福岡の西鉄が運行する観光列車 ザ レイルキッチン チクゴ(THE RAIL KICHEN CHIKUGO)、福岡天神駅10時10分出発12時30分帰着の往復、アーリーランチコースに乗車しました。
予約は公式サイト連携の西鉄旅行HPで
予約はザ レイルキッチン チクゴのホームページから連携する西鉄旅行の予約HPから。日帰り旅行ツアーとしての扱いで申し込みをします。
2023年11月時点では午前出発で福岡天神駅出発帰着のアーリーランチコースと福岡天神から柳川・大牟田に向かうレイトランチコースの2種類がありました(いずれも大人 11,800円/人)
福岡天神駅出発・帰着コース
コースは地下鉄の天神駅とも繋がっている福岡天神駅を出発して久留米市にある花畑駅まで乗車、駅で30分程度の停車時間の後、復路を運行する2時間20分程度のコースです。
メールが乗車券替わり ホーム前に集合
ザレールキッチンチクゴをインターネット予約すると『本メールが乗車券となります』という旨記載されたメールが到着します。
有人改札でメールを見せて通り抜けホームの前の巨大ディスプレイ前に集合して、座席番号券(後に車内回収)を受け取ります。その後案内があってからホームに進む形で乗車です(発車時刻の13分前でした)。

ザレイルキッチンチクゴの外装・内装・静かな走行
福岡天神駅は都市部中心地にある乗降客の非常に多い駅でした。一本前の一般電車から降りてこられた方がホームを出た後、ガラガラになったホームにザレイルキッチンチクゴが入線します。ザレイルキッチンは3両編成の上、2両目はキッチンですので、乗降客は非常に少なく、写真撮影もしやすい環境です。行き先表示欄には『hello』の文字が。
テーブルクロスをイメージさせるチェック柄の可愛らしい車体に窓もメルヘン仕様。
扉もレストランの扉を思わせる趣向です。
扉から乗車すると、カジュアルで綺麗な内装、完全なレストラン仕様の客室が迎えてくれました。
電車らしいところといえば椅子の足下。白い部分が見えていると思いますが、椅子は完全固定、動かないようになっています。とはいえ、この車両の走行、驚くほど静かに揺れが少なく走り、お食事にぴったりの環境を提供してくれる列車なのです。
ウェルカムドリンクと地元日本酒飲み比べ・白い梅酒
ドリンクはコースの初めにあまおうプレミアムスパークリングワインがついていて、その後は有料オーダー制です。
1杯目ノンアルコール希望の方は紅茶スパークリングも選択可能でした。お隣の方はノンアルをオーダーされていましたが、グラスの大きさは同じで薄いブラウンの飲み物が提供されているようでした。
追加ドリンクは1人1杯のみの場合は単品オーダーとなりますが、2杯1,700円、3杯2,500円のセットオーダーも可能です。飲み比べも1杯扱いでセットオーダーできるようですのでお得ですね。
日本酒飲み比べは、2種類ありましたが、おそらく通年提供と思われる『沿線編』(1,100円)をオーダーしました。
アーリーランチコースでは行き着けないのですが、西鉄で花畑駅の更に先に向かう大川・大牟田・八女の地域で造られた日本酒3種が飲み比べできるセットです。
続いても福岡県三井郡の酒蔵さん『みいの寿』の白い梅酒(980円)です。日本酒で造った梅酒と乳酸菌飲料の出合いから生まれたと解説にあります。ほんのり酸味の甘い梅酒をソーダ割でオーダーしました。(ソーダ割がおすすめとのことでした)
ザレイルキッチンチクゴのアーリーランチコース食事
ザレイルキッチンチクゴのコースは複数のシェフが監修されたお料理の組み合わせで提供されています。
一皿目は、3名のシェフが2つづつ監修されたという6種類の前菜。
各お料理の入っている箇詳しい説明が記載されているのも楽しめます。
前菜をいただいた後、往路最後のお食事は白身魚のカルピオーネ。焼き茄子といちじくのサラダの上に載っています。カルピオーネとはお魚の名前で、北イタリアの南蛮漬けというお料理の名前でもあるよう。さっくさくの衣での提供が、『列車内キッチン』の特徴を良く表していてとても美味しい一皿。
さて、ここからは花畑駅停車時から復路に向けた提供。まず出てくるのはお肉料理に合わせたパン。
そしてメインはフォアグラハンバーグとポーチドエッグ・黒トリュフソースです。本格仕様で上品かつ濃厚な味が素敵です。
デザートのは石橋想園のりんごクルミクランブルとキャラメルアイスです。石橋想園さんは福岡県のうきは市にある農園のお名前です。
クランブルというのは、イギリス発祥のバター・小麦粉などで作られたポロポロ溢れる記事を指します。食感もほろ苦さが少しあるところも良くて、残りわずかな乗車時間が名残惜しくなるお皿です。
車窓と西鉄のドクターイエロー!?
さて、観光列車というと海の絶景や、渓谷にかかる橋というような情景を想像すると思いますが、ザレイルキッチンチクゴはもっと日常に近い情景。
スタート地点ではビルやマンション街を走っています。面白みがないんじゃないかと思うかもしれませんが、マンションの窓から歓迎の旗を振ってくださっている方を見て非常に楽しい気分になったりできます。運行曜日は毎日ではありませんが、決まった時間に同じコースを走行する列車ゆえの歓迎のされ方が素敵ですね。
途中のたこ焼き屋さんは、毎回大歓迎してくださっているようで、通過前に車掌さんが窓の外に注目できるよう車内アナウンスを流してくれます。
そして、見どころの一つは車庫。新幹線のドクターイエローは有名ですが、西鉄のドクターイエローと言われている黄色い保全車両の横を通りすぎながら見ることができます。
その西鉄のドクターイエローの横を通りすぎながら、中に何やら機材がありそうというところまで見ることができます。
なお、都会風の景色ばかりでなく牧歌的な風景も少しありました。
が、個人的には芸能人の方の出身地と名前だけ伺っていた久留米がこんなビルが多くあるところだということに驚いてしまいました。(勝手に牧歌的な情景を思い描いていましたが、全然違ったという発見が今回の個人的見どころでした。)
地元密着車内アナウンスと地元文化
このような日常に近い情景を見ながらも、観光の非日常を味わえるのは車内アナウンスが、日常乗る電車とは全く異なるところ。
車窓に見えるたこ焼き屋さんの案内のほか、乗務員の方々の衣服に取り入れられている久留米がすりの解説や、今回向かうことのできない先の柳川付近への誘導など(車掌さんの出身地だったりする)往復路とも楽しい話題が豊富なアナウンスです。
車掌さんの記念切符入れと袖にあしらわれた久留米がすり
花畑駅停車時間は30分(ただし集合時間は早め)
アーリーランチコースは福岡天神駅出発で花畑駅折り返し運転ですが、その花畑駅では、30分の停車時間があります。ただ、お食事の関係上30分丸々は外に出ることはできず、15分から20分ぐらいの停車といったところでしょうか。
駅名から、またまた勝手に無人駅と広がる緑の光景を想像していましたが、花畑駅は、都会風の駅でした。
天神駅での出発時間にゆっくり車内外の写真が撮れなかった方の撮影用停車が目的となりそうです。
記念乗車券と切符きり体験
降車時間が近づくと車掌さんが車内を回って記念乗車券を配布してくださいます。その際、往年の切符切り鋏で日付欄に印をつける体験もできるようになっています。
お土産グッズ
お土産は、お食事途中にサンプルを持ってオーダーを聞きに回って下さって、飲み物料金等とともに最後に清算する形です。
購入すると車体のデザインを模した紙袋に入れたものを受け取れます。キーホルダーは700円、クリアファイルは300円でした。