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東大寺大仏殿と奥村記念館訪問記 大仏様お参りの後は、免震技術を体感でも学べる無料休憩所(2023年9月情報 奈良公園周辺)

東大寺大仏殿の付近には、東大寺ミュージアムがあるのですが、9月いっぱいは休館。そのため、大仏様にお参りした後は、ほど近いゼネコン奥村組さんの免震技術が学べるという記念館に直行しました。

東大寺大仏殿と奥村記念館の場所は?

近鉄奈良駅から東大寺大仏殿には歩いても1,5Kmですが、100円で乗車できるぐるっとバスもあるため、利用すると楽に訪問できます。JR奈良駅からの場合は、2.8Kmですのでバス利用が中心となるかと思います。

ぐるっとバスの情報は奈良県のアクセスナビのHPで確認できます。

ぐるっとバスアクセスナビのHPはこちら

東大寺

東大寺の正門は南大門(なんだいもん)。鎌倉時代に建てられた木造の門です。

東大寺南大門

そのすぐ先には東大寺ミュージアム。2023年9月は閉館中(1ヶ月間の休館)で喫茶・ショップのみの営業中です。

東大寺ミュージアム前大仏様の掌

そして、たくさんの鹿を見ながら大仏殿に。鹿は探す必要はなく、どこを見ていてもほぼ見つかります。

鹿❶

鹿❷

東大寺大仏殿

大仏殿は正面にあたる中門はしまっていて、横側から拝観料(大人600円)をお支払いして中に入ります。

東大寺大仏殿 中門

拝観券

お線香

大仏殿に向かう長い道の手前中門の付近にお線香を焚けるところがあるのですが、お線香は身も心も清浄化してお参りするという意味があるため、お参り前に。こちら料金は心持ちとなっています。

大仏殿(遠景)
お線香

八角灯籠

大仏殿の前、奈良時代の創建当初からの日本最古の灯籠である八角灯籠(国宝)を鑑賞して大仏殿に。

国宝八角灯籠

大仏様

大仏様の正式名は盧舎那(るしゃな)仏。14.98mの大きなお姿です。後ろには後光が。まずは、心静かにお参り。

大仏様

その後はろうそくで再びお祈り。ろうそくはお値段が決まっているため小銭のご準備を。

お参りのろうそく

創建当時や鎌倉・江戸時代の大仏殿模型

大仏殿の奥側には、創建当初や、少年刑務所で職業訓練技術の集大成で作られたという鎌倉・江戸時代の大仏殿の50分の1の模型があります。

創建当初の模型

鎌倉期の大仏殿模型

江戸期大仏殿模型

柱の穴くぐり

その後は、無病息災のご利益を得られるという柱の穴くぐりを拝見。大きさは縦37cm横30cmで大仏様の鼻の穴と同じ大きさになる穴です。小学生でも大きめの子どもだとくぐれないぐらいに見えました。

柱の穴くぐり

奥村記念館は『記憶』を繋ぎ『調和』をもたらす外観

東大寺はともかく大きいため、大仏殿から南大門までは750mもありますが、東大寺南大門まで来ると奥村記念館は300m先。

1Km歩いた頃に休憩所を兼ねた記念館を置いて下さるとは、本当にありがたいことです。

『奥村組さんは日本有数のゼネコンで、その免震技術を学べる記念館』と聞くとどんなカクカクした場所かと想像してしまいますが、外観は街に溶け込む素敵な風雅な感じです。

この建物は、元々あった奥村組さんの奈良工事事務所を建て替え他ものですが、昔からの建物の梁・瓦を再利用して『記憶』を繋ぐ趣向です。

奥村記念館

奥村記念館で『休む』 無料休憩所

奥村記念館が提供してくれる価値は、『学ぶ』、『見通す』、『休む』ですが、この記事通りに観光したとすれば、1Km歩いて奥村記念館に到着することに。そうするとまずは休みたいですよね。

完全無料なのに、お茶や珈琲をいただけます。しかも、鹿の目線を気にせず休憩できるのはありがたいです。売店などでものを買っている姿じーっと見ている鹿、結構気になるのは私だけでしょうか。

珈琲・烏龍茶の給茶機
熱いお茶とお水の給茶機

そしてお庭の見える椅子もあるのですが、何気なく見ているお庭の水辺の橋。実は免震部分と非免震部分の境目が見えているのです。

意匠的には美しく日本風にも見えますが、置かれていた技術紹介パンフによると『床スラブの取り合い』としてこの部分が紹介されています。

スラブというのは、鉄筋コンクリート造りの平板を指していて、床スラブ意外に屋根スラブという用語もあります。

そして『取り合い』と建設用語に馴染みのない私のような人が聞くと、争っているということ?など誤解してしまいそうですが、建築用語では『部材同士の接続部』のことだそうです。ここで見るべきポイントは『接続部の仕上げスッキリしてるでしょ!』という点です。

床スラブの取り合い

そして、歩いてきてこの建物に入って涼しく快適だなあと感じたところにも、技術要素がありました。美しさを維持するために空調は展示台から出ていて建物の意匠に影響しないようになっていて。さらにONーOFFを断続的に制御するパッシブリズミング空調が採用されています。また、気流方向が冷房時と暖房時で切り替わることで、静けさという快適さも提供されているとか。

奥村記念館で『見通す』

奥村記念館の2Fには展望フロアがあります。そこに向かうルートにも、木や瓦、漆喰、石とコンクリートやガラス、ステンレスなどが組み合わさった『和』が演出されています。

2Fに上がる階段

木目に見えるけど実はコンクリート打ち放し技法だとか、この瓦ねじ止めされているけれども瓦じゃないの?など途中ルートも興味深いものです。

展望台へのルート

先ほど橋の部分でみた免震と非免震の境目の部分は、スライド式可動手すりとなっているとのことです。(写真手前の部分の手すり)

スライド式可動手すり

そして、展望台に行くと、東大寺南大門程近くという立地から、景色を眺められます。(木々が大きいため自然に遮られて見えない部分もありますが)

展望風景の説明
展望台からの景色

展望台から屋外庭方向に階段を降りると本物の瓦なの?という意匠を見ることもできます。

瓦?

奥村記念館で『学ぶ』

シールドマシン模型とハニカムセグメント

トンネルを掘っていくシールドマシン。このマシンを進めることで穴を掘っていき、堀た穴に壁を作るハニカムセグメントの模型が置かれています。

模型では本物の大きさが想像できませんが、世の中には直径14mほどの巨大なものもあるそうです。

この模型のところに名前表示がある『ハニカムセグメント』。この六角形の形が実は『すごいもの』とのことで、全てが同じ形で良いという特徴と、ジョイントの技術と組み合わさり、コストダウンと掘削とセグメント組み立てが同時に出来上がることで施工速度も格段にアップするそうです。

シールドマシン模型

ハニカムセグメント

免震技術

耐震(揺れに耐え忍ぶ)から免震(揺れを逃す)へと進化をしているという話を聞き出してから久しくなりますが、その免震技術には色々なタイプがあり、フロア限定や貴重な陶器の展示台だけなどの分野への活用もされているということも学べます。

まず一度記念館入り口を出て地下に降りる階段の先のガラス窓から、この記念館を支えている実物の免震構造を見てみると理解が深まりそうです。

建物の下の免震設備は1つではなくて、ゴムのようなタイプと、宙に浮いた柱を何かが支えているようなタイプのものが見えます。

ゴムのようなものは『高減衰積層ゴム』というもので、大きな一つのゴムに見えるものは中には鉄板層とゴム層が重なり合ったもので、横方向には柔軟に揺れを吸収しつつ、縦方向にはコンクリート並みの強度があるとのことです。そのため、荷重の大きい柱の下に配されています。

高減衰積層ゴム

荷重が低い柱の下にあるのは弾性すべり支承というもの。柱に比べて小さめのゴムの層があり、下の台座のすべり台とゴムの下のすべり材の部分を使ってすべり合うという構造です。支承という言葉も聞き慣れませんが、調べてみると上部構造と下部構造の間に設置される部材のことを指す言葉でした。

弾性すべり支承

そして、中の展示コーナーに戻ると、高度な免震技術として、金属転がり支承というタイプの免震性能を試してみることができるようになっています。

金属転がり支承の揺れ体感展示

そして展示の目玉は、実際の地震への免震技術の効果を体感できる椅子。

免震技術の適用されていない揺れと、適用された揺れの両方を体感して比較するもので、スタッフさんに依頼して乗せていただくようになっています。

地震・免震体験装置

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