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【京都】『神蔵』製造元 松井酒造の蔵見学記 2022年7月リニューアル 技術の力で徹底管理 年中醸造中を実現! (甘党女性の酒蔵巡り:2022年9月情報)

京都の酒蔵といえば、真っ先に思い浮かぶのは伏見かもしれませんが、今回訪問したのは京阪電鉄の終点駅であり、叡山電鉄の乗り換え駅となる『出町柳』。どちらかというと京都市内中心部に位置する酒蔵さんです。

伏見酒蔵巡りの記事はこちら

松井酒造 『蔵』の場所は?

京阪電鉄終着駅『出町柳』から川端通りを南に徒歩6分程度下り東一条通を東に入った場所にあります。市バスのバス停だと最寄りは川端一条となります。

出町柳から東一条通りへの曲がり角

酒蔵見学の申込と酒蔵見学のために事前に守る事

申込方法

松井酒造さん公式HP のお問合せにて、申し込みたい日時と人数を記載して、問い合わせをかけてお返事をいただく方式です。蔵見学は1,000円分の試飲費用込みで1,500円です。

私は、前日にお申し込みしましたので、電話で再確認をさせていただきましたが、受けていただけました。蔵の作業等でお受けいただけない時間帯もあるようですので、早めにご調整されることをお勧めいたします(反省….)。

酒蔵見学のために事前に守ること

松井酒造蔵見学は、記念館の見学等ではなく、お酒を作る蔵そのものに入るため酵母より強い『菌』の持ち込みが禁止です。

当日は朝から納豆とヨーグルトをいただくことは禁止ですので、徹底が必要です。

今回、蔵見学の際に酒蔵さんの昔ながらの麹室は、藁で囲われていることもあって納豆菌にとっては天国環境ということを教えていただいたため、納豆菌が元気になりすぎて大切な菌環境を壊していく可能性があるということを想像して『絶対に気をつけよう!』と改めて思いました。

関西では納豆は元々食べないから意識していない人も私を含めて多いと思いますが、旅行中の朝食などでいただきがちなヨーグルトも注意!と認識できて勉強になりました。

また、『清潔な服装』で訪問すること、香水はつけないことも気をつける必要があります

強い香水はつけないと書かれていますが、香水をつけ慣れている方は香水の匂いに鈍感になっていることも。つけないのが一番だと思います。

2022年7月リニューアルの『蔵』

京都で最も小さな酒蔵

京都で最も小さな酒蔵さんで伏見の超大手酒蔵さんは、松井酒造で1年で生産する酒量を1日で生産してしまうとか。

でも、徹底した機械管理で年中醸造中。香も楽しめる蔵見学が可能です。

松井酒造入口

入口の酒樽は実は金魚ばち。まだまだ暑いこの季節に涼味を感じます。

入口の樽

樽に金魚

こういったさりげないセンスが、製品『神蔵』の美しい瓶の情景とも相まって、お洒落日本酒を感じることのできる蔵となっています。

神蔵の美しい瓶

技術の力で徹底管理 年中醸造中を実現!蔵見学

靴カバーに髪カバー、納豆菌とヨーグルト菌は絶対禁止を再確認して蔵を見学に。上から製造ラインを覗き込むような見学ルートではなく、醸造をしている場所そのものに入るため、フワッと幸せな甘い香りが漂います。

この香りをかいだだけで『現地に行った価値あり!』と実際醸造されている酒蔵見学ができた時にはいつも感動を覚えます。

蔵の様子

雑味は味わいでもある

日本酒の原材料はお米と水。こちらで最も精米歩合が高いものは35%だとか。酒米の内65%を糠として削り取った後の中心部を使ったお酒ですね。

精米歩合は大吟醸だと50%以下ですが、必ずしも大吟醸だから良い!と無条件に良いわけではないとレクチャーくださいます。

米を削り取る部分は周りのタンパク質でそれが雑味ともなります。

が、蔵見学でお話を聞かせていただいて良かったなあと思ったお話の一つが

『雑味は味わいでもある』

とのこと。

お酒の味に何を求めるかによって、スッキリとした大吟醸を選ぶのか、他の味わいを求めて精米歩合の低いものにするのかなど、時と場合、好みに合わせて選ぶのが良いとのことです。

酒蔵巡りをしているのに味覚が完全甘党派の私にはとても勉強になりました。

甘いお米は熱々のまま醸造することもある!?

研いだお米は吸水させて蒸される工程に入りますが、吸水率は色々な酒蔵さんが声を揃えて『日本酒造りの肝!』と仰るところ。給水率はたったの5秒で1%も上がってしまうといいます。それによって味が大きく変わる吸水率を絶妙にコントロールされているから美味しいお酒ができるのですね。

私は蒸したお米は冷却するものだと思っていましたが、甘いお酒は冷却の工程を経ず、熱々のまま醸造されることもあるそうです。ほっかほかの醸造工程を想像するとお酒の甘やかさと相まってより美味しく甘めの日本酒をいただけそうです。

世界に日本酒を広めるキーワードTシャツ

さて、下の写真はこちらの蔵の物販店舗で販売されているもの。中央に書かれている英語、何を表していると思われますか?

お土産 Tシャツ

マルティプルは『複合的な』パラレルは『並行』そして、ファーメンテーションは『発酵』を意味します。

これはワインの単発酵(ぶどうには糖分があるからそのまま発酵できる)とは異なる日本酒の発酵過程を表しています。お米はそのまま発酵させようと思っても酵母の栄養となる糖分が不足してるため単発酵ができません。

そのため、麹菌を作って、その役割で米のでんぷんを糖化させて栄養素となるぶどう糖を作るという工程とできた糖を栄養素として酵母が発酵を促進してアルコールを作るという『複合』発酵を同じ樽の中で『平行』して行うという工程を経ます。

それを表したお土産Tシャツ。海外の方が購入して帰ってくださると『それ、どういう意味?』の疑問から、日本酒の奥深い面白さが広まる会話へと続きそうですね。

私も友人が『並行複発酵』と漢字で書かれたTシャツをきていたら….あれ、こっそりスマホで調べるという行動になるかもしれませんね!?でも、その検索から日本酒が飲みたくなるのなら…世界に日本酒がより広がってくれるチャンスとなりますね。

なお、松井酒造蔵見学は英語でのご案内を申し込むこともできるそうです。京都中心部に近いところに英語で日本酒文化を知れる蔵、最高でしょうね。

徹底した温度管理で年中『冬』の環境 

蔵見学の醍醐味の『香り』。それをしっかり楽しめる仕込み樽を見学の中で見せていただけました。

画像だけでもお酒好きな方だと美味しさを想像できませんか。

酵母が最も元気に働くのは25度から30度。でも、元気すぎは良くないらしく低温でじっくり発酵させていかないとフルーティーな香りが出てこないそうです。だから、日本酒造りのオンシーズンは『冬』。

でも、この蔵は徹底した管理で温度を維持し、『冬』の環境を1年中保って製造されているそうです。どのシーズンに行っても蔵見学で仕込みの香りを楽しめるとはなんともありがたいことでもありますね。

仕込み樽

そして、仕込み樽のお酒を絞って晴れて『日本酒』の生酒となったお酒の貯蔵庫も温度管理で0度以下となっているそうです。日本酒は搾りの後、貯蔵前と瓶詰め前の2回火入れを行いますが、その火入れをおこなっていない搾ったままの状態のものが生酒。生酒は適切に温度管理をしないと品質が変わってしまいますが、0度以下に保つことで発酵を停止させて品質を維持されています(日本酒は0度では凍りません)。

貯蔵庫

お楽しみの試飲は座席でゆったりと

さて、蔵見学を終えてのお楽しみ試飲タイム。

椅子とテーブルに腰掛けての試飲は種類も多く、おつまみもオーダー(有料)できるという快適環境。ご利用者の方がいらっしゃったので、写真には写っていませんが、別に大きめカウンターとテーブル席があります。

試飲スペース

蔵見学費用1,500円に含まれる1,000円分のチャージがされたカードを渡され、好きなものを試飲できるスタイルですが、1,000円分とは別に1杯目は『神蔵ルリ』とつぶ貝のおつまみが提供されます。この一杯目、精米歩合は65%・お米は『祝』。

淡麗なのか濃醇なのか、甘口なのか辛口なのかの4軸で座標を取ったお酒の解説では濃醇辛口の場所に位置していました。

甘党の私にも甘党でない夫にもどちらにもフルーティさが「美味しい!」と印象に残るもの。『必ずしも大吟醸でなくて良い、雑味は味わいでもある』教えていただいた言葉を体感できる一杯目です。

一杯目 蔵見学共通提供 神蔵ルリとつぶ貝

蔵見学なしで試飲だけを楽しみたい方は、このチャージカードを購入していただくこともできます。(試飲というより、もう神蔵バーとして利用できる雰囲気なので、試飲のみもとてもお勧めです。)

私も次の予定で今回時間があまり取れなかったので、もうリピートしたい気分で、5,000円コースだとテイスティングカード購入費も無料でいけるとみて、次回はこれだなと思っています。(蔵見学の場合はカード無料で借用できますが返却要が必要ですので)。

テイスティングカードの案内

蔵見学のカードにその場でチャージすることもできるため、オプションのおつまみもオーダーしてみます。

えいヒレ・イカソーメン・鴨ローストのおつまみ3種盛(750円)ととり皮ポン酢の大根おろし和え(300円)。こういった充実したおつまみと試飲を合わせられることが、リピート欲を刺激します。

おつまみ3種盛

とり皮ポン酢の大根おろし和え

試飲は種類も豊富で一杯あたりの量も30ml・60ml・150mlが選べます。

私がいただいた試飲のシリーズでは最も高級で、古酒特有のまろみが堪能できた熟成酒 神蔵 幾年(写真に幾年はどのお酒か示しています)。30ml 400円・60ml 800円・150ml 1 650円で味わえます。

試飲ラインナップ 一番右が 神蔵幾年

また、もう少しお手頃に味わえる試飲では、例えば一杯目のルリだと30ml 200円・60ml 350円・150ml 750円でいただけます。

試飲ラインナップ(光って見えずで申し訳ありませんが一番左がルリ)

そして、試飲機では提供できないものでオーダーできるものも。こちらは甘党の酒蔵巡りには小躍りしたくなるラインナップです。

京ゆずのリキュール・神蔵 「蜜號」 (みつごう)京ゆず 無濾過日本酒仕込み。

口に含むと『清涼感とゆずの甘味』が鮮やかに広がるものです。甘党の私にはマイベストと思えたお酒。翌日でもあのゆず酒美味しかったねと言い続けてしまう美味しさ。

そして、神蔵「蜜號」 濃厚ヨーグルト 無濾過日本酒仕込み。こちらは、60%がヨーグルトでできています。精米歩合を敢えて下げ、お米のまろやかさや旨味がヨーグルトに合うように造られています。まさに大人のヨーグルト。ヨーグルトのお酒は発酵が進んでしまうためこちらでは氷温貯蔵されているとのこと。

リキュール類

こちらは酒蔵の方がお持ち下さるので、カップも素敵。

左 神蔵 「蜜號」ゆず・右 神蔵 「蜜號」ヨーグルト

試飲の後はお土産品。こちらのお酒ボトルや化粧箱をみているだけでも楽しくなるほどデザインも秀逸。

神蔵大吟醸販売品

神蔵 「蜜號」販売品

この素敵な試飲とお土産購入時間、たっぷり時間に余裕を持って伺いたいところですね。

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