灘五郷の中では、東から2番目に位置する『西宮郷』は神戸市ではなく西宮市ですが、灘繋がりで神戸来訪時に訪問される方もいらっしゃると思い、神戸探訪もナンバリングいたします。また、宿泊地として六甲アイランドも近いため神戸ベイ・シェラトン宿泊時の観光ポイントとしてもおすすめです。
また、本モデルルートは甘党女性が巡ったもの。辛口日本酒ファンの方とは若干感想が異なっているかもしれませんが、ご容赦下さい。
西宮郷3時間半モデルルート紹介
西宮郷に他にも酒蔵がありますので、あくまでにサンプルのルートとなりますが、今回は昼食込みの約3時間半コースです。
- (出発駅)阪神電車今津駅
- ①日本盛 酒蔵通り煉瓦館
- ②白鷹禄水苑(昼食 竹葉亭)
- ③白鹿クラッシクス(外観のみ)
- ④白鹿酒蔵館・ミュージアム
- (立ち寄り)アンリ・シャルパンティエ工場
- ⑤宮水発祥の地
- (立ち寄り)西宮神社
- (帰着地)阪神電車鉄西宮駅
阪神電鉄今津駅から酒蔵通りへ出て神戸方面へ
阪神電車を下車すると、酒蔵とは遠いイメージのパチンコ屋さんが多数あり、駅間違えたかと不安に思いますが、問題はありません。
後は真っ直ぐ今津西線を海へ向かって、酒蔵通りの標識が出るまで歩きます。
酒蔵通りに当たったら右(神戸方面)に進みます。
反対方向(大阪方面)進むと今津郷に行くことができます。

西宮郷酒蔵巡り❶ 日本盛酒蔵通り煉瓦館
日本盛酒蔵通り煉瓦館は新しくおしゃれな建物。レストラン、ガラス工芸館、売店が入っており、売店で試飲もできるとのこと。(ただ、伺った日は健康診断会場として館内が利用されていおり、入館できましたが人でいっぱいで写真撮影のみで退散となりました。)灘の酒一升瓶ミニチュアコレクションのガチャガチャなどもあったりします。
レストランはランチメニュー 鰤大根御膳1800円ぐらいから3000円ぐらいのものがランチ中心価格帯にみえました。完全予約制ではなさそうでした。
西宮郷酒蔵巡り❷白鷹禄水苑
鰻料理 東京竹葉亭で昼食を
予約不要で入れた鰻の名店 東京竹葉亭。屋号に東京とついた店で名古屋名物の『ひつまぶし』を灘でいただくという地域性が多様すぎるメニューをいただきました。さすがの竹葉亭さんふっくらした絶品の鰻を薬味で楽しんだ後、お出汁をかけていただき大満足でした。茶碗蒸しはオプションでつけることができました。
鰻丼はより肉厚でふっくらしています。
昼食価格はこのお店ではかなり安い方だと思いますが、ひつまぶしの桃(安い方)と鰻丼楓(真ん中のランク)茶碗蒸しをつけて、2人で1万円弱でした。
お酒は後に備えて飲まずにおき、見学後に後述する蔵BARで。
白鷹禄水苑 暮らしの展示室の見学
白鷹禄水苑では、蔵元の生活の様子を伝えるべく、江戸の末から昭和初期の赴きある設えを展示されており、無料で拝見することができました。1月のためお正月の様子も展示されていました。HPでは結納の設えとありましたので、時期によって変わるのかもしれません。
2回部分には実際の暮らしの用具なども見学できます。
灘酒の伝統文化 白鷹集古館の見学
そして、昔お酒作りの用具類も拝見できます(無料)。
本当に無料で拝見していいのでしょうかという充実した展示です。
お酒造りの順を追った工程をミニチュアで一目で見ることができます。
2階展示室には酒器。伊勢神宮に御料酒も拝見できます。また宮水の説明や、白鷹のお酒が掲載された漫画『美味しんぼ』や藤本義一さんの書籍なども展示されています。
見学の後は酒蔵巡りの醍醐味『蔵BAR』でゆったりと。
充実の蔵見学の後は蔵BARという着席型のBARで一杯。(キャッシュオン式の試飲コーナーも別途あり)
※2022年1月現在、土日のみ開業とのこと。
ここでしか飲めない生酒飲み比べなどもあり、心惹かれつつ、せっかくなので良い極上のお酒を選択でいただきました。大吟醸 極上白鷹(500円)と十年大古吟 山碧水明(さんぺきすいめい:900円)をいただきます。素敵な器に入って出していただけるのですが、別にボトルも見せて下さいます。私は日本酒に加え、大吟醸を練り込んだキャラメル付きの珈琲もいただきました。
喫茶があることで、車を運転してくれる人と一緒でも楽しめるのが、良いと思います。また、甘党女性としては、キャラメル付珈琲と聞くだけで幸福感が出てきます。
私も和食の後のデザート+珈琲という気分でただいたのですが、珈琲をいただいた後やっぱり日本酒が飲みたくなって飲んでしまったのでした。
珈琲の後の日本酒の順はもちろんダメな順番で、両方飲むなら日本酒が先ですよね。ここは『酒の本拠地 灘五郷』、日本酒の誘惑があることはわかっていたはずなのに。
十年大吟醸はまろやかで、時間をおいてもまろやかな風味が残っている感じ。甘口日本酒好きな私にも美味しさが伝わってきたので、飲みやすいお味でしょう。極上白鷹はグラスのイメージもあると思いますが、十年大吟醸より少し凛としていて、でもまろやかさもある雰囲気です
珈琲についていた大吟醸キャラメルは甘さ控えめで大人でも楽しめる生キャラメル。まったりした食感と珈琲がベストマッチしていると感じました。単体より珈琲と合わせる方が何倍も美味しく感じると思います。
ここは酒蔵、繊細な味を取り扱っているところで出されるおやつが美味しくないはずがない。甘党女性の酒蔵巡りには珈琲+おやつもルートに組み入れたいところです。
満腹状態でなければ、昼飲みセット(3酒のおつまみ付き:1000円)なども心惹かれるメニューでした。
西宮郷を訪れる時に、こちらに寄るときっと思い出がグレードアップすることと思います
西宮郷酒蔵巡り❸:白鹿クラッシクス
白鷹さんから白鹿さんに移動。途中に私が趣味でいつも検索している一休レストランサイトで、何度も見かけた白鹿クラッシクスを発見。お腹が空いていれば行きたかったのですが、今回は断念。名残惜しく写真のみ撮影して次の機会に活かしたいと思います。
西宮郷酒蔵巡り❹:白鹿記念酒造博物館
2022年1月から3月はアニメコラボイベント
いつか白鹿クラッシクスでお食事しようとなごり惜しく感じつつ、白鹿さんに移動。西宮郷の入り口、日本盛の煉瓦館で、2022年1月16日までの第一弾と2022年1月29日から3月6日第二弾で『この素晴らしい世界に祝福を×酒ミュージアム』イベントを実施しているという案内を見つけての訪問です。(第一弾と第二弾は同じ内容とのことでした。)
タイトルのみ聞いたことがあるというレベルの『この素晴らしい世界に祝福を』ですが、小説家になろうサイトからライトノベルとして発売となり、アニメ化、映画化された作品だそうです。アニメでのシーン解説も展示の中にあったので、日本酒の製造が取り上げられている作品何でしょうか。コラボイベントを見て後先になりますが、興味がわきます。
イベント入場券は1000円、一般入場券は500円で白鹿さんの酒造館と記念館の2箇所に入れます。2人で行って1人だけイベント参加、1人は普通入場というパターンでも入れました。イベント参加者はコラボパンフレットがいただける他、中でクイズスタンプラリーに参加できます。イベント参加の場合は先に酒造館でスタンプラリーを完了させてから、記念館に向かってその受付でクリア報酬をいただく形です。
また、イベント参加者のみアプリDLして、館内で声優さんが灘のお酒造りを紹介してくれる音声を楽しめます。アプリはAR認識により現地の案内板前でしか聞けないようになっていました。
普通チケットとイベントチケット
写真撮影自由な酒造館でお酒造りの工程を学ぶ
酒造館では、お酒造りの全工程にわたって展示物があります。展示物が大きく、工程の全容は把握しにくいと思いますが、実はイベントパンフレットが大活躍。お酒造りの工程番号と展示レイアウトが対比で確認できるようになっています。(著作権の問題があるため撮影は控えさせていただきますが)
お酒造りの工程は以下の通り。写真は工程の抜粋となります。
- ①洗米、浸漬(しんせき)
- ②蒸米
- ③放冷
- ④こうじ造り
- ⑤酛(もと;酒母のこと)造り
- ⑥仕込み
- ⑦しぼり
- ⑧おり引き
- ⑨火入れ
- ⑩貯蔵後、樽詰め出荷
記念館は美術品展示や白鹿が世界に広がる流れの説明が
記念館に移ると、巨大な酒林がお出迎えしてくれます。酒林は元々新酒の完成を知らせるものだったそうで、その後は年間を通じて酒蔵に飾られるようになったとか。
中は企画展で1月は恵比寿さんが。
その他、西宮近辺の桜の写真や、酒からSAKEへとお酒の国際化について解説されていました。
酒蔵巡りの途中にお茶菓子を?アンリ・シャルパンティエ
酒蔵巡りをする方は甘いもの苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、甘いものに目がない私には、西宮郷の酒蔵通り沿いにあるアンリ・シャルパンティエの工場の大きな建物にに目が釘付け。デパ地下で購入するスイーツで大好きなブランドです。
カフェとショップが併設されていましたが、カフェは先ほど珈琲を酒BARでいただいたばかり。ショップを覗くとチョコレート好きにはたまらないショコラアソートという商品があったため迷わず購入しました。
西宮郷酒蔵巡り❺:宮水発祥の地
酒蔵巡りの仕上げは宮水発祥の地見学。
今回、酒蔵巡りでは展示品や説明で何度も登場する宮水。
宮水は灘五郷の酒造りに使われる特別な仕込み水とのことで、豊富に含まれるリンとカリウムが、酵母の働きを促進するためお酒造りに適した水だそうです。
戎伏流水・札場筋伏流水・法安寺伏流水という3つの地下水が合流して形成されている宮水は、西宮市の、ごく限られた地域でしか採水することができません。
引用元:白鹿記念酒造博物館 クイズラリー解説シート
この貴重な水。宮水のは沢の鶴さんでも使われているようで、駅に向かう途中に沢の鶴さんの宮水井戸もありました。
阪神西宮に戻る前に十日戎で有名な西宮神社に
せっかく阪神西宮に来たのならばと、十日戎の福男選びで有名な西宮神社に寄って帰りました。今年は順位付けはされませんが、2020年1月まではテレビで良く拝見した福男選びのスタート地点。全力で走っている姿を見た石造りのカーブ地点等観光気分で楽しみました。
ゴール地点は阪神電車 西宮駅
その後今津駅を出発してから約9000歩。ゴール地点は阪神西宮駅となりました。
駅構内にも西宮郷掲示が。西宮郷には、また違う酒蔵や、同じ酒蔵でも季節ごとにイベントが多くあるようですので、またリピートもしてみたいと思いました。
西宮郷より神戸側、御影郷・魚崎郷を巡るモデルルートは【灘五郷❷】をご参照願います。