間と遠く感じる場所ですが、京都市営地下鉄烏丸線国際会館駅からは20分と意外に近い『大原』。国際会館駅からは1時間に2本程度バスが出ています。
国際会館駅にほど近いザ プリンス京都宝ヶ池に宿泊された時の観光先としてもおすすめです。
モデルルート概要
大原三千院と寂光院はバス停を挟んで正反対の場所にあるため、どちらから回っても良いかと思いますが、今回のモデルルートは大原の里での入浴を含むため、入浴前に全ての観光を終えるという方針で、三千院を先に周ります。
- 大原バス停
- 大原三千院
- 大原バス停
- 寂光院
- 民宿大原の里
- 大原バス停
大原バス停までは京都国際会館駅から20分 360円
冒頭記載の通り、国際会館駅の京都バス乗り場④(注意:他の①から③とは離れた場所にあり、この写真でみて道路を渡る手前側に他のバス停は並んでいます)から京都バスに乗ると国際会館駅が始発場所、大原は終点となります。乗車料金は大人360円。地下鉄・バスの共通1日乗車券は定額場所として使えますが、バスのみの1日乗車券ではエリア外となりますのでご注意を。
大原のバス停は大きく、自動販売機や飲食店(行った日は閉まっていました)もありました。お手洗いも完備ですので、まずは準備を。
大原三千院までの道のりはお店も
バス停には三千院方向と寂光院方向の正反対に向かう二つの矢印案内があるため、まずは三千院方向へ バス停前の車通りを渡ってすぐに参道案内があります。
参道にはカフェやドレッシング専門店などお店もありますので覗いてみるのも良いかと思います。また大原はしそが有名。しそ畑の案内板などをみながらぶらぶら歩くのも楽しいひとときです。
京都大原三千院
京都大原といえば三千院という言葉が出てくるのは、CMの影響かなと調べてみましたが、歌謡曲があったようでCMは出てきませんでした。
三千院の名前の由来は天台宗の教えから
三千院は明治維新の前は、京都市内にあったそうで、元々は最澄が8世紀に比叡山延暦寺建立の際に梨の木の下に結んだ庵が始まりだそうです。
『三千院』の名前の由来は最澄の天台宗の教え、『一念三千』からきているとのこと。一念は瞬間(自分の動作など)三千は万物のようなもので世の中の全て宇宙を指しています。
三千院の拝観料は700円
門を入って受付から中に入ります。拝観料は700円です。屋内は撮影禁止です。
聚碧園(シュウヘキエン)
途中客殿からお庭 聚碧園(シュウヘキエン)が見えます。お庭のみ撮影可能となっています。このお庭は池泉鑑賞式庭園といって建物から眺めることを想定して造られている庭園様式です。確かに奥行き感等一方から眺めることを計算されているように思います。
奥に行くと三千院でしか聞けない音が300円で聞けるコーナーがあります。三千院は仏教音楽(声明)の発祥の地です。その声明をもとにして、自然の音と融合した音の世界が楽しめるとなっています。
朱雀門
朱雀門は昔の三千院の正門に当たる門ですが、現在は閉じられていて開くことはないそうです。江戸時代に藤原期のものを再建したものです。
わらべ地蔵
大原三千院の観光イメージといえば、このわらべ地蔵ではないでしょうか。よくパンフレットなど大原の紹介に載っているお地蔵さんです。有清園というもう一つの池泉鑑賞式庭園の苔と一体となって長い間佇んでくださっています。
お地蔵さんも灯籠の形も可愛らしいですね。
2022年2月11日から14日 初午の大根焚き
大原の畑で採れたお大根を不動護摩供にて加持し、大釜で炊いたものが無料で配布されるありがたい行事がありました。
初午(はつうま)の日とは二月最初に訪れる午の日で、2022年は2月11日が午の日にあたります。午の日は十二支で日付を表していった時に7番目に来る日ですね。十二支で日付を表して行くと13日目は必ず2回目の順番が回ってくるため毎年2月の1日から12日のうちの一日が初午の日となります。
初午の日は農村では五穀豊穣をお祈りするお祭りの日となりますので、その日に合わせて大根焚きが行われています。例年は、熱々の大根をその場でいただけるようですが、今年はお持ち帰りとなっていました。
おさな六地蔵
お地蔵さんはわらべ地蔵の他におさな六地蔵がいらっしゃいます。他にもたくさんのお地蔵さんに癒される寺院でした。
祈祷されたお茶 金色不動茶(しそ煎茶)
三千院の境内はクリアファイルなど、おさな地蔵グッズなども販売されています。そのお土産コーナーとは別にご祈祷された金色不動明王像(重要文化財)ゆかりのお茶も販売されています。しそ番茶・梅番茶もありました。
このしその煎茶、試飲させていただくと塩味がほのかにしていてとてもおいしいお茶でしたので、ありがたいお茶を1袋800円で購入しました。
バス停通り抜け
三千院から寂光園に行くと大原の観光メインの通りをほぼ端から端まで歩くことになり、その中頃にバス停があります。そのため、三千院(周辺観光も含む)の観光を終えたら一旦バス停の建物に戻って寂光院側の出口に通り抜けていくことになります。
大原バス停寂光院側出口すぐのカフェ
大原バス停を寂光院側の出口を出てすぐにおしゃれなカフェが有ましたが、残念ながら『保育園が休園のためお休み』との掲示がありました。その先にもランチタイムに並んでいるお店がありましたが、駅近くのお店は少なく混雑傾向でした。
お店を抜けて大原温泉に向かう道に入ります。寂光院は、バス停から約15分。大原温泉を超えた先になります。
のどかな道をただひたすら歩くのも大原観光の醍醐味かもしれません。
朧の清水
途中、朧の清水という建礼門院が泉に姿を写したという看板が立っています。歌枕として平安時代より多く読まれたようです。
建礼門院はこの先の寂光院でお祭りされています。
平家物語の舞台 寂光院
寂光院は平清盛の息女建礼門院が平家の滅亡後に仏門に入って、晩年を過ごした尼寺です。
寂光院建立は聖徳太子
寂光院の建立は平家物語よりさらに昔、推古天皇時代の聖徳太子によるもの。なんと、初代住持(じゅうじ・住職)は聖徳太子の御乳人であった玉照(たまてるひめ)だったといいます。
寂光院拝観料は600円
受付で600円の拝観料をお支払いして、石段を上がって中に入ります。
2022年1月末日まで、初音ミク千本桜とのコラボイベントがされていたようで、受付ではバスの記念乗車券も販売されていました。
平成12年の大火から再建された本堂
本堂に入るとお寺の方が寂光院の解説をしてくださいます。平成12年の大火で本堂が焼けて消失、大火の後もご本尊様は焼けおちることはなくすくっと立っておられたようです。ただ、焼けてしまったため別に安置され、本堂にはご本尊様が色・大きさ等全てそのままに再建されました。そのため、色鮮やかな姿にお参りすることができます。
建礼門院と大原女のモデル阿波内侍
御本尊様の隣には建礼門院(出家前は平徳子)平清盛の息女で、高倉天皇の中宮(妃)、安徳天皇の国母ですが、壇ノ浦の戦いで平家が負け、安徳天皇入水の後入水。平家は滅亡し、入水後も生き残った徳子は出家して建礼門院となりました。
建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないし)も本堂にお祭りされています。この阿波内侍が着ていた衣装が大原女の原型と言われています。
大原女というのは大原の『働く女性』のことで、頭に物を乗せて行商をしている女性を指します。衣装イメージは以下の寂光院前にある顔出し写真撮影用の看板がイメージをよく表していると思います。
平家物語もアニメに
寂光院の開設の際、平家物語が深夜アニメになっているとの情報もありました。日本の歴史をわかりやすく学べるのはいいですね。
平家物語の全体は軍記物語で、平家が隆盛を極めた後滅亡したところで終わらず、勝者側の源義経が源頼朝に倒されるところまで描かれています。
『盛者必衰の理を表す』ものですね。
鐘と沙羅双樹
平家物語といえば、なんといっても冒頭文。学生時代に暗記させられましたよね?
『祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。』
当時のものではありませんが、本堂の正面には、その平家物語を象徴する鐘があり、沙羅双樹が植えられています。沙羅双樹は冬ですので花の色はわかりませんが。日本での沙羅双樹は夏椿のことで、夏には白い花を咲かせるようです。
本堂の後、順路を辿っていくと庵後の石碑があります。建礼門院が平家一門の菩提を弔いながら終生を過ごした場所ですね。大きな場所ではなかったことがみてとれます。
寂光院のお隣に建礼門院の御陵
寂光院を出て元の道を戻ってすぐのところに建礼門院の御陵があります。階段をかなり登った高い部分にありますが、自由に入れるようになっていますので、寂光院の前後にお参りができます。
民宿 大原の里(味噌鍋と入浴)
寂光院から元の道を歩いて戻るとすぐの場所にある大原温泉には、大きな民宿が二つあります。
一つは大原の里、もう一つは大原山荘です。大原山荘は日帰りの受付はお休みでしたが、足湯カフェは営業しているようでした。
私は事前に大原の里 味噌鍋+入浴プランをじゃらんで予約しました。
じゃらん日帰り遊び・体験はほぼ常時に近くクーポンが配布されていますので、直接予約よりもお得に予約できることが多いです。
私の申し込んだプランは、味噌鍋のワクチン接種割引コース4100円がワクチン接種証明の提示で500円割引となって1人3600円。
2人分7200円からクーポンを使って600円引きで、2人で6600円となりました。
大原の里名物 味噌鍋とご飯のシンプルプラン
お食事場所は板の間に座布団のスタイル。席に着くと味噌鍋のお野菜とお肉が運ばれてきます。ごはんは炊飯器が置いてあり、セルフでよそいます。
味噌鍋の味変ができる6種類の味噌
味噌鍋は味が濃いため飽きずに食べることができるかは心配でしたが、6種類の味噌が置いてあります。器に入れた上に味噌鍋の出汁をかけることで、味変更ができるようになっていました。
お風呂は温泉 五右衛門風呂と露天・内湯
お風呂は五右衛門風呂と露天風呂と内湯。
ラドン含有量の多い弱アルカリ性の温泉で、お肌の角質にきく美肌の湯です。
アメニティ・タオルは事前準備を
お風呂のアメニティは、リンスインシャンプーとボディソープのみ。それ以外のアメニティは事前準備の上、訪問を。
なお、貴重品入れはお風呂になく、かなり離れたフロント前になります。アメニティ類を貴重品と一緒に預けて、脱衣所で、慌てないようにしてください(経験談)。
また、タオルはバスタオルがレンタルで110円、小さいタオルは販売です。タオルは事前準備していくのが通常なのか、「お持ちですよね?」と聞かれました。
元来た道で大原バス停に
元来た道をまた徒歩15分。大原バス停に戻ります。
国際会館行きの列と京都駅行の列に別れて並んでいますので、表示を見てから並びます。屋根はありますが、囲いのない大原バス停。気候の厳しい季節は帰りのバスの時間を確認してから観光を出発して、時間調整をして戻りたいですね。
以下、大原ご紹介とは別件となります。
本記事で「ゆきたびとん」も100記事目になりました。
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