さて、高級ホテルに宿泊した際のお楽しみといえば館内アートツアーです。なんとなく見ているホテルの光景の背景を知ることによって意味が見えてきて滞在中目を留めることも多くなります。
リッツカールトン日光の宿泊者限定無料アクティビティ予約
アートツアーは、リッツカールトン日光の宿泊者限定無料アクティビティーです。
リッツカールトン日光では無料アクティビティをテーブルチェック(直接予約サイト)で事前予約することが可能です。
有料アクティビティはコンシェルジュに予約メール等が必要です。
館内アートツアーは、45分間、館内のロビー・レストランのアートを見て廻ります。少人数制のツアーですが、プライベートではないため他のグループの方と一緒に見て回る可能性はあります。
同時間帯に、お子様方参加の宝探し的アクティビティが行われており、館内は楽しそうな笑い声で満ちています。
『このライトの上に猿ってアーティスティック』などと思ったものは実は宝探しの猿だったりしますので、不用意な発言はできませんが。
これなんだろう?と思っていたオブジェの謎が解けるものもありますので、是非参加をお勧めします。
レストランのアート
洋食レストランレイクハウス
まずはホテル内洋食レストランレイクハウスのアート案内です。
レイクハウスは、中禅寺湖の畔、ボートハウスのイメージの内装です。
ライトの内側には魚が描かれていて、そのライトに向かって伸びる少し曲がった棒状のもの。それが、釣竿を意味しています。
そして、壁の模様はロープワークを示しています。
中禅寺湖はフライフィッシングの聖地と言われているそうで、この夏も沢山の釣り人が訪れており、難関であるが故の聖地ですので1匹も釣れない方も多くいらっしゃるとか。
その中禅寺湖ですが、入り口前に大きな点描画のようなもので描かれています。
この点描画近くで見るとその点が実は?釣具の浮きです。
しかもその内一本は黄金色の浮き。この一本の黄金の浮きはリッツカールトン日光の場所を指しています。レイクハウスに行かれた方はこのリッツカールトン日光の浮き探してみるのも楽しいかもしれません。
日本食レストラン
次に案内されるのは日本食レストラン。ここはアプローチが秀逸です。
このアプローチの透かし飾りは鹿沼組子。釘を使わずに立体的に模様を組み上げる手法の工芸品です。
鹿沼組子、木工のように見えますが、実は金属。金属である理由はリッツカールトンのイメージと組子を融合させるものとしてあえての素材選択とのことでした。
このアプローチのテーマは光と影。アートツアーに参加している日中より、夜の方が、そのテーマが際立ちます。天井まで浮かび上がる光と影の演出を楽しめます。日本食レストランの受付はこのアプローチの奥を曲がったところ。もし夕食予約をしていなかったとしてもいきなり『いらっしゃいませ』とは言われませんので、宿泊の際は是非夜のアプローチ見てみてください。
(この写真は、アートツアーのご説明の際にAirDropでいただいたものです。)
このアプローチの角にあるのは益子焼き。土の質感を活かしているのが特徴で、流しかけと言われる釉薬をそのまま流して垂らした紋様がこの壺の特徴です。
そして、このアプローチの先にある受付の絵画は、あえて左側に余白を入れた絵となります。
この絵の左側にアプローチがあり、この矢印の方向でレストランに入ってきます。そのため、入ってきた時には華やかな絵をみてお食事への期待を高め、レストランから出る(矢印の反対方向に進む)時には余白のある絵画を見てお食事の余韻を楽しむという趣向です。
また、この墨の濃淡、表と裏から墨を入れることでできているという繊細な作品。素通りしてしまうには勿体無い大作ですね。
そして素晴らしい天井紋様と屋外の景色を楽しめる日本食レストランの中へ。
この内装の壁は日光彫りです。日光彫りはひっかき刀という、先端がかぎ状に曲がった彫刻刀を使って彫られています。
また、この壁の彫刻は近づくとかなり立体的で手の込んだ作品であることが分かりますので、是非お近くで見てみてください。
ロビーの作品
ロビーのなかで最も大きな作品は『鳴厳』(めいげん)という絵です。水墨画ではなく、岩絵具を使った日本画です。
この作品の画家さんはまだ20代でノースフェイスとのコラボ作品等も出されている方の作品だとのことです。リッツカールトン日光のアート作家の中で最も若い方の作品となります。
この壮大な作は実際中禅寺湖の周囲を一周回ってみて、自然は優しいばかりでなく厳しい面もあるということを感じた上で感じたままを表した作品だとのことです。
ずっと眺めていると龍のようにも見える部分がありますが、全てが抽象画、自然のイメージとのことです。
写真ではわかりにくいですが、近づいて見ると岩絵具ならではの凹凸を見ることができます。
もう一点ロビーで目立つ作品はこちら。台座を含めてアート作品なのですが、ふとした隙にこの台座に座ってしまったり荷物が置かれたりしてしまうとのことですので、訪問者も注意が必要な作品です。
この作品は波の門という作品で、赤一色に見えますが、実際には赤の下地にさまざまな色の上から赤を塗っている作品です。その赤の中に見えるのはいくつかの縦線ですが、この縦線、心の『琴線』を表しているとのこと。非常に繊細な作品ですね。
そして、ロビーの角には2箇所。アイアン製の作品が飾られています。本来、盆栽を飾ろうとされていた場所に盆栽ではなく、緑のないアート作品が飾られているのは、このホテルが緑に囲まれた場所にあるから。緑が被らないように配慮されて、緑でない作品が飾られているとのこと。
入り口のオブジェは何?
さて、アートツアーの途中に立ち寄るのは、リッツカールトン日光を訪れた方が最初にであう入り口のオブジェ。下手したら、物置?ベンチ?などと間違えられる可能性もあるものがこちら。
オープンすぐの頃の宿泊記のいくつかにもこれ何?として出てくることが多い作品です。
切り株のようにも思えるこの作品。実は男体山。
栃木県で2番目に高く、リッツカールトン日光の客室カテゴリーにも男体山ビューがあるほどの立派な山です。
緑に囲まれた男体山を見ても気付きませんが、立派な活火山であり、その本質を描いた作品がこの『活火山の男体山』という作品です。
活火山の男体山が噴火することで水が堰き止められたのが、中禅寺湖の始まりとのことで、『始まり』を表すこの作品が、リッツカールトン 日光滞在の始まりの場所に置かれるようになったとのことでした。
男体山を描く同じ作家の作品は、あと2箇所あり、2つ目はレセプション前の作品です。この作品は静かな男体山。
最後の一つは、大浴場前にあるこの作品で『現在の男体山』を表しているものです。
大浴場前の作品は割と小さめですので、あまり記憶に残らない方も多くいらっしゃるとか。大浴場の前を通った時には忘れず見てくださいとのご案内を受けましたので、是非。