京都で美味しいお店は多々ありますが、利便性やコスパも考慮した時に素晴らしい!と思えるお店探しは大変。一品一品丁寧に考えられて作られたのが伝わるこだわりのお料理で、いただきながら次季節を変えて訪れるならいつかなとリピートを考えてしまうほど素敵なお店でした。
料理屋 自在の予約は一休レストランで
今回のお店探しの条件は、阪急京都線の烏丸か河原町からの利便性が良いこと。かつ、一休レストランの評価が高くて(コメントも読んでみて)いところ。
その中で目に止まったのが、こちらのお店です。
ランチは5,500円でワンドリンク付き、全7品のコース一つです。(夜は8,200円)
烏丸・河原町・烏丸御池の3駅からアクセス可能な立地
料理屋自在の場所は、阪急京都線烏丸駅から700m約9分ですが、阪急線からの出発口がほぼ河原町駅との間。なお、最寄駅は京都地下鉄 烏丸線と東西線がクロスする烏丸御池となり徒歩6分です。
路地に入っていく楽しみを
そして、付近まで歩いて向かったらまず路地にある小さな看板が、見つかりました。路地の中にあるお店に向かうことが『通』っぽくて楽しくなります。
そして、その看板のある細い道を進むと。エントランスには白い暖簾が見えました。
鉄板焼き屋さんで1Fにはカウンターが8席。2階にはテーブル席が4つあり、満席の盛況ぶりでした。これからお料理をご紹介しますが、かなり手がかけられているので、鉄板の前でなくテーブル席でもコース料理として充分に楽しめます。ただ、階段は昔ながらの建物のため、かなり細くて登るのは大変。足の悪い方はカウンター席の方が良さそうです。
昔ながらの建物にお洒落なライトと、素敵なインテリアです。
コースについているワンドリンクはメニューから好きなものを
コースについているワンドリンクは、メニューから好きなものをと案内いただきました。
夫はいつもながらのビール一番搾り(680円)なのですが、私は『スパイス香る』と『自家製』というメニューに惹かれてサングリア(750円)を。
そしてソフトドリンク欄の季節の果実(600円)というのが、宮崎県の『へべす』で味はレモンと酢橘の間のようなと説明を受けたのが気になって後程追加オーダーしました。季節の果実はシロップになっていて水割りでもソーダ割でも選択できるそうです。
『日本酒やワインはお客様のお好みをお伝えください』とメニューにあります。新しい自分好みを発見できるかもしれませんね。
お料理7品コースの凝った全様
ガストロバック戻り鰹・ビーツ・シャインマスカット
1品目はまだ暑さの残る9月。涼しげな器にシャインマスカットが見えるもの。
このお店の素敵なところは、テーブル席でもきっちりお料理の説明をした上で配膳して下さること。
ここで解説して下さったのは『ガストロバック』。圧をかけるのではなく、圧を抜くことで、戻り鰹にしっかり出し汁を染み込ませているのだとか。
鰹をいただくのにシャインマスカットという複雑な前菜がこれからのコースを期待させてくれました。
スモークした秋鮭のフラン 梨・いくら
次はフラン。冷製の茶碗蒸しで二層構造になっているそう。下の層が鮭ベースの具材がなんと梨。上が梨ベースで具材がいくら。そして、このいくらは自家製の醤油に漬け込んでいるそうです。
説明を聞いていても全く頭の中で味の組み合わせが想像できませんでしたが、いただいてみると。複雑な食感や塩味と甘味などの絡まり方が絶妙でした。
南瓜のデグリネゾン
次のお料理は南瓜のデグリネゾン。聞き慣れないお料理名だなあと思っていると解説していただけました。セグリネゾンというのは、一つの食材を複数の調理方法をしたお料理を一つのお皿の上に盛り付けたもの。
このお皿に乗っているものは3種全てに南瓜が使われています。
1番下のペースト状のものはいかにも南瓜という感じですが、品種にはバターナッツといういかにも甘党の心をくすぐる品種が使われています。
真ん中はクレープ、中には南瓜とマスカルポーネの餡が包まれています。
1番上のパリパリ食感のものにも南瓜の種が使われています。
金目鯛・秋茄子・松茸
キラキラとした包みが盛り付けられたお皿は金目鯛。見えている部分のソースは秋茄子のソース。そして、粒々に見えるものも秋茄子でオーブンで焼き粒マスタードと和えられています。
キラキラの包みは開けるとふわああああっと松茸の香りが漂います。フィルムは香りを閉じ込める役割でした。松茸はお魚のお出汁に浮かんでいて、この香り漂うお出汁に、金目鯛をつけていただくと絶品という趣向です。
黒毛和牛リブロース鉄板グリルステーキ季節野菜と
そしてメインは長崎県産の黒毛和牛をグリルステーキに。鉄板焼き屋さんらしいメインです。
付け合わせは白茄子とレンコン、インカの目覚め。お塩は2種類あって、ハーブソルトとカレーソルト。このカレーソルトをお野菜に合わせていただくと良いとのアドバイスが。
山葵も一手間かけたブレンドでお肉と合わせるとまろやかピリリと効く感じでした。
焼きリゾット イベリコ豚チョリソー・きのこ・鶏がらスープ
お腹がいっぱいでも食べたくなるご飯ものは一口サイズが嬉しい焼きリゾット。カリッカリの焼き具合が焼きおにぎり風になっています。
ポルチーニ茸とチョリソーの上にパセリのソース。
くずしながら、おこげ部分を堪能します。
ドルチェ 季節のソルベ・とうもろこしのチーズケーキ・栗のカタラーナ
ドルチェの季節のソルベがまた風変わり。桃と自家製コーラのソルベなんだとか。サングリアもお醤油もコーラも自家製とは、手間暇惜しまないお料理なのでしょうね。
右下の色の薄い方がとうもろこしのチーズケーキ、栗のカタラーナです。
カタラーナってどんなものだったかなあと、夫に聞かれた私は『ブリュレみたいなもの』と答えてふと。じゃあブリュレとカタラーナは何が違うのか疑問になりました。
ネット情報によると、ブリュレは生クリームベースでコーンスターチなし、カタラーナは牛乳ベースでコーンスターチあり(でんぷん)なのだとか。
コース写真を並べて見ていてもやっぱり、ここはフレンチか和食のどちらかと考えそうになってしまいますが、鉄板焼き屋さん。素材に嘘をつけない鉄板焼きとお店のコンセプトでみましたが、素材に嘘はついてないけれども素材からの想像を良い方向に裏切られる楽しみのあるレストランでした。