旧三井家下鴨別邸 3F望楼特別公開時間は15分間

三井家邸宅では、元惣領家邸宅跡に建てられたHOTEL THE MITSUI KYOTO、三重県松阪にある三井家発祥の地などをこの旅行記でも取り上げてきましたが、今回は下鴨にある別邸が冬の特別公開中でしたのでご紹介します。

三井家下鴨別邸の見学・イベントは京都観光Navi

旧三井家下鴨別邸の存在を知ったのは京都市公式の『京都観光Navi』

少し前に昼食をいただけるプラン(7000円/人)があったため、いつか行こうとチェックしていましたが、3月上旬はそのプランは実施されておらず、特別公開という形で見学のみできるようになっていました。

冬の特別公開は2022年3月3日〜15日 1000円/人で1Fから3Fまでの全てが見学できます。3Fを見学するのは15分単位で人数制限があるため、京都観光Naviであらかじめ予約してから伺う方が良いかと思います。(15分あたりの入場人数は最大10名うち当日枠は4名です)。

旧三井家下鴨別邸とは?

三井家11家の共有の別荘として、総領家によって建てられた別邸です。

1949年には国に譲渡され、その後1951年からは京都家庭裁判所の所長宿舎として利用された歴史があります。

現在は、大正期以前の大規模別邸の屋敷構えが歴史的価値があるとして重要文化財に指定されています。

旧三井家下鴨別邸は出町柳駅から徒歩5分

旧三井家下鴨別邸は、京阪電鉄 出町柳駅から徒歩5分です。中の看板では7番出口が近いと書かれていましたが、5番出口が行きやすいのではないかと思います。

出町柳駅5番出口

5番出口をでて目の前にある賀茂川を渡って向かいます。

ここはまだ高野川と合流前の賀茂川で、出町柳より下流のところで、賀茂川と高野川が合流し、鴨川となります。

出町柳駅より上流の賀茂川

下鴨神社の参道への手前、左手に旧三井下鴨別邸への入り口があります。

下鴨神社参道への道

三井家下鴨別邸

春のプランの案内

入り口前には春のプランの案内が出ていて、ランチプランの他、朝食プランも3500円/人であるようです。

プラン案内

この看板の右手奥が門となっていて敷地内に入れます。受付は入って奥の建屋内となります。

旧三井下鴨別邸 門

旧三井家下鴨別邸1F

1Fは通常期でも公開しているフロアで、1Fのみの見学の場合は500円/で見学可能で予約不要です。

旧三井下鴨別邸の1Fは主に大正時代の『玄関棟』、明治時代の『主屋』(浴室は大正時代に増築)・江戸時代の『茶室』から成り立っています。

内玄関や水屋などお屋敷らしい文化を見学できます。

水屋

内玄関

坪庭

1F大広間お座敷からの庭の眺めは大正ガラス越しで

1Fの大広間からお庭を眺めるとき、お庭の良さもさることながら大正時代の技術の風合いを感じるガラス越しの眺めを堪能するのがポイント。1枚だけ割れてしまって現代のものがあるとのことでしたが、1番右のガラスでしょうか(答えは教えてくださらなかったため 写真に撮った時の反射が綺麗なので推測)。ガラスの風合いは現地に行ってからこそ感じられるもの。

大正ガラスとお庭

1Fお茶室は通常非公開貸室として利用

主屋の奥につながるお茶室は通常非公開で、貸室として利用できます。

午前中だと5300円・午後は6300円(いずれも500円/人の入館料別)とかなりリーズナブルに借りることができますが、お茶の道具などは持ち込む必要があります(お湯だけは現地で提供くださるらしいです)。

二条城前にあるHOTEL THE MITSUI KYOTOでは宿泊者限定で、13200円/人でこのお茶室(または2F)でアフタヌーンティをいただくエクスペリエンスがありました。宿泊者の方はそちらでも検討できるかと思います。

お茶室

三井家下鴨別邸主屋2F

主屋2Fは通常お食事等に利用されるお座敷と茶の間・居室です。限定公開の3Fに上がる時の荷物置き場兼待合として広間は利用されていましたが、外の縁側に出てお庭を見渡すこともできます。

茶の間

2F縁側

2F縁側から眺めるお庭

2Fのお手洗い(使用はできません)は大正時代には非常に珍しい水洗式洋式トイレ。ノリタケ製で必見とスタッフさんにおすすめされました。

2Fお手洗い

旧三井家下鴨別邸3F 『望楼』特別公開(15分間限定)

望楼とは、遠くを見渡すための物見やぐらのこと。

そのやぐらには『じゃばら』で隠された階段から上がるようになっています。

蛇腹式

上がってみると360度ガラス窓に囲まれた空間。10人まで入場可能となっていましたが5人上がるとかなり狭く感じるぐらいのコンパクトなスペースです。

3F望楼に上がったところ

外からみた方がわかりやすいと思いますが、下の写真のガラス窓の中に入っていることとなります。

望楼を外からみると

屋根の特徴

3Fからみると、建物の屋根が丸みを帯びている様子がみて取れます。この丸みのある屋根は『むくり屋根』といい、水が下に流れやすくするのとともに建物を柔らかく見せる効果があります。

このページのチケットの取り方にも書かれている京都Naviに京都の用語として『むくり屋根』が紹介されていました。

屋根の流れが直線ではなく、やや凸状にむくませてある屋根。デザイン的にも柔らかく、都ぶりの屋根と言えよう。京の町家は‘遠慮’から棟を低くするよう気くばりし、そのための工夫から生まれた。機能的には普通の屋根と変わらない。現在も中京区などの古い家並の中によく見られる

京都Navi むくり屋根解説より引用

丸みを帯びた屋根

この望楼からは大文字焼きの大の字と妙の字が見えるとのこと。大はなんとなくわかりました。

大文字焼き 大

360度景色をみる工夫

この望楼360度ガラス窓に囲われていますが、風が強い日には雨戸が必要です。雨戸を隠す場所を作ると360どの景色が損なわれるため、この望楼の雨戸は下に格納され、上に引き上げて閉める形がとられています。

望楼雨戸

お庭

お庭に出ることもできるため、池越しに建物を見ることができます。この写真を撮った場所がおすすめ撮影スポットと書かれていました。

旧三井家下鴨別邸 お庭

縁結び・夫婦和合の夫婦椋(めおとむく)

お庭から門への帰り道、樹齢250年の椋(むく)の木が寄り添ったようになっている光景をみることができます。夫婦の仲の良い象徴となるこの夫婦椋。助けあっている光景は見ていて幸せな気分となれます。

夫婦椋

夫婦椋
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