ウェスティン都ホテル京都の滞在が決まった際、あるガイドブックを見ていたら福寿園で映えを軸にした新しい形態のお店FUKUCHAの2号店ができたことを知りました。
そこから、辿っていくうちに、メゾン・ド・マツダ福寿園(フレンチレストラン)にいつか行こうと思っていたことを思い出し、早速予約検索。一休レストランで新年特別プランの予約にたどりつきました。
さらに旅行が近づいてウェスティン都ホテル京都のHPにて、アクティビティ検索をしていたところ福寿園のお茶講座が掲載されていて、『これはお導き』とばかりに同じビルにあるメゾン・ド・マツダ福寿園の予約時間に終わるようにお茶講座の予約を入れました。
ウェスティン都ホテル京都から福寿園への行き方は送迎バスで祇園四条で降車して徒歩
福寿園本店は四条通り沿い、阪急河原町駅と阪急烏丸駅の間です。ウェスティン都ホテル京都では京都駅行きのバスが降車のみ祇園四条駅(京阪)に対応しているのでそこを降りて、ひたすら四条通りを西に行くだけのわかりやすい立地です。福寿園からウェスティン都ホテル京都に行く時には、バスは使えませんので、烏丸駅から地下鉄で蹴上駅に向かいます。
福寿園お茶講座『高山コース』とは?
お茶講座のコースは60分・90分といくつかに別れていましたが、玉露も煎茶も入れ方を知りたいし、お茶ブレンド体験もしてみたいとフルフルに楽しみたい人の講座が高山コース(3300円/人)です。その他のお茶講座のコースは高山コースから玉露の淹れ方を抜いたり、ブレンド体験を抜いたりという組み合わせです。総合的に理解を深めるには、高山コースが良いと思います。
ウェスティン都ホテル京都宿泊者の方はホテルにメールで依頼するとコンシェルジュの方が予約してくれますが、宿泊者でない方は福寿園HPからも予約できるようです。
福寿園地下1F 「京の茶蔵」でお茶講座
福寿園に到着すると外から地下1Fに下りられる階段があります。そこを下りると出迎えて下さった方が、本日の先生。日本茶インストラクターの方です。お茶講座『高山コース』90分間の構成は大きく3つ「お茶の種類について学ぶ(座学)」・「美味しいお茶の淹れ方(実習)」・「茶葉ブレンド体験(自分の好みを知る)」です。
福寿園お茶講座座学:お茶の種類を学ぶ
私はこの講座を受ける前、宮崎 夢茶房さんでもお茶の講座を受けていましたが、その時は工場見学で日本茶のできる工程を学びながら教えていただいたので、座学でじっくりは初めて。
お茶講座(座学)では、福寿園の総合パンフレットで日本茶の種類を学びました。学んだ種類は4つ。かぶせ茶は正直聞いたことがあるけどいったい何?と思っていましたし、抹茶と玉露の茶葉の育て方が同じなど思ったこともありませんでしたので、本当に勉強になりました。
抹茶(石臼で挽く前は碾茶という)
茶摘みの20日前から日光を遮って、旨味成分の「テアニン」が渋み成分の「カテキン」となるのを抑制して育てた茶葉を揉まずに蒸して(ここまでで碾茶)、石臼で挽いたもの。
玉露
抹茶同様、茶摘みの20日前から日光を遮って育てた茶葉を蒸して揉んだもの。(碾茶との違いは揉むか揉まないか)旨味成分「テアニン」が豊富の最高級茶葉。
かぶせ茶
茶摘みの7日前から覆いをかけて日光を遮って育てたもの。テアニンがカテキンに少し変化するため玉露のような旨味と煎茶の渋みを併せ持つように育てた茶葉を蒸して揉んだもの。(玉露とは覆いをかける期間が異なる。)
煎茶
露天園といわれる日光を遮らない茶園で育てられた茶葉(テアニンが変化したカテキンを豊富に含む)を蒸して揉みながら乾燥させたもの。爽やかな渋みを持つお茶。
この4つの違いを学んでおいたことで、この後別にいただいたメゾン・ド・マツダ福寿園でのフレンチに加えられたお茶のお話を聞いてもすんなり理解できました。聞いてなければ、「かぶせ茶って何?」のままだったでしょうから。
福寿園お茶講座実習:美味しいお茶の淹れ方
高山コースでは、煎茶と玉露の美味しい淹れ方を学べます。煎茶と玉露の間となる「かぶせ茶」はについても、日本茶インストラクターさんが淹れてくださったものをいただき味と香りの特徴を感じさせてくれました。
お茶の淹れ方のポイントは「茶葉の量」・「湯の量」・「湯の温度」・「抽出時間」のバランスが整っていることと、濃さを均一にするために回し注ぐか、手を返して茶葉に湯を行き渡らせること、そして最後の一滴まで淹れることのようです。最後の一滴は紅茶でも「ゴールデンドロップ」といわれていますが、日本茶でも同じことだそうです。
お湯の温度は80度以上となると渋み成分の「カテキン」と苦味成分「カフェイン」が急に抽出されやすくなるため、80度未満で入れるようにすることも学びます。
美味しい玉露の淹れ方
美味しい玉露は以下の配合、量から見てもわかる通り、「珠玉の一滴」を楽しむお茶ですね。強いお出汁の味がします。いただいたお茶は、京都 宇治田原で栽培された「さえみどり」という品種のものでした。
- 茶葉 3g
- 温度 40℃
- 湯量 30ml
- 抽出 150秒
美味しい煎茶の淹れ方
煎茶はカテキンを味わうものですが、渋すぎないよう湯温は80℃未満で入れることが大切のようです。この淹れ方通りに淹れると確かに飲み慣れた味以上に旨味も感じました。ここでいただいた煎茶は京都の南部 和束で採れた「やまかい」という品種でした。
- 茶葉 3g
- 温度 70℃
- 湯量 60ml
- 抽出 90秒
福寿園お茶講座:お茶ブレンド体験
お茶のブレンド体験は、自分で混ぜ合わせる等ではなく、自分の好みを知るというもの。先ほど、お茶の淹れ方講座で試飲した「煎茶」・「かぶせ茶」・「玉露」を以下の2通りで組み合わせて好みを知るというものでした。
かぶせ茶×煎茶
お茶の淹れ方講座の際に先生に淹れていただいたお茶は京都和束の「奥みどり」という品種。それを煎茶と混ぜ合わせると、キレの良さと後口の旨味があるお茶になるそうです。
玉露×煎茶
煎茶「やまかい」と玉露「さえみどり」のブレンドは相性が良いそうで、やまかいの持つ香味をさえみどりが押し上げて、広がりと余韻をもたらすそうです。
試飲させていただいた結果好みは「玉露×煎茶」ブレンド。ここで決めたブレンドの茶葉をお土産にいただけました。お家でも上手に淹れないと茶葉が泣きますね。
ブレンド体験はそれだけの講座も別にあるようです。次の機会にはブレンド体験だけというのも受講してみたいですね。
福寿園お茶講座番外:茶葉を食べる体験
このお茶講座で、新たな発見となったのは、淹れた後の茶葉を「食べる」こと。時間に余裕があればのお茶講座のオプションで、「玉露」と「煎茶」の茶葉に出汁醤油をかけていただきました。先生のお勧めは「玉露」と伺った通り、「玉露」はまるで青菜のおひたし。旨味たっぷりの茶葉に出汁醤油お旨味で美味しくないはずがない組み合わせですね。
茶葉には水に溶けないビタミンA・E・食物繊維が含まれるので体にもとても良いとのこと。お土産にいただいた茶葉も家で食べてみようと思います。
福寿園とウェスティン都ホテル京都の繋がり
講座の最後に、福寿園とウェスティン都ホテル京都のつながりを教えていただきました。【ウェスティン都ホテル京都の過ごし方③】の館内ツアーで見学した佳水園の客室にあるお茶は、福寿園がブレンダーとして、実際にお庭を歩いてイメージを広げブレンドしたお茶だとか。客室の中を拝見した時にお茶パック高級そうだなと印象に残っていたことを思い出します。
佳水園ではなく、一般客室宿泊の方や外来の方でもウェスティン都ホテル3Fメイフェアでお求めいただくこともできるようになっていました。
メゾン・ド・マツダ福寿園でお茶を使ったフレンチを
福寿園3Fには、宇治茶のフランス料理「メゾン・ド・マツダ福寿園」という本格レストランがあり、そこで一休レストランで予約したお正月特別ランチをいただきました。あまりにも盛り付けも美しいので全品写真ご紹介したいと思います。
ここのお料理には全てお茶が組み合わされていてとても興味深いお食事体験ができる素敵なお店です。コースと別オーダーのドリンクも抹茶を使ったモクテルや抹茶ビアというビアカクテルなどもあります。写真の目テルは抹茶ローズスプモーニ。抹茶にローズにグレープフルーツの組み合わせは「見た目重視?」かと思いきや、そこは福寿園さん。見た目以上に味重視なんです。抹茶のグレープフルーツの苦味にあうモクテルの甘味そして香はローズ。絶妙のブレンドです。
大福茶
お食事の前に大福茶という京都で新年を祝うお茶が出てきました。事前にこのお茶が出てくるというのは聞いていたため、お食事の前に地下1Fの京の茶蔵でお土産としても購入しました。とてもおめでたいお茶ですね。
アミューズ:エゾシカのゼリー寄せ+濃茶
鯛のアルベールソース+一番茶を使ったほうじ茶
この鯛、焼き加減も見事で食感も楽しめる一皿でした。
黒毛和牛のサーロインステーキ+碾茶
ここで、お茶講座で学んだ「碾茶」が出てきました。碾茶は抹茶を石臼で挽く前のもの。なかなか生活の中ではお目にかかれませんが、ここで早速復習できました!
聖護院かぶらのスープ+煎茶のニョッキ
聖護院かぶらは京野菜。京野菜に京都のお茶が芸術品の美しさで盛り付けられている様子が素敵でした。
鮑のローストピストーソース+かぶせ茶
かぶせ茶と磯のものの組み合わせがあうとのご説明をいただきました。先ほど、お茶講座で学んだとき、日本茶インストラクターの方に淹れていただいたかぶせ茶が「磯の香り」だったことを思い出し、納得。理解が深まりました。
ズワイガニのピラミッド+煎茶の茶葉ごとのジュレ
ピラミッドの土台の部分に煎茶が茶葉ごと使われたジュレを敷かれているとのことです。
お茶のパン
このお茶のパン。入れ物がまた可愛らしいですね。そしてパンは熱々。
全席にこの入れ物が置かれているだけで、ワクワクした気分となります。
クリームチーズムース・洋梨のベニエ+碾茶のアイスクリーム
碾茶は石臼で挽く前の茶葉とまたここでお茶講座の復習。アイスクリームは濃い抹茶のお味と理解していただきました。絶品です。
小菓子+富小路煎茶
小菓子と合わせるのはもちろん珈琲ではなく日本茶。ここで出てくる富小路煎茶は、福寿園京都本店オリジナル茶とのこと。福寿園本店は四条通りと富小路の交わる場所にあるからこのお名前なのかと思います。
この芸術的なフレンチ、メニューは毎月変わるらしいです。便利な立地でもあるため、京都に来た時にはまたお伺いしたいと思います。
福寿園体験は、お茶講座とフレンチだけでも最高の体験でしたが、福寿園ビルの中には、茶具を扱われているフロアや、冒頭記載した若い方ターゲットの茶寮 FUKUCHAもあり、もっと深堀してみたいところです。また、お茶体験は福寿園宇治の方でも別メニューがありそう。色々なところに行ってみたくなりますね。
【ウェスティン都ホテル京都の過ごし方】として8日間お届けしたテーマは最終回です。今回は年末年始5泊6日、ウェスティン都ホテル京都に滞在しましたが、飽きることも全くなく、寧ろ時間が足りないと思ったほど。観光帰りにラウンジに温泉と最高のくつろぎをいただきました。今回は3回目のリピート滞在でしたが、4回目の滞在ができる日を楽しみにしています。