灘五郷の御影郷、阪神御影から徒歩で行ける場所に、灘五郷酒処が2022年4月グランドオープンしました。
『灘五郷酒所』の場所はどこに
兵庫県灘五郷は神戸と大阪間阪神電鉄沿線、今津駅から大石駅までの長い区間に点在しています。そのどちらかというと神戸より阪神電鉄御影駅から600m徒歩10分かからないぐらいの場所にあります。酒蔵巡りを兼ねる場合、最も近いスポットは、白鶴さんになります。
白鶴さんを含む魚崎郷・御影郷の酒蔵巡りモデルルートの記事はこちら
元々は剣菱酒造さんの酒蔵ですので、立ち飲み屋さんサイズの建物を探すのではなく、酒蔵サイズの建物を探して下さい。
灘五郷酒所は入場時チケット購入制
灘五郷酒所は全席カウンター制ですが、席に着く前に入り口すぐのところにあるレジで初回チケット(3000円 200円×15枚綴り)と必要な場合は追加チケット(1000円 200円×5枚綴り)を購入します。
入場前の看板で方式を見ておくと戸惑いません。
チケット払い戻しの場合は現金購入を
チケットの有効期限は6ヶ月。旅行等遠くから来ていて再訪できず一部チケットの払い戻しを後ほどされる場合は、現金購入を。
席はレジで指定された所を
座席(スタンディングなので座席とはいわないかもしれませんが)は、カウンターで指定された場所に。
オーダーは座席で渡されるオーダーシートに品目別数量を書いてオーダーカウンターに持って行くスタイルです。
初心者推奨の『灘五郷酒所セット』は5郷5種の飲み比べ
こちらに初めてきたら、まず頼みたいのは『灘五郷酒所セット』(2400円)でしょう。
灘五郷(東から 今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷)の全てから1種づつの飲み比べと、マリアージュを考えられたおつまみ3種のセットです。
おつまみの食べる順番も提案されています。
1品目のおつまみに合わせるものとして3種のお酒が書かれており、2品目に1種、3品目にも1種でいただいていくスタイルです。
【おつまみ❶】じんば草ときゅうりの旨酢ジュレ和え
一品目のおつまみは酢の物(甘め)。日本酒に負けないしっかりとした甘味と旨味がついています。
じんば草というのは、漢字で書くと『神馬草』、山陰地方でよく取れるホンダワラ(海藻)です。ここで出されているのは兵庫県浜坂港のもの。浜坂港は鳥取県との県境に近い兵庫県北部にあります。旬のシーズンは『春』とのことです。
旨酢ジュレには鰹だしを聴かせているとのこと。
【❶とのマリアージュ】a.魚崎郷浜福鶴『純米大吟醸』
魚崎郷からの一杯は、浜福鶴の純米大吟醸。精米歩合は45%。中口スッキリ。兵庫県産米を使っているとのこと。
一口飲んでみて、甘みもあって美味しい!と感じました。
浜福鶴さんは南魚崎駅が最寄りで現代の酒造り工程の見学をさせていただける酒蔵さんです。シェリー酒と日本酒の融合されたお酒が美味しかったのを思い出しました。
【❶とのマリアージュ】b.沢の鶴 特選本醸造
西郷からの一杯は沢の鶴さんの特選本醸造。
本醸造とは醸造アルコールを加えたお酒です。(醸造アルコールを加えないものは純米酒、純米吟醸酒(精米歩合60%以下)、純米大吟醸酒(精米歩合50%以下)などと呼ばれます。
その醸造酒の中で、精米歩合70%以下のものを本醸造とよびます。
ふくよかな味わいが特徴となります。酢の物と合わせてふくよかさが引き立つというマリアージュでしょうか。
沢の鶴さんは、最寄り駅は大石駅に資料館のある酒蔵です。資料館物販店舗では、古酒飲み比べセットなども販売されています。
【❶とのマリアージュ】c.大関 金冠 本醸造酒
同じおつまみとのマリアージュの3杯目は大関さん旨口のスタンダードなお酒、金冠 本醸造酒です。キャッチコピーは『飲み飽きしない』。穏やかな味わいです。
大関さんがあるのは今津郷、阪急電鉄と阪神電鉄の乗り継ぎ駅である今津駅が最寄駅です。酒蔵工場見学はできませんが、甘辛の関寿庵という喫茶を兼ねた物販店舗がほど近くにあり、限定の和菓子をいただいたりお酒を購入したりできます。
【おつまみ❷】元気鶏の黒胡麻と花山椒の和物
鶏肉は淡路元気鶏。淡路元気鶏は独自資料で育てることで、地鶏におとらない味わいを持ったブランド鶏です。和物のまったり感の中に花山椒のピリリ味が効いてきます。
【おつまみ❷とのマリアージュ】白鹿 特選黒松白鹿 本醸造特別四段仕込み
まったりとした味わいに合わせるのは西宮郷の白鹿さん 特選黒松白鹿 本醸造特別四段仕込み。
通常お酒は三段仕込み。その仕込みにさらに四段目でもち米を掛け合わせて仕込んだものだそうです。
その効果はふくらみ。鶏の和物にも負けません。
白鹿さんの最寄り駅は、阪神電鉄西宮駅。阪急今津線で今津駅からも徒歩で行ける距離です。
白鹿さんには有料の酒ミュージアムがあります。
また、ミュージアムのお隣には、物販店舗とレストラン白鹿クラッシクスもあります。
【おつまみ❸】ホタルイカとアスパラガスの塩こうじオイル炒め
3品目は、ホタルイカとアスパラガスの塩こうじオイル炒め。ホタルイカはじんば草と同じく兵庫県北部の浜坂港からのもの。アスパラガスは、神戸市のお隣西宮の高田農園のものとあります。
【❸とのマリアージュ】仙介 純米吟醸おりがらみ 無濾過生酒原酒
ホタルイカとアスパラガスに合わせるのは、泉酒造さんの仙介の 純米吟醸おりがらみ 無濾過生酒原酒。
おりがらみというのは少し濁りのある状態のこと。この濁り(おり)は酵母や米の固形物です。さらに生酒とは火入れをしないという意味。おりがらみはおりを沈殿させずに残したものですが、絞りを目の荒いもので行うなどした濁り酒とは別物となります。実施されています。コクを感じるお酒です。
泉酒造さんは御影郷にありますが、蔵見学は行っていないようです(試飲、販売はあり)。
5酒のボトル
飲み比べはグラスに入って登場するため、ボトルは見えませんが、お願いすると5酒のボトル並べて下さいました。ほろ酔いのため図々しいお願いをしてしまいました…….が、快く対応して下さり、しかもきちんと飲み順に並べて下さいました。ありがとうございます。
全部飲み終えて感じたのは、この灘五郷酒所セットは甘党でも初心者でも非常に飲みやすい種類が選定されているということ。初回に頼むのにはぴったりです
追加オーダー 『乾き物』と『剣菱酒造のこうじを使った甘酒パンナコッタ』
オーダーの中で最後のチケット調整に役立ちそうなチケット1枚(200円)の商品は『乾き物』になります。
ぐい呑み一杯の少なめの量ですが、5種の日本酒を飲むのに食べ物が足りなくなった場合、とっても役立ちました。(一品目のおつまみが3杯飲むという比率だったため)。
パンナコッタは2枚のチケット(400円)。このお店は剣菱酒造さんの元酒蔵ですが、その剣菱酒造さんのこうじを使った甘酒ソースでいただくスイーツです。日本酒でほろ酔いになった気分にスイーツの幸せ。
来てよかったなあと思わせる逸品です。
単品では26蔵の灘の酒を選定可能
日本酒通の方には単品で26蔵の灘の酒をオーダーできます。お値段はチケット2枚や4枚、6枚(1200円)というものも。
剣菱酒造飲み比べはチケット3枚(600円)とお得な感じです。ソフトドリンクでは菊正宗さんの大吟醸de 甘酒 濃いめ チケット3枚(600円)も気になります。
セットにつけるオプションや、セットなしでの単品おつまみとして利用できる単品お食事メニューには唐揚げなどお腹に貯まるものもあります。
26蔵の掲示は壁にも
壁には26蔵のリストが掲示されています。
さすが灘五郷、メジャーな酒蔵も多いですね。s
写真は大阪に近い東から神戸に近い西への順に並べています。