日光東照宮の猿の彫刻というと、『見ざる聞かざる言わざる』の三猿ねと思い込んでいましたが、実はこの三猿の彫刻は、猿の生涯を描く彫刻の極一部です。
巫女さんの案内の元巡った日光東照宮将軍着座の間ツアー。
そこで説明いただいた内容をご紹介します。
1.誕生 母と子
猿が描かれているのは、神厩舎。その正面左端が最初の彫刻。始まりは赤ちゃんの猿がお母さんの近くに。愛情たっぷりな様子です。

2.見ざる・聞かざる・言わざる
次が、『見ざる・聞かざる・言わざる』の三猿です。
この言葉を聞くと熟年夫婦の上手い過ごし方のように思いますが、誕生からすぐ。子猿たちが不要なものを見たり聞いたり言ったりせず、健やかに成長するようにという意味ともいわれています(これはネット情報 正誤の程は不明です)。
3.将来への不安
この彫刻は左から右に時間軸が流れています。その先の時間、将来を見ながら悩んでいる様子の猿は将来を不安に思っています。
4.ステップアップ
次の猿を見る前に、まず神厩舎正面全体像を見てみましょう。
赤ラインにて示した通り、猿の彫刻は向かって左3つと右2つの高さが変わります。
そして、その左3つ目は将来を不安に思っていましたが、その先4つ目は一段高いところにあります。
成長してステップアップした猿が4つ目となっています。
5.人生の曲がり角
そして、人生順風満帆の隣は?
建物の角、に位置している彫刻は、人生の曲がり角を表しています。
その人生の曲がり角よりそってくれているのは『友』です。
6.恋
建物を曲がった先(人生の曲がり角の後)に続きがあります。
挫折の後は恋。
7.夫婦に
そして、恋をした2匹はその後夫婦になります。
恋と夫婦の違いは、『荒波』。青い部分が荒波をしめし、その波を夫婦揃うことで乗り越えて行きます。
8.妊娠
8枚目最後の1枚は妊婦猿です。この8枚目が新厩舎向かって右側の壁の最後にあります。この後、背面、左側には猿の彫刻はありませんので、8枚目でできた赤ちゃんが正面左端の母と子に続く、永遠に周り続ける猿の生涯となっているのです。

将軍着座の間ツアーの詳細は別記事に
この猿の説明他、日光東照宮の見どころを巫女さんに案内いただいた後、非公開エリアにて特別祈祷を受けられるツアーについてのご紹介は別記事にてご紹介させて頂いておりますので、そちらもご参照願います。