今回ご紹介するのは、灘五郷の東から2つ目の西宮郷、宮水の採れるお酒造りには大変重要な場所にあるカフェ2選です。
カフェに行く機会を得たのは西宮郷の白鷹さんで開催された『しぼりたて新酒を愉しむ会』。このイベント中の2時間の間に300mlの日本酒をいただくことをがわかっていたため、まずは空腹を回避してから向かおうと、前回の西宮郷巡りでは、物販のみの利用となったアンリ・シャルパンティエ工場にあるカフェへ。
酒蔵通りに面した場所にあるアンリ・シャルパンティエ酒蔵通り店
アンリ・シャルパンティエは芦屋発祥のスイーツのお店で、百貨店などでもかなり見かける有名店。阪神今津駅または西宮駅を下車後、海側に向かって歩いていける酒蔵通りに面して工場があります。
その工場に物販店舗とサロン・ド・テ(喫茶)が併設されています。
アンリ・シャルパンティエ酒蔵通り店では、工場直営店でしか食べられないメニューがある!
私は元々、アンリ・シャルパンティエの上品な甘味のスイーツが好きなので、何かの機会に百貨店等でケーキを買うこともあります。ただ、この工場直営店にわざわざ行くのには理由があって、ここでしか味わえない『工場焼き立ての焼き菓子』というものがメニューにあるということです。
座席数は絞られています。
公式HPでは座席数28席となっていましたが、座席数を絞っているのか20席程度しかないように見えました。前回午後に伺った際も満席のようでしたので、今回は万全を期して午前中、10時台に訪れました。営業時間は10時開始です。
工場直営店の限定メニュー、『工場焼き立ての焼き菓子』
座席に着く前からオーダーしたいメニューは決まっていて、『工場焼き立ての焼き菓子のセット』。
こちらは焼き菓子4個のセットだとドリンク込みで990円です。
珈琲は普通のブレンドのほか、カフェラテなども選択可能です。紅茶を選ぶとポットサービス。
目的としていただいた工場限定焼き菓子は、行った時間が早すぎたためか残念ながら当日の工場焼き上がりはまだのようで、店頭商品を温めた商品となってしまいましたので、工場訪問限定!とはいきませんでした。
ただ、オンラインショップの工場限定出荷商品では、24時間以内に発送を謳っているアンリ・シャルパンティエのこと。店頭商品も24時間以内には作られたものだと期待して、焼き立てはまた次回があった時のお楽しみにします。
とはいえ、温めたフィナンシェ・マドレーヌは美味しく、添えられているローズジャムとの相性も絶妙。ジャムはローズ以外にフレーズ(いちご)・クレモンティーヌ(柑橘類のマーマレードのようなもの)から選べます。
マドレーヌとフィナンシェの違い
ところで、マドレーヌとフィナンシェって形違いの同じものだと思っていませんか(お菓子作りをしない私は恥ずかしながら、私は思ってました)。
実は、大阪本町にあるセントレジスでお持ち帰り用ボックスの焼き菓子を買おうと思った際にマドレーヌのボックスとフィナンシェのボックスの価格が同じぐらいの大きさに見えて1000円近く違っていました。マドレーヌは以下のボックスで1970円程度、フィナンシェは3000円ぐらいしていました。(後でよくネットで調べてみると5個入りに見えていたフィナンシェは実は一袋に2個づつ入っていてマドレーヌは6個入りフィナンシェは10個入りで単価はそれほど変わらないようでしたが)
その時の『え、この2つってもしかして全く違うの!?』と思った記憶がなんとなく残り、今回マドレーヌとフィナンシェを同時にいただいたことにより、その疑問を思い出し調べてみることにしました。
フィナンシェの語源は金融家!?
形もマドレーヌは言わずとしれた貝殻の形状ですが、フィナンシェはただの四角かと思っていたのですが、フィナンシェは金塊をモチーフにしているそうですね。フィナンシェの言葉がファイナンス的なものなんて、全く思いもよらなかったのは、もしかして私だけなのでしょうか。
今回マドレーヌとフィナンシェをテーマにネット検索したところ、ホテルオークラ東京さんのHPで語源等を知り驚いた次第です。
フィナンシェ(financier)はフランス語で、「金融家」「お金持ち」を意味する言葉です。金融街で働く方々にとって縁起の良い金塊・金の延べ棒をイメージした美しい焼き色と長方形が特徴のお菓子です。また、フィナンシェの形は金融マンが背広を汚さずに片手で手軽につまめるようにパリの菓子職人が考えたといわれています。
ホテルオークラ東京HP
マドレーヌとフィナンシェは卵の使っている部分が違う
マドレーヌは、全卵を使うのに対して、フィナンシェは卵白のみを使用しているというのが最も大きい相違点。
そして、バターもマドレーヌは溶かしバターを使い、フィナンシェは焦がしバターを使います。さらには、マドレーヌはベーキングパウダーを使うのに対して、フィナンシェはアーモンドプードル(アーモンドを粉にしたもの)を利用します。
そのことによりフィナンシェの方がさっくり香ばしい感じ、マドレーヌの方がしっとりしたバターの食感の強いお菓子になるようです。
しっかり学んだことにより、次、食べ比べの機会を得た時には、よりしっかりと味と食感を比べてみたいと思います。
宮水庭園
さて、話は飛びますが、ここは西宮郷。お酒造りに欠かせない宮水が採れるところです。
初回の西宮郷見学では『宮水発祥の地』の石碑を見ましたが、今回見学したのは現在宮水を取水している宮水庭園。灘のお酒の宮水井戸と書かれたのぼりが、囲いの外にたてられています。
新酒を愉しむ会でご紹介した白鷹さん 以外にも白鹿さんや大関さんなど有名酒蔵の井戸場が集まっているのがわかります。
宮水庭園の雰囲気にあった星乃珈琲
今回、酒蔵通りを通らず、宮水庭園の横の通りを東から西に歩いて通ったところなんとも宮水庭園とマッチした趣のあるcafeを発見しました。
星乃珈琲店は、埼玉県蕨市で2011年に生まれて、今や全国にチェーンのあるハンドドリップにこだわるカフェ。
アンリシャルパンティエにすでに寄っていましたが、新酒を愉しむ会で19度の日本酒を300mlいただいた酔いを覚ましに、往路に印象に残っていたこちらのカフェにも寄り道しました。
メニューは梅田他にある、他の店舗と変わらず、ドリップ珈琲の味も苦味強めの重厚ブレンドである『彦星ブレンド』や、アメリカンタイプの『織姫ブレンド』、バランスの優れた『星乃ブレンド』などの珈琲ラインナップです。お酒の後にはしっかりとした苦味が良いかなと、彦星ブレンドを選択、そして、胃に優しくと言い訳しながらのプリン。昔ながらのプリンがいい感じですね。
なお、メニューは他店と変わりませんが、酒蔵通りにマッチした外観と同様内装も素敵。蔵を模した窓や、和風を思わせる書画を見ながらの珈琲タイムは酒蔵巡りの良い休憩になると思います。