コーヒーベルトと聞くとは南米コロンビアなどを想像して、とんでもなく遠いところのように感じますが、なんと『沖縄』やんばるにコーヒーを栽培されているコーヒー園があり、収穫から焙煎・ドリップまでの流れを体験できるコースがありますので参加してみました。
このコーヒー園訪問前の予習は、兵庫県 神戸市にあるUCCコーヒー博物館で。記事に概ね一連の情報を記載していますので、コーヒーがどのようにできているかをご存知ない方はご一読ください。
予約は意外とお手軽 じゃらん遊び・体験で
この体験について知ったのは、じゃらん遊び・体験で沖縄中のアクティビティを調べていた時のこと。年末年始休暇のため参加できる日は限定的でしたが、無事申し込めました。
私は収穫からコーヒーを作るところまで2時間半(8500円)のプランを申し込みましたが、雨天による別日振替で2時間半の所要時間が取れず、農園散策と少しの収穫の後は、乾燥を終えた豆からの焙煎とショートカットしたため今回ご紹介する内容は、山間を散策+焙煎の2時間(6500円)の内容に近いものとなっています。
あらかじめご了承ください。
結果的には山間を散策した時にコーヒー豆を齧る体験もできたし、実から豆を取り出すのも1粒・2粒で来たため散策と焙煎のコースで十分だったかも??と少し感じましたが。
中山コーヒー園の場所は?
沖縄本当で那覇空港からは1時間半ほど離れた、やんばると言われる地域の山の中です。美ら海水族館にはかなり近い場所となっています。
もっと近いのは名護パイナップルパークやそのお隣のOKINAWAフルーツフラワーパーク。車で15分ほどの距離です。
カーナビと付近にある小さな看板をみて注意深く行く必要があるほど最後は細い道となります。

早めについてハーブ園を鑑賞
早めについたため、ハーブ園を鑑賞させていただきました。コーヒー農園の散策に行かずにハーブ園の鑑賞と焙煎のみのコースなどもあります。
そして、そのハーブ園の前にはすでにコーヒーの木が。まずはじっくり鑑賞しました。(収穫する木はもっと高台にあります)
コーヒーの木(エントランス付近)
少し上から見るとジャングル??のようにも見える場所に。
こういった『もさっ』としたいったら表現が悪いですが、なんといって良いかという木があって、近づくと。
このような感じでコーヒーの実がなっています。
ここまでは自由散策。これからがプログラムの開始となります。
農園散策
本格的なコーヒーの実収穫のため、農園を案内のもと進みます。
コーヒー以外にも植物の鑑賞ができたります。
まず初めに聞いたエピソードは「シークアーサーってどういう意味が知っていますか。」でした。
『シー』は酸で酸っぱいもの『クアーサー』は食わすの意味。酸っぱいもの食わす!ある意味そのままの言葉なのでした。
そして、この農園でよく見かけるヒカゲヘゴは日陰を好むのではなく、日陰を作るからヒカゲヘゴと言われているとのこと。ものによっては高さ15mになるものもある背の高さも名前に関連しているのだなと思いながら聞きました。
また、この散策は、コーヒー農園に関するお話も聞ける貴重な機会となります。
このコーヒー農園ができたのは2013年。10周年となりますが、当初想定したより沖縄でのコーヒー栽培は厳しいとのこと。
コーヒー豆の収穫は通常11月下旬から4月下旬に行われるそうですが、2022年は長雨による日照不足で、熟すのは遅くなっている模様です。
そういった、日照不足以外に、寒波という課題もあり、7℃から8℃まで気温が落ちると葉っぱが全部なくなってしまったりもするそう。
また通常コーヒーベルトと言われる赤道を中心として南北緯度25度(那覇市で北緯26度ぐらい)のゾーンは雨季・乾季がくっきりしていて、コーヒーの実は一斉になって一斉に収穫ができるようですが、沖縄は暖かいとはいえ、日本の四季のある場所。
コーヒー豆は一斉にできるのではなく、順次赤く染まっていくという特徴もあるとのことでした。
2,000本あるコーヒーの木から当初取れると想定してた2tほどのコーヒー豆は予想通りとはいかず……。
と、ご苦労なさったお話を聞きながら、旅行客としてはだからこそ観光農園としてコーヒー文化に力を入れてくださっている様子にありがたみを感じます。
栽培されているコーヒーの種類と収穫
この中山農園では10種類以上のコーヒーの種類を試行しながら植えられているようですが、現在収穫まで順調に確立できているのは、1つはインドネシアの『ティピタ』。もうひとつはブラジルの『ムンドヌーボー』。あたらしい世界という夢のある名前をもつ品種です。
コーヒーは白い花を咲かせたあと、実をつけ緑色の実が赤く色づいたら収穫の時期となります。
野鳥は、コーヒーの実は食べないとため、被害がないようです。実が少ないコーヒーは、柑橘農家の多いこの地域では野鳥にとって魅力にかけるとのこと。
野鳥は美味しさを知らないかもしれないだけで、実はコーヒーの実の糖度は20度もあります。
コーヒー農園では、収穫した実(コーヒーチェリーと言います)をそのまま試食できます。甘い実の中に2粒もコーヒー豆。時折1粒のものもあるとか。
コーヒー一杯を作るには、プラスチックカップ1杯分を収穫する必要があります。沖縄のコーヒーは一斉に赤くなっているわけではないため、選りすぐって赤い実を見つけ収穫していくのは時間がかかりそうです。(今回私は所要時間事情により10粒程度の収穫でリタイアしています。)
なお、収穫用の畑以外のところで取れる別品種『イエローブルボン』も試食させていただきました。カップに入っているものの黄色い実がそれ。実は黄色い方が、甘くて糖度は25度あります。
焙煎
コーヒの実を収穫し、中の豆を取り出したら乾燥させます。※ここ、ショートカットしましたので情報がありません。
まずテーブルにつくと、コーヒーチェリーから作った甘酸っぱさの残るチェリーティーがいただけるため一息つきます。コーヒー豆ではなくその外側の実から作るため、コーヒーらしい苦味は全くありません。
利用する豆は、ブラジルのムンドヌーボーです。約20gのコーヒー豆。これは乾燥後、焙煎することで酸味から苦味に変わります。重さも軽くなるため現在の重さを覚えておきます。
昨今焙煎は機械でおおなうのが主流ですが、今回は体験のため手で焙煎していきます。
焙煎はムラにならないよう、ゆっくりめに揺すりながら火にかけていきます。今回目指すのはシティーロースト。浅すぎず、深すぎずの焙煎具合となります。
焙煎具合についての記事は兵庫県Rencaさんでの焙煎体験記事をご参照願います。
初めて5分ぐらいでパチパチと爆ぜてきます。これが1ハゼ。パチパチの段階でやめるとかなりの浅煎りのコーヒー(酸味が優先されて苦味が少ない傾向)となります。
目指すべきシティローストはそのパチパチ状態からさらに煎ります。
そうするとパチパチと爆ぜてた音が、チリチリという音に変わります。これが2ハゼ。この2ハゼが進んだ段階で終えるとシティーローストという程よい苦味のコーヒーになります。
この辺りの状況はスタッフさんがよく見てくださっていて、ちょうど良いタイミングを教えてくれます。
焙煎を終えるとザルにあけて、ザルの下からうちわであおぎ、覚ますのと共に不要なものを吹き飛ばして起きます。焦げすぎた豆などは手で取り除きます。
その後はミルに入れて挽き粉に。
焙煎して挽くまでの作業で20gだった乾燥豆は16gのコーヒーに変わりました。
その後はペーパーフィルターを使ってゆっくりとコーヒーを落としていきます。
ポイントは蒸らした後、均一のペースでのの時を描くように、お湯を注いで行くところです。
16gに対して180ccのお湯を注ぐのが適量となります。
落としたコーヒーは透明の耐熱グラスに入れていただきます。私は日頃ブラックコーヒーは飲まないのですが、こちらは酸味がある程度ある浅さでブラックでも美味しくいただけました。
コーヒーと合わせるふんわりチーズケーキもいただけます。
その後、最後の最後にコーヒーの葉っぱから淹れた香り高いリーフティーを。これでコーヒーの実、豆、葉っぱと丸ごとコーヒーをいただき尽くした形となりました。