名古屋港水族館のチケットを事前購入しようとした際に、単館チケットと、4施設共通チケットのいずれにしようかと悩む方もいらっしゃると思います。今回、4施設共通券で全施設を回ってみた様子をレポートします。タイムリミットがあったため、それに合わせて所要時間3時間半で巡りましたが、初訪問では若干時間不足。あと1時間程度余裕があったほうがよかったかなと思います。
名古屋港4施設を巡る共通チケットは日付指定の事前購入で
名古屋港水族館のチケット販売所は非常に混み合うため、チケットは事前購入で。アソビューから購入してから訪問しました。
名古屋港水族館の規定で2023年6月現在ではチケットは日付指定となっていました(予約後キャンセルは可能)。
チケット費用について4館共通券は大人2,440円・小中学生1,210円です。水族館のみだと大人2,030円で差額は310円。水族館以外の施設は単独券が300円で販売されているため、水族館以外に2館以上巡られる場合は共通券がお得になります。
事前購入の場合は、まずチケット売り場には寄らず、名古屋港水族館に入館する改札で、他施設の入館券を受け取ってから巡ります。他の施設を先または途中に巡る場合は、手に再入館スタンプを押してから退館する必要があります。
4施設とも地下鉄名古屋港水族館から徒歩で訪問可能 今回の訪問ルート
スタートとゴールはいずれも地下鉄の名古屋港駅。車の場合は、ガーデンふ頭駐車場が30分100円で停車でき、24時間上限が1,000円との記載がありましたので、1箇所に停めたまま徒歩で巡るのがおすすめかと思います。
名古屋港水族館のスケジュールに合わせて巡る
4館を巡る順番に最も影響があるのは名古屋港水族館のイベントスケジュールとなると思います。名古屋港水族館の公式HPで確認するか、水族館の入口に置かれているスケジュールをいただいてプログラムの空き時間などを調べてから巡ります。名古屋港水族館のみ再入館が可能となるため、目当てのプログラムまで90分ぐらい空きがあるなあと思ったら他の施設を巡ってから戻るという作戦も可能です。
(休日はイベントスケジュールが充実しすぎていて、空き時間どころか水族館館内でも時間バッティングがあって、中々参加プログラム決められないのですが)
【1施設目】名古屋港水族館(所要時間2時間半程度)
1施設目の名古屋港水族館については、別記事名古屋港水族館訪問記にて詳述しておりますのでご参照ください。
所要時間は参加するプログラム数にもよりますが、私の場合3プログラムに参加して2時間半程度でした。
北館と南館に分かれていて、北館はスタジアムを中心としたプログラム体験・南館はグレートバリアリーフや、南極の海の展示とマイワシトルネードやペンギン関係のプログラムなどが楽しめます。
名古屋港水族館の南館(駅から遠い方)の出口から出ると、全長180mのポートブリッジが対岸の施設に繋がっていて、他施設への近道となっています。
【2施設目】名古屋港ポートビル展望台(所要時間5分〜)
ポートブリッジの対岸に見えている白い建物は名古屋港ポートビル。地上53mの高さにある最上階に展望台が設けられています。
中には椅子が置かれていて周囲をぐるっと見渡せるようになっています。
施設としてはシンプルに展望台ですので所要時間は5分程度からでも楽しめます。
米粒サイズですが、レゴランドなども見渡せます。詳しくみていきたい場合は、有料のテレビ望遠鏡なども設置されています。
あとは自由に着られる船長服体験コーナーが設置されています。
【3施設目】名古屋海洋博物館(所要時間20分〜)
3施設目の名古屋海洋博物館は、展望台と同じビル内ですので、エレベータで1Fに下りずに立ち寄ることが可能です。名古屋海洋博物館の所要時間を20分としているのはかなり駆け足でざっとみて回った場合の時間。実際にはシミュレーションを体験したりすると30分から45分ぐらいが適切かなと思います。
3F 現代の名古屋港
入ってすぐには国際貿易港である名古屋港の役割展示がされています。
愛知といえば自動車産業。自動車輸送についても詳しく説明されています。
名古屋港に入港する船を操縦するシミュレータもありました。1グループ1名までとの表示がありましたが、体験中の方はいらっしゃいましたが、並んではいませんでした。
そのお隣には、船の操舵室の機器があり、船長服体験コーナーもありました。海に向かっているので操縦気分の写真が撮影できるところなのだと思います。
4F 大航海時代
4Fは時代を遡って『大航海時代』に関する展示です。帆船模型や、帆船がさらされた天候状況の様子、船内模型などが中心となっています。
ペーパークラフト
名古屋海洋博物館では、かなりペーパークラフトおお土産を推しているようで、綺麗に作られた完成品も数多く見ることができました。
ペーパークラフトはなんと1部100円!というお安さで、ペーパークラフトの入る大きさのエコバックも300円!お手頃なお土産になりますね。
南極観測船 ふじ(所要時間30分〜)
名古屋港水族館からポートブリッジで対岸に向かう際に左側に見えるオレンジ色の船が南極観測船ふじです。実際の船の設備をじっくり見ていくには理想的な所要時間は1時間程度だと思いますが、急ぎ足で30分程度で回りました。
南極観測船といえば、映画 南極物語。1950年代のお話で、第一次南極観測越冬隊員とともに南極に渡った樺太犬が、天候・輸送事情で南極においておかれざるを得なくなります。その後、1年後越冬隊員が戻った際にそのうちの2頭が生きていた!という実話に基づいた映画です。
そのテーマ音楽は、南極を取り扱った映像や展示などでどこでも使われているので、映画をみていなくても南極=南極物語をイメージされる方は多いのではないかと思います。
第一次観測隊員が乗って行った船は、宗谷。そして、この展示されている南極観測船 ふじはその後継船となり、1965年から18年間活躍した日本初の本格砕氷船です。
ふじは本物の南極観測船 その乗船証明書
ふじは本物の南極観測船ですので、このミュージアムに入場すると、通しナンバー付きの乗船証明書がもらえます。
船内設備の見学 食堂・厨房・医務室・理容室など
厨房と食堂
船で南極に向かうには、約1か月半。長い期間を海の上で過ごすには、食べることは最重要ポイントの一つですよね。揺れる船内で、食器が落ちるのを防ぐストッパーなどのある食堂設備を見学できます。
大切なお水は、飲料水だけが真水で浴用は海水だったそうです。
観測船そのもののため通路はかなり細くなっていてバリアフリーとは無縁ですが、その通路を通って船内の各施設の中をガラス扉から覗き、設けられたマネキンなどをみて、当時の船内風景を学ぶ方式でした。
厨房は料理人の方が複数名いて、本格的な設備があったことがうかがえます。
医務室
医務室では実際盲腸の手術が行われたそうです。揺れそうで怖いですね。
理容室
理容室には、お馴染みのサインポールが。いわゆる本物の散髪屋さんではなくて、乗船員の中で手先の器用な人(それは素人さん…では?)が切っていたとか。そのカットの出来栄えは….『虎刈り』という表現が使われていたようですが、解説版には『にわか床屋さんですが、腕は確かです』と書かれていました。
居室 士官・観測隊員・一般の差が…
士官寝室
全部で17室ある士官寝室は、個人別の机と2段ベッド。原則2人部屋とのことです。窓はないので閉塞感は若干感じますが、客船の2等部屋のようなイメージです。
先任海曹寝室
10名向けの専任海曹寝室(下士官の中で主だった方向け)は3段ベッドになります。お部屋専用の浴室も奥には設置されています。
観測隊員室
全部で18室あった観測隊員の方向けの船室。2名部屋又は4名部屋の2段ベットで、居住スペースは専任海曹寝室よりプライベート感はありますが、浴室設備は個室内にはなかったようです。可愛らしい人形は、何かご家族と関係するのか、観測隊員さんの無事を願う心を感じます。
一般居住区
そして、驚くのは一般居住区。なんとベッドが空間につるされていて、隣との隙間もわずか。そして落下防止のベルトをつけて眠るというなんともハードな毎日が容易に想像できました。
落書きの後もいくつか展示されていましたが、『人生 楽あれば苦もまた多し』という落書きが、45度傾くこともあるベッドの上で書かれています。でも昭和世代の男性陣。一際強い志をお持ちだったのかなと推測します。
落書きの伏せている部分にはお名前らしきものが書かれていました。
甲板付近 南極の博物館
甲板付近のフロアに南極の博物館となっているお部屋があり、そこでは、迫力のある南極の映像を体感できたり、船の模型を見たり、オーロラ観測などについて知ることができます。
驚いたのは機材が不十分な時のオーロラの観察が、手書きでじっしされていたところ。刻々と変わるオーロラを手書きで観察するとなると大変な作業だったのではないかと思います。
この雪上車を運びだすための10tクレーンも実際甲板に出ると見ることができます。
甲板 ヘリコプター
船が進む道の偵察をしたり輸送をしたりするヘリコプター。実際にふじには3機搭載されていたそうです。
ブリッジ
ブリッジは、船の操縦だけではなく、司令室の役割を持つお部屋です。そのため、レーダー等機器類が数多く設置されています。