京都梅小路公園は公園自体が緑豊かですが、その中でも静かなときを過ごせる有料庭園があります(紅葉時期は混んでいるのかもしれませんが、冬の9時にはすれ違った方は全行程散策で2組のみでした)。
朱雀(すざく)の庭・いのちの森の行き方
朱雀の庭・いのちの森があるのは、京都駅から一駅梅小路京都西駅に隣接している梅小路公園。駅の改札を出て左、梅小路公園の中の広い歩道を改札を出たままの方向に向いて進みます。(ただの道なりですね。)
そうすると、レストランかなというような建物が出てきますが、レストラン・貸切ルームと有料庭園で門は共通です。
門はレストラン・貸し会場と共通

その門を入っていくと立派な建物『緑の館』が。この中に朱雀の庭(中でいのちの森には繋がっています)の入り口があります。
朱雀の庭のいのちの森とセットで入場料は200円
少し入ってもいいのだろうかと戸惑うほどの立派な階段を登って中にはいると、券売機があり、そこで200円をお支払いしてチケットを購入し、中に入ります。(朝9時に伺うと無人入り口で、買ったチケットはボックスに入れるように書かれていました。)
🔸朱雀の庭・いのちの森以外にも梅小路の過ごし方はあります。関連記事はこちら
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朱雀の庭は平安からの作庭技術を集結したお庭
朱雀の庭は、平安遷都1200年を記念して作られたお庭です。
庭造りには色々な技術要素がありますが、その技術を集結して作った『平成の庭』が朱雀の庭だとのこと。
なぜ朱雀の庭というのか
なぜ朱雀の庭なのだろうという答えはパンフレットにもHPにも書いていないため推測ですが、平安時代朱雀門から羅生門までの間を幅82mの広さで貫いたという朱雀通り上にあるからかなと思っています。
朱雀門と羅生門を現代のGoogleMapで見るとこちらです。ちょうど梅小路公園を貫いていますよね。
正解を知っている方がもしいらっしゃったらコメントで教えていただければ幸いです。
水鏡と緑の館
このお庭には水鏡という作庭の技術が使われていて、黒の御影石の上に1cmだけ水って周囲の景色を映り込ませているとのこと。冬なので枯れ木ではきちんと撮れず、建物のところも同じ技術かなと思い、撮影。紅葉だと綺麗に水に映り込むと思います。
水にも映っているこの建物は緑の館。1Fにはレストラン・サロン、2Fには茶室と和室があり、茶室・和室は一般の人でも借りて利用することができるよう単価設定されています。
滝
朱雀の庭には、庭の中にあるには最大級6mの滝が設けられています。
滝から落ちた水はそのあと下段に向けて美しい角度で流れ落ちるようになっています。
野筋(のすじ)
野筋とは、野原を作ように土を盛り上げて小さな丘を築き、その間に曲線を描くように水を流す庭の用語です。平安時代貴族たちが好んだ意匠でした。
朱雀の庭では、下の写真右手部分に上の写真の丘の部分があり、この野筋の様子を眺めながら、曲線を描く土の路を歩くほのぼの散策ができます。
いのちの森
いのちの森へは朱雀の庭の入り口から見て奥側に連絡口があります。
ビオトープって何?
ビオトープはバイオトープとも良い、「ビオ=生命」の「トープ=場所」。
都市の整備・開発時に生物・植物が都会の中でも住めるように特定の場所を保全・復元するという概念でできた場所となります。
そのため、害虫駆除や剪定も必要最小限にとどめて自然に配慮し、訪問者もその空間に配慮して静かに足を踏み入れるようにすることが大切です。
いのちの森ができるまで
いのちの森がビオトープとしてできるまでの経緯はいのちの森内に説明文が掲示されていました。構想から3年、都市部に自然な場所を復元するのは色々な課題があったのだろうなと想像させる説明文です。
1993年、JR貨物駅跡地の梅小路公園への整備計画が開始されるにあたり、京都本来の自然のが再生し、昆虫や野鳥など多様な生き物たちが飛び交う空間であるビオトープとして公園の中心部が整備されることになりました。整備計画が進められていた当時、このような都市中心部でまとまった生物の生息空間が復元された所はありませんでした。そこで、植物や昆虫、鳥類や緑地政策の専門家によって構成される京都ビオトープ研究会が発足し、生物が主役となる空間づくり、自然再生の目標や方法について検討が重ねられました。そして、3年後の1996年6月、いのちの森が開園しました。
いのちの森の中の説明文より
いのちの森の散策通路
いのちの森は散策通路で一周回れるようになっています。入り口となる場所から段差をのぼると真っ直ぐな通路が伸びていて、森の中に入り込んでいく感じですね。
途中には田んぼエリアなどもありました。
完成から25年、遊歩道を歩いていてもここが元貨物ヤードだという雰囲気は皆無で、またすぐ表には鉄道博物館やホテルなどがあるエリアだという空気も中では全く感じませんでした。
200円でこの静かな散策時間を味わえるとはありがたいことです。