『和田金さん』という名前を初めて聞いたのは、まだ子どもの頃だったと思います(いつか大人になったらねという教わり方だったと)。いつかお伊勢参りの後に和田金に寄れるような大人になりたいと思っていた憧れのすき焼きの名店に初めて訪問しました。
和田金の場所は?
和田金は、松阪を知っている方には、説明不要では?と思うほどの松阪牛の名店。もはや代名詞といっても良いのでは?という有名店です。
そのため、所在地はもちろん三重県 松阪!です。
近鉄とJR共通の改札をもつ松阪駅で下車、徒歩で500m、7分ほどかけて向かいます。近くには大きな専用駐車場もありました。
建物はホテル風のビル
和田金の建物は、宿泊施設でも入っているのかと思うほど立派。でも、この中はお食事個室ばかりが沢山入っています。
写真を撮る方も多いのでしょう。スマホ(カメラ)を構えた瞬間に玄関前に立っておられた方が気づいてさっとカメラの死角に入られました。
靴を脱いで上がる玄関の装飾もホテルロビーを思わせます。
快適テーブル個室(事前リクエスト)
電話予約の際、あらかじめテーブルでの座席をリクエストしていたため、その通り和室に用意いただいていたのは快適そうなテーブル+椅子でした。
中央に置かれた上質な炭。
この上に後程熱々の炭を乗せてすき焼きをいただくようになっています。
比較対象としてお座敷・座布団のお部屋も拝見させていただきました。この赤くて丸いテーブルが『和田金さんらしい!』象徴的なもののようです。
が、テーブル席がやはり楽…。という方は事前リクエストをお忘れなく。
日本酒飲み比べ
飲み物は夫はいつもながらのビール(アサヒプレミアム熟撰 中瓶 980円)ですが、和田金訪問の高揚した気分で見るとゴールドのラベルが一段と輝いているような(子どもの頃からの願いがやっと叶った嬉しさでただの妄言です….すみません)。
社用利用も多いと思われる和田金だけあってビールは4大メーカー揃っています。
私は『和田金で醸し出す三美酒の世界』(1,800円)という名前の美しい飲み比べのセットメニューを。
左が、地酒三重の大吟醸『鉾杉』、中央が大阪の 生原酒『秋鹿』、右が福島の大吟醸『黒龍』です。
甘党としての好みは『鉾杉』が1番でした。かなり甘味を感じる大吟醸でした。
すき焼きコース
予約していたメニューは、すき焼きコース梅(サービス料込み12,900円/人 飲み物を含めサービス料が10%加算あり)。単品のすき焼き9,200円+セットメニュー3,700円の内訳とのこと。
まずは、かはり炙り焼き。ローストビーフのようなものから始まります。
その後は、蓋をしたお椀が。
「15秒待ってからどうぞ?」とのこと。「どういうこと?」と言いながら蓋を開けてみると。
レアが美味しそうな牛肉のおすましです。写真を撮っている時間に茹であがってしまいそう。
お次は和田金三種盛。左から季節のゼリー寄せ、中央はきのこのムース。
今年の干支、うさぎの器には牛肉そぼろが入っています。
そして、いよいよすき焼きに。和田金のすきやきの始まりは、明治11年(なんと145年前!)からと伝統のあるもの。
自社牧場で飼育されているという牛の、出産をしていない雌の仔牛のみを厳選されているというこだわりのお肉とのことです。
すき焼きと聞いて想像するペラペラのお肉ではなく、少し厚みのある切り方をされているのも特徴です。
こちらのすき焼きは、上げ膳据え膳。サービス用のテーブルには、すき焼きのお鍋とそんなに?と思う量のお砂糖、溜まり醤油、昆布出汁、玉子が乗っています。玉子まで割ってから提供されるサービスぶりです。
鍋で一度に焼けるお肉は2枚。伺ったところ4人席でも1回に2枚を2回焼いて提供される方式で、鍋の大きさは変わらないということです。炭焼きに最適に計算されたお鍋なのでしょうね。
関西風とのことでお肉の上に砂糖をそのまま(対比:関東風は割下で煮込む方式)。
その上から溜まり醤油を。
そうしてさらに昆布出汁を
お肉は最高の焼き加減のタイミングで、玉子が準備された器に『届けられ』ます!この最高タイミングの『お届け』こそすき焼きサービスの真骨頂かと。
次はお野菜。お皿の上にあっても綺麗なお野菜の横に置かれた和田金焼き印付きのものはお麩とのことでした。
お鍋の上に置かれても芸術的に綺麗です。『和田金さんさすが!』と思うところは、お野菜を追加されたり、お皿に移したり、している時も常に鍋の中も綺麗に見えるようにされているところです。食べ残り感を一度も感じない鍋って凄いなあ!と感動しきりです。
そうしてお野菜の終盤前に2枚目のお肉が焼いて届けられます。
お肉をいただいた後はしめのごはん。シンプルに香の物と合わせていただくと、お肉でまったりした後にピッタリのシンプルさが最高です。
その後は、お品書きにはありませんでしたが。網でお餅を焼いて下さいました。伺ったのは1月中旬ですので、お正月系のサービスかもしれません。
ぷっくり焼けたお餅は添えられたあんこで。
そして最後は、静岡県産天使音(あまね)メロン。こぼれ落ちた果汁一口すら『甘さが凄まじい』と思うほどの高い糖度のメロンです。香りも非常に強い素晴らしいブレンドメロンでした。最後まで、やっぱり『和田金さん凄い!』と思わせる体験となりました。