神戸の舞子の明石海峡大橋のほど近く。瀟酒な洋館がありますが、こちらはカネボウ株式会社が寄贈されたもので旧武藤山治(むとうさんじ)邸。
カフェやコンサートにも利用されていますが、入館料100円(高校生以下無料・70歳以上の方50円)をお支払いすると奥まで見学させていただけます。
旧武藤山治邸の場所は?
JR舞子駅からは徒歩6分、明石海峡大橋の見える海側に位置しています。
旧武藤山治邸とは?
明治40年に建造されたコロニアル様式の洋館。武藤山治氏が亡くなった後は、鐘紡舞子倶楽部として企業の福利厚生施設となりました。その当時は今回見学できた洋館以外に和の建築とビリヤード室もあったとのことです。
その後の平成7年、舞子の現在の場所に洋館のみが移築され、平成23年に登録有形文化財として登録されています。
武藤山治氏は、三井銀行から参加の鐘紡社に入社され、外資導入等の新たな経営手法等で会社を大きくされた方とのことでした。
カフェエリア
入館してすぐのエリアはカフェ。ここまでの入館の場合、入館料の100円は不要ですが、奥に行く場合はカフェ利用者も別途入館料がかかる旨記載がありました。すみません、カフェは利用していないため、看板とインテリアのみの写真紹介となります。
各部屋ごとの暖炉の趣の違いなど(有料見学エリア)
1F 食堂
初めに見学するのは1Fの食堂。内装が非常に豪華なお部屋です。
明治の当時の生活スタイルでは、厨房は別の建物で、厨房棟からお食事を運んでいたそうです。
当時の食堂の様子を再現しているのかと思いましたが、なぜかドル紙幣やテーブルコーディネートをした方のお名刺などがテーブルの上にありました。テーブルの上はイメージなのかと思います。
食堂の暖炉はラグジュアリー感たっぷりで重厚さも感じる素敵なものでした。
1F 広間
次は広間。ベランダに出ることもできるお部屋だった(現在はドアからは出られないようになっています)とのことで、応接室や社交場として使われていたものです。
説明にはクリスマスにはコンサート会場としても利用していたようです。
暖炉は食堂より1段落装飾を抑えた感じになっていますが、大理石の色合いがお部屋のアクセントとなっていますね。
1F 応接室
応接室はウェイティングルームとして使われたとのことです。
窓の張り出しは『ベイウィンドウ』という様式で、部屋に広がりを持たせて見せる効果をもたらすものです。
天井の中心の飾りは当時の天井を切り取って、現存のものに取り付けられたそうです。素敵なデザインですね。
1Fお手洗い
1Fでは当時のお手洗いも展示されています。当時としては画期的にモダンなデザインだったのかなという風に見えますね。
階段
素敵なステンドグラスを横にみる美しい階段。
踊り場の高い壁には高さのある絵画も飾られています。
2F 書斎
2Fにあるのは書斎。当時の絨毯を利用しているため、保護目的で入口付近以外は立ち入りが禁止されています。
この書斎の蔵書数は1,600冊。分野は政治・経済・美術等様々ですが、武藤山治氏が研究されていたナポレオンに関する蔵書が多いとのこと。
2F 貴賓室
元々奥様の千世子夫人のお部屋だったようですが、その後お客様の寝室となった場所。小さなヴェランダがついているのが特徴です。
貴賓室の暖炉は元々夫人のお部屋だったからか、柔らかい色合いで女性的なイメージがあるものですね。
2F広間(主寝室)
明治当初は主寝室として、鐘紡舞子倶楽部となってからはダンスホールとして使われていたお部屋です。
暖炉上の絵画はリンカーン、壁には中上川彦次郎氏(鐘紡が傘下に入る三井財閥の中興の祖)、武藤山治氏、朝吹英ニ氏(元鐘紡専務)の肖像画がありました。
暖炉は、夫人おお部屋と色合いは同じですが、若干装飾が強くなった感じです。
なお、中からは外に出ることができませんが、外側から見たベランダの雰囲気は外観にてご紹介します。