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ブリティッシュヒルズ訪問記① マナーハウスツアーで中世英国を学ぶ 花男ロケ地も (2022年8月情報:福島県)

福島にブリティッシュヒルズがあるという情報は数年前何かで目にしていたが、関西人の私には遠すぎて記憶のどこかにしまわれていました。

この度、福島空港周辺情報を調べたところ、その記憶もあって絶対に行きたい!と再調査。宿泊施設は満室でしたが、日帰りで日本語対応の『マナーハウスツアー』があるということがわかり、即予約して訪問しました。ランチも予約したかったのですが、お盆時期は学生さんで貸切のようで、予約のいらないアスコットティールームのアフタヌーンティをランチがわりにすることに。

ブリティッシュヒルズ訪問記は 本記事『マナーハウスツアー』と②のアスコットティールームとショップ情報の2部構成となります。

ブリティッシュヒルズとはどんな施設?

さて、この前の文書、福島県内のお話なのになぜあえて『日本語対応の』と表記しているの?と思った方もいらっしゃると思います。

ブリティッシュ・ヒルズは、1994年に神田外語学院さんが、学生さんに英語漬けで英国文化(時代は中世)も学べる施設として設立されたものです。

建物は荘園領主の館(マナーハウス)を再現した建物を中心に、宿泊棟やティールームなどが並びますが、どれも建築資材をできるだけ英国から取り寄せた本格英国様式。英国の一つの街(ダウントンアビーを見ていた方ならわかるかもしれませんが、ダウントンの村一つ再現のようなイメージ)が、7万3000坪もの敷地に広がっています。

ブリティッシュヒルズ全体図

パスポートのいらない英国の入り口

ブリティッシュヒルズ内 マナーハウス外観

宿泊棟の外観(このような建物がいくつも)

その後、一般に開放はされたものの施設内の公用語は英語。学生さん以外の宿泊者や見学者には、日本語対応の見学ツアーや、一部日本語対応もしてくださるようですが、研修に来られた学生さんには日本人スタッフさんも頑として日本語を話さないようにされているとのこと。

そのため、日本語で詳しくマナーハウスの解説の聞ける有料ツアーは非常にありがたい存在です。

ブリティッシュヒルズの場所と場所選定の理由は?

ブリティッシュヒルズは、福島空港から1時間ぐらい、近くて大きめのホテルはエクシブ那須白河ロッジで、そこからでも山道を曲がりくねって40分ぐらいの道のり。

※エクシブ那須白河からの距離を入れているのは、ブリティッシュヒルズは中世英国を再現しているためエアコンがなかったり、テレビもBBCかNHK英語放送のみだったり…、宿泊利便性でいうと敢えての不便さがあるため、宿泊は無理かもと思う大人の方のための情報です。

途中の山道は本当に曲がりくねって険しい道のり、そして霧も出やすい場所….。

霧の出やすい気象条件などが、スコットランド地方に近いものとしてあえてこの1,000m以上の山の上に施設を造られたとのことですので、厳しい道のりも文化の一つと捉えないといけませんね。(車の速度制限は40kmが続きますので、距離からのみ推測せず、時間に余裕を持って訪問をすることをお勧めします。)

マナーハウスツアー

マナーハウスツアーは、日本語対応のものと英語対応のものがありますが、ブリティッシュヒルズの入場料(200円・200円分の金券付)以外に600円が必要です。事前予約は、公式サイトをご確認の上、メールまたは電話予約となります。

マナーハウスの2Fについては、宿泊者か先生の引率を受けた学生さん以外はこのマナーハウスツアー参加者しか入れません。通常入場のみですと1Fのみの見学となります。

マナーハウスのフロア図面

お支払いは当日マナーハウス内にあるレセプションで実施します。

マナーハウス正面を入ったところがレセプション

そして、そのレセプションからツアーは始まります。


マナーハウスレセプション

このレセプション、左手には大きなデスクがあってホテル・ツアー等の受付となっています。そして、ツアーの中に入り込むと、このレセプションは執事がお客様をお出迎えする玄関ロビーということに。

このレセプションの役割は、執事がいらっしゃったお客様をその奥に通すべきかどうか判断する場所という役割をかねています。不快のないようにお断りするという手腕も執事には必要なものでした。

また、レセプションは来訪者にお屋敷の所有者の権力を示す場所でもあります。

レセプション

レセプションデスク(執事のデスクイメージ)

ウェッジウッド社の豪奢な天井飾りの中央に吊るされたシャンデリア。電気がなく、50本もの蝋燭でシャンデリアに灯りをともしていた時代。『1日に何度も蝋燭メンテナンスが必要なシャンデリアを維持できること』。その面倒具合こそが使用人さんにも不自由していない豪華な暮らしぶりをアピールする効果をもつものでした。

シャンデリア

実際に稼働する暖炉、その上には湖水地方をイメージする絵画がかけられています。

暖炉

階段

そして階段前を守っているのは小さなドラゴンです。

階段をまもるドラゴン

階段の奥にはステンドグラス。このステンドグラスが日中逆光の影響なく綺麗に撮るには、マナーハウスツアーの参加時に踊り場か2階から撮るしかないそう。そういう意味でもツアーはおすすめです!とのことでした。

ステンドグラス

2F:アッパーホール

2Fアッパーホールも広々と豪奢な作り。天井飾りのモチーフはウェディングケーキです。

手前に飾られているのは、踏むのではなく鑑賞するための絨毯。そして真ん中の円形の絨毯は、この空間の中で最も高額な絨毯。裏にも模様が織り込まれていて、4人の技術者が同じペースで作り上げていく必要があるものです。出来上がるまで4年希少なものだと思いますが、絨毯は踏まれることで鮮やかさを増す。と言われており、ツアー参加者は踏んで感触を確かめることもできます。

2Fアッパーホール

円形絨毯

裏にも模様

このアッパーホールに飾られた木製の額縁彫刻ですが、1枚を除き全て1枚の板を彫ってできているものとなります。

1枚の板から彫られた彫刻

その1枚を除くの1枚はこの下の絵で、1枚板でない理由が彫刻の中の扉が開け閉めできるから。凝った作りですね。

扉の開け閉めができる彫刻

2F:クイーンズルーム

次は、クイーンズルーム(女主人のお部屋)に移動です。

入り口にはHer Majesty(女王陛下への呼びかけの意味)の表記が。

Her Majetyの表記が

クイーンズルームは女性の部屋らしく、ピンクを基調とした色合い。

クイーンズルームベッド

家具の脚元に注目すると玉子を掴む水鳥の脚を模しています。これは、子孫繁栄の祈りを意味するもの。貴族は血筋が最重要ですね。

脚元は玉子をつかむ鳥の脚

ベッドの向かいにはリビング。お風呂も個室がついています。

ベッド向かいリビング

お風呂

化粧道具

2F:キングスルーム 

そのクイーンズルームと繋がっていそうで、実は2枚扉で双方鍵をかけて往来を拒否できるお部屋。それがキングスルーム(主人の部屋)です。

主人のお部屋ではありますが、このマナーハウスで最も格式の高いお部屋。主人より高位の貴族や王族が滞在する際は、このキングスルームを客間として提供し利用してもらいます。

ソファーはこのマナーハウス内で最もふかふか。実際に座ることもできます、

リビングスペース

ソファ

なお、このお部屋に置かれているチェスは英国軍と相手型はフランス軍を表しており、キングはナポレオンを表しています。

チェス

そして、寝室。これだけの立派なお部屋さぞかしフッカフカの大きなベッドが、と思いきやベッドは小さい。なんと、長さは160cmしかありません。

(上に乗っているクマはカナダ製ですのでイメージで置かれているだけです)

主人のベッド

主人のベッドが小さい理由は、中世は安定した世の中ではないため、重要人物である主人は熟睡せず、いつでも起き上がれるように枕をいくつも重ねて深めに腰をかけたような状態で眠ったためとのこと。

繊細で重厚な家具に囲まれても、そんな生活は……。今の日本の一般人生活のありがたみをひしひしと感じる理由でした。

2F:ポートレートギャラリー

ポートレートギャラリーは元は運動用の廊下。ウォーキングで運動不足を解消するものだったのですが、その後、絵を飾って楽しむように。絵画を鑑賞するための椅子も設置されるようになりました。

このブリティッシュヒルズのポートレートギャラリーにはエリザベス女王陛下や日本の皇族の方の絵画が飾られています。

ポートレートギャラリー

2F:ライブラリー 花男ロケ地も

ブリティッシュヒルズのマナーハウスは、2005年放送のドラマ。花より男子のロケ地でもあるようで、ライブラリーはその主人公の超々セレブ道明寺司(松本潤さん主演)の自宅という設定でした。

ということを、子どもが「道明寺」と呟きながら歩いていたのを見て思い出しました。いやいや、お子さん放送当時は赤ちゃんじゃないの??と思いながらも、思い出させてくれてありがとうという気持ちで鑑賞できました。(もう昔の話だからか、案内の方は教えてくれなかった気が)

確かに重厚な家具セレブ設定にはピッタリですね。

ドラマロケ地として使われたライブラリー

さて、ドラマの話はおいておいて、中世貴族に取ってのライブラリーは、主人の知性を示すもの。どのような本が置いてあるのかはとても重要(実際に読んでいなかったとしても)。本は、インテリアの役割も果たしていたため、背表紙の装飾を変えたりもされていたとか。

そのため、どの本がどこにあるかは、目録にまとめられて、机の上に。

ライブラリーの本

本の目録=ライブラリーカタログ

高いところの本は、移動式の階段や、棒のように見えるけれども広げたら梯子というものなどを使って取るようになっています。

移動式の階段
この棒が
はしごに

そして、下の写真の手前に見えるのは、ウィスパリングチェア。互い違いに座っているように見せかけて実は密談のできる椅子です。

ウィスパリングは囁き。基本婚姻前の男女の同席に非常に厳しい文化を背景にこっそり愛を囁ける形です。(ただ、ネット情報によると密談椅子としてダークな利用もあったそうですが)。

ウィスパリングチェア

2F:教会

中世の貴族は、非常に信仰に厚く、邸内に教会を持つこともあったとか。

ブリティッシュヒルズは学校の研修が基本の利用用途でもあるため、ミッション系の学校で習慣となっているお祈りの時間もこちらで実施できるようにしているようです。

教会

2F:1F 研修室

各階には現在は学生さんの研修で使われているお部屋が4つありますが、その名前は、アポセカリールーム・アーモリールーム・ミュージックルーム・トロフィールーム。

ブリティッシュヒルズではお部屋の内装は研修仕様ですが、本来のマナーハウスでのそれぞれの部屋の役割は次の通りです。

❶アポセカリールーム=薬剤師の部屋

❷ミュージックルーム=楽師を呼ぶときに楽器を保管する部屋

❸アルモニールーム=武器庫

❹トロフィールーム=戦利品を入れておくお部屋(宝物庫)

1F 研修用のお部屋

さて、貴族の荘園屋敷マナーハウスを模した部分はここまでです。


次のお部屋は、ハリーポッターの世界や修道院の世界観となります。

1F:リフェクトリー

リフェクトリーというのは大学や修道院で、大人数が一同に介してお食事を取ることのできる食堂大広間です。

このリフェクトリーには3つのゾーンがあります。一つ目は最も広い場所、平場の部分で学生などが座る席。二つ目は写真では平場の手前に位置する場所にくるのですが、一段上がった壇上(下側の写真)。学校の場合だと講師陣が座る場所となります。

最後のゾーンは上の方の写真の最奥に位置するバルコニーの上。ロイヤルバルコニーで学長など位の高い方が座る席となっています。

この日は貸切があり、ランチを予約できませんでしたが、ランチ予約や宿泊時のディナーなどでこのリフェクトリーでコース料理をいただくこともできますので、公式サイトをご確認下さい。

リフェクトリー

壇上

ロイヤバルコニー

ブリティッシュヒルズ訪問記②では、アスコットティールームでのアフタヌーンティと売店等の設備をご紹介します。

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