なぜ、鹿児島をご紹介したかったのか、印象に残る風景が答えの一つと言えるでしょう。
鹿児島空港から桜島は50Km程度の距離
鹿児島空港到着後は、鹿児島の代表観光地でもある桜島に向かいます。桜島をぐるっと回ってホテルに向かうだけのルート、鹿児島県の極々1部のみを回っているだけなのに距離がなんと125Km。鹿児島県広いですね。
まずはぐるっと桜島
この日は残念ながら曇天。たまに小雨も降っていましたので。遠くから眺めるのではなく、近づいての観光となります。
雲が多いと、煙がそれほど目立たずただの山のようにも見えます。
桜島の周囲は一周車で廻れるようになっていて、見学スポットには案内が出ています。
黒神埋没鳥居
右回りに回って4分の1周ほどの地点に、黒神埋没鳥居があります。
桜島が島から半島になったのは大正3年(1914年)の大噴火が原因だったそうで、その大噴火によって埋没、鳥居の元の高さは3mとのこと。鳥居の名前である黒神は黒神村687戸の村の名前です。現在大噴火の威力を示すものとして、天然記念物となっているこの場所は、悲しいものです。ただ、隣に見えている根っこはアコウの老樹というその災害を乗り越えて生き残った奇跡の樹木だそうで、悲しい天然記念物に一筋の光をもたらしているようですね。
桜島ビジターセンター
桜島のビジターセンターは空港から陸路で巡ると、黒神埋没鳥居からぐるっと半島の先端に近い方を回った先にあります。鹿児島市からフェリーで桜島に来られる方には逆に入り口側にあるという位置となります。
このセンターでは噴火時の写真が身長以上の大きさで展示されていたり、噴火が日常に与えてしまう様子などを展示されています。
深刻な展示とは真逆な感じですが、お土産類も販売していました。
坂元のくろず『壺畑』で壺の景色を
坂元のくろずは桜島から車で約30分
空港から桜島の戸柱神社から霧島市方面に北上していくと、坂本のくろず『壺畑』というところがあります。一本道で目立つ看板があるため、車でも通りすぎてしまわずに訪問できると思います。
鹿児島県霧島市にある『坂元のくろず』は、江戸時代後期、黒酢が発祥した地だそうで、『壺畑』には情報館として、黒酢のできるまで等の解説展示を見ることができます。
坂元のくろずと一般的なお酢って何が違うの?
日本で『お酢』(食酢)が作られたのは西暦400年から500年の頃。
お酢の元となる原料はお米に限らず、果物などもありますが、糖質があるものが元になっており、糖質をアルコール発酵させた後、酢酸発酵させたもので主成分が『酢酸』になっているものを酢というのだそう。
私たちが日頃最もスタンダードだと思っているお酢は、おそらく米酢。米酢の定義はお酢1リットルに対して40g以上のお米が使われていること、とのこと。
では、坂元のくろずはというと。お酢1Lに対して180g以上使用していて、かつ『発酵及び熟成によって』褐色または黒褐色に変化したものというもの。
つまり、元の原料は贅沢に使って発酵をすすめて堆積が減っていく過程で色も褐色になっていくという気の長い工程を経るものが坂元のくろずで作られている『黒酢』なんだそう。
坂元のくろずでは発酵の過程の全てを一つの壺だけで
その一般的なお酢をお米から一般的に作り出そうとすると
①お米を蒸して。
②米麹と水を加えて。
③酵母を加えてアルコールを作る。
ここまでの工程はお酒作りと同じだと思います。
もご参照ください。
④そのお酒に純米酢を混ぜた上で酢もとを作る。
⑤『酢酸菌』を加えてお酢に。
⑥でき上がったお酢をねかせてまろやかに。
という工程を経るのですが。
坂元のくろずの場合は、以下の通りシンプル。
①壺に蒸し米・米麹・地下水を入れる。
②ひたすらに寝かせる。
まさかの二工程。そして、発酵は鹿児島の霧島市の気候の中、外に置かれた壺!の中で太陽と自然界の微生物の力で行われるそうです。お酒づくりでも自然の中にある微生物で発酵させた生酛作りは力強いと書かれていたなあと思い出します。
『壺・壺・壺』圧巻の坂元のくろず光景
自然の世界で壺で発酵を促すということで、その壺がずらあああありと並んだ光景は圧巻。
壺の個性を見分ける職人さんあっての自然発酵
この大量の壺。同じものが並んでいるように見えますが、そこは自然界の仕組みを利用しての発酵。それぞれの壺の個性を職人さんが見抜き、中を開けて発酵の様子を見て、最低1年長ければ3年間寝かせることで、黒酢を作りあげているとのことです。
坂元のくろずを使った中華料理を
この壺畑の情報館には、お土産物屋さんも併設されていますが、現地でお食事ができるなら、レストランにも寄りたいところ。
ここには、坂元のくろずを使った中華料理のレストランがあります。
そして、お料理も素晴らしいのですが、もう一つ楽しみたいのは景色!
レストランからの景色は、桜島と壺の組み合わせが希少で素晴らしいものでした。
私の国内旅行で思い出す光景として絶対に上位に入るこの風景。『どこかにマイル』で鹿児島に巡り合わせてくれたJALに対して感謝の気持ちが湧いてきます。